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夢売るふたり10

東京の片隅で小料理屋を営む貫也(阿部サダヲ)と妻の里子(松たか子)。
小さいながらも順風満帆な店だったが、火事で全てを失ってしまう。
一からやり直そうと前向きな里子に対し、貫也はすっかり投げやりになっていた。
ある日、店の常連客だった玲子(鈴木砂羽)と思いがけず一夜を共にした貫也は、店の資金にすればどうかと大金を手渡された。
里子は貫也の浮気に怒りながらも、店を再開するため、結婚詐欺を思いつく。
孤独な女を見つけ出し、里子が計画を練り、貫也が結婚詐欺を繰り返すが…。


火事で全てを失ったことから始めた結婚詐欺を通して、複雑で深遠な男と女の関係を描き出す。

2012年 9/8公開 日本映画
監督 西川美和
女たちを見る{★★★㊤3/5}

一見、ロマンティックなタイトルですが、開店の資金繰りのため、夫婦で結婚詐欺をするというお話です。
寂しい女を見つけシナリオを練るのは妻、見るからに人の良い夫は、女たちを口説き大金を手にする。
結婚願望の強いOL、コンプレックスを持つウエイトリフティングの選手、男運の悪い風俗嬢、子持ちの未亡人などがターゲット。
深層心理が露呈するような人間くさいシニカルな作品でした。
夫婦間の呼吸や間が絶妙、コミカルな笑いもあって重苦しい雰囲気ではなかったけど、上映時間が長く、中盤ややダレてしまった。
長いわりには丁寧さが欠けるようにも感じ、言い出すと映画の意味がなくなってしまうから控えるけど、不自然さが拭えないエピソードもチラホラ。
「はっ!」とするセリフは多々あるものの、最悪な一点、まだそんな小さな子供にそれはやらせないで頂きたかった。
おそらく好みは分かれそうですが、役者さんたちが適材適所、お芝居は素晴らしい作品です。
夢売るふたり11
貫也の天性とも言える優しさと生真面目さが女性の心の中にストンと入り込む。
結果的には騙しているけれど、不器用ながらも前向きで、本音も語ってくれる貫也に、孤独と不安を抱える女性たちは見事にハマってしまうのが妙にリアル。
“いかにも”な男ではない貫也に悪意は感じない。

不器用だが、料理人としての腕は確かな貫也を献身的に支えてきた里子。
ポジティブで良妻だった里子は、夫の浮気をきっかけに、結婚詐欺を思いつく。
次第にダークな部分が明らかになった里子は、貫也との心のズレを感じ始める。
里子に取って、詐欺行為は資金繰りの為だけではなく、浮気をした貫也や家庭を夢見る女への腹いせだった。
良い悪いではなく、“女のカルマ”は何となく分かってしまう。
夢売るふたり12
登場人物は、ごく普通の人たちばかり。
貫也と里子も悪い部類の人間ではない、ごく普通の夫婦だった。
良かれと始めたことに、様々な感情と葛藤する“妻”は、おそらく“妹”になった時、より複雑な波になったのかもしれない。
貫也に図星をつかれても、常に冷静で大人の対応を続ける里子は、貫也が“家庭”の中に入り込んだ時、危険スイッチを察知する。
「私には人を惹きつける魅力はない。貫也の人生に乗っかってるだけだから」
本心も悪意も良心も不明瞭だけど、ねじれた夫婦は、それでも夫婦であることを拒まないのだろう。
男女の複雑さ、同士のようになっていく夫婦、妻のプライドや孤独、騙される女が抱くささやかな夢…。
夫婦のかたちや愛に正解なんてないけれど、特に女性は、色々と考えさせられるかもしれません。
夢売るふたり14
とにもかくにも俳優さんたちの演技は見物。
「告白」では娘を殺された母親の復讐でしたが、今作では、嫉妬や敗北感など強かで冷ややかに見せる松たか子が怖かったですね~さりげなく女の弱点を見抜く目つきとか女なんだよなァ(笑)
詐欺を繰り返す度、色んな側面が見え隠れして、混沌としていく愛憎とか実に上手い!
確か、爽やかにパンのCMしていたはずなのに(苦笑)あの食パンの食べ方から、火あぶりにした札束を風呂に投げ入れ、夫を尋問(?)するシーンは忘れられない名場面になりました。

憎みきれないダメ男を演じる阿部サダヲがこれまたお見事。
騙すと言うより、どこか癒し系で慈善事業みたいに、「○○ちゃん、いつもそうやって貢いできてるでしょう?」なんて窘めたりする。
悪びれた様子を受けないのは、素のままで女を虜にしちゃってるからなんだろう。
心の隙間を埋めてくれるのは、二枚目ではなくこんな男性なんでしょうね。
騙す女に情が移っていく阿部サダヲの独特な空気が良かったです。

プライドが高いイタイ独身女(田中麗奈)、今の生活は地に足がついていると言う風俗嬢、純粋で善良なひとみちゃん、薄幸そうな子持ちの未亡人(木村多江)、多くは語られなくても、それぞれの人生が垣間見れるようでした。
2012.09.27 / Top↑
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