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備忘録として更新します。コメントありがとうございました。

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1927年、ハリウッド。
サイレント映画の大スター、ジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は、新作のオーディションで新人女優ペピー(ベレニス・ベジョ)と出会う。
ジョージの何げないアドバイスをきっかけに、ぺピーはトーキー映画のスターへと駆け上がる一方、芸術家であることに誇りを持つジョージは、かたくなにサイレント映画に固執し、瞬く間にスターの座から滑り落ちてしまう…。


サイレントからトーキーへと移り変わるハリウッドを舞台に、スター俳優の葛藤と愛を美しいモノクロ映像でつづるサイレント映画。
ロマンチックなラブストーリーとサイレント映画へのオマージュで数々の映画賞に輝いた。
第84回アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞、衣装デザイン賞、作曲賞と5部門でオスカー受賞。
犬のアギーは第1回“ゴールデン・カラー賞”で最優秀俳優犬を受賞。

2012年 4/7公開 フランス映画
監督 ミシェル・アザナヴィシウス
音のない世界で魂を感じる{★★★★㊤4/5}

白黒&サイレントに慣れるまでしばらくキツかったが、逆にこの手法が新鮮で、深い味わいを感じることができる作品だった。
俳優のイメージはもちろん、スタジオ、衣装、美術、小道具、全てがノスタルジックで、声なくとも重ねられていくひとつひとつの場面が緻密で丁寧。
栄光、挫折、夢や愛など、シンプルで鉄板なストーリーは、セリフがなくても気持ちが通じ、映像や音楽で状況が分かる。
好みはあれど、アカデミー賞作品賞は納得です!!
8THE ARTIST
冒険活劇からラブロマンスまで何でもこなす大スターのジョージ。
彼の映画にエキストラとして出演したペピーは、「大女優になるなら特徴を持たないと、、、」とジョージにアドバイスされる。
映画業界がトーキーへと移行する中、自らをアーティストだと言うジョージは、無声映画に拘り、キノグラフ社を去る。
一方、エキストラから次第に役がついたペピーは、トーキー映画の新進スターとして、主演作が公開されるまでになる。
自主制作のサイレント映画が大コケし、さらに世界大恐慌で打撃を受けたジョージは、財産を失い酒に溺れる。
人気を博し大女優となったペピーは、自暴自棄になるジョージを影ながら気遣う。
THE ARTIST2
王道な物語は逆にセリフなしでも予想の範疇だったけど、中盤、音のない映画に音を与える意外性と巧みな技、階段ですれ違うジョージとぺピーを三階建ての構図で見せる栄光盛衰の演出が素晴らしい。
去りかけたジョージを指笛で振り向かせたぺピーがタップを踏む。
無声に固執する男が音で振り向き、ステップを見つめる。
トーキーの幕開けとラストへの伏線となる見事な演出でした。
わずかな字幕の挟み方、バックの音楽もとても良い。
あわやの場面「BANG!」のテロップとアギーの死んだふりに泣き笑いでした。
(ちなみに、ウチのワンコも死んだふりはできます~笑)

フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースを思い出させるようなタップダンスのラストシーンは圧巻。
踊り終えた二人の息遣いから迎えるラストが素晴らしい!
どこかで見たような懐かしい映像がたくさんあリ、胸にグッとくる演出が多く、映画を観て笑ったり拍手したりする観客の一体感とか、何気ないワンシーンにも娯楽への愛とユーモアが溢れている。
アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞した数々の衣装。
特にぺピーのドレスはどんな色なんだろう~とかき立てられる楽しさも。
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表情や身体の動きで表現した主演のお二人は素晴らしかったですね。
昔風の色男でニヒルな感じのジャン・デュジャルダン、明るく生き生きとしたベレニス・ベジョ。
二人とも優雅でモダンでした。
サイレント映画を愛し、古い世界にとどまるジョージの成功と衰退を見事に演じたジャン・デュジャルダンは、フランス人俳優初のアカデミー賞主演男優賞を受賞。
人気コメディアンだそうですが、優しい微笑みは当時の俳優さんを彷彿させるものでした。
活発なベジョには、トーキーのスターになっていく魅力を十分に感じさせられました。
そして何と言ってもアギーが可愛すぎる!!
奥さんより可愛がるのも無理はない(笑)
運転手のクリフトンにジェームズ・クロムウェル、キノグラフ社のアル・ジマーにジョン・グッドマンのベテランが、脇で良い味をかもし出している。

「WHO'S THAT GIRL?」から始まったぺピーのサクセス・ストーリーと、大スターであるジョージの挫折と再起。
名作へのオマージュが散りばめられた甘く美しいラブストーリーは、CGや3D全盛の今、「映画とは何か」を改めて見せてくれたよう。
常に新しい物が求められていく中で、原点に帰る大切さ、また時代の変化に対応する臨機応変さも必要なのですね。
観る人によってさまざまな解釈や想像を起こさせられる。
そういう楽しみも含め、是非、劇場でご覧になって欲しい作品でした。

一点だけ、質屋?テーラーメイド?の前でジョージに声をかけたおまわりさんは何を言ったのだろう…。
2012.04.07 / Top↑
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