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備忘録として更新します。コメントありがとうございました。

The Help30

1960年代、ミシシッピ州。
上流階級に生まれ、黒人メイド“ヘルプ”に育てられた作家志望の白人女性スキーター(エマ・ストーン)は、大学卒業後、地元の新聞社で家事に関するコラムの代筆を担当することになる。
しかし、メイドたちの境遇に疑問を抱き、彼女たちの証言を集めて本にしようと思い立つ。
仕事を失うことを恐れ、誰もが口をつぐむ中、一人の女性の勇気が社会を揺るがすことになる。


キャスリン・ストケットの全米ベストセラーを映画化したヒューマン・ドラマ。
人種差別意識が根強く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、白人女性とメイドとして働く黒人女性たちとの友情の軌跡を綴る。

第84回アカデミー賞作品賞ノミネート。
助演女優賞にジェシカ・チャステインとオクタヴィア・スペンサーがノミネート。
主演女優賞にヴィオラ・デイヴィスがノミネート。
オクタヴィア・スペンサーが第84回アカデミー賞助演女優賞受賞。

2012年 3/31公開 アメリカ映画
監督 テイト・テイラー
勇気と母性{★★★★4/5}

ジャーナリスト志望の白人女性と理不尽な扱いを受ける黒人メイド達が、まかり通ってきた常識に物申し、正しい社会へ変革しようとするヒューマンドラマ。
テーマはシリアスだけれど、信念や信条に固まらず、大らかなユーモアとスパイスが効いて、上映時間の長さもそう気になりませんでした。
差別問題だけでなく、白人の子育てや生活ぶりが皮肉たっぷりに描かれ、多彩なキャラクターとそれぞれのエピソードが面白おかしく、後味の良い希望が見えるドラマでした。
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婦人会のボス、ヒリー(プライス・ダラス・ハワード)は、メイドに宅内のトイレを使わせないと、屋外にメイド用トイレを設置し、それを広めようとする。
悪天候の日、ヒリーは家のトイレを使ったメイドのミニー(オクタヴィア・スペンサー)をクビにした。
ヒリーの差別主義と偏見は、実の母(シシー・スペイクス)も嫌悪感を持つほどで、程度の差はあるだろうけど、どこのどんなコミュニティにも存在する女ボスそのものな厭らしさ。
見下した物言いや目つきがほんとムカつき、放漫な悪女をプライス・ダラス・ハワードが好演!
それにしても、黒人メイドに家事から子育てまでさせるのに、トイレを使わせないとは矛盾を感じてしまう。
そこまで毛嫌いする黒人が作った料理を食べ、子供を触らせるのに、トイレぐらいで騒ぐこと?!。
仕事とプライベートの線引きだとしても、この矛盾に気づかない白人至上主義の了見の狭さや恐ろしさを痛感。

家事が苦手なシーリア(ジェシカ・チェステイン)は、夫に料理上手と思われたい為にミニーを雇うが、差別意識など全く持たないシーリアに、ミニーは戸惑う。
働かせるのではなく教えてもらおうとする素直なシーリアにホッとさせられ、KYセレブだけど、その分、この地域社会では人間味あふれる温かな存在。
人の良いシーリアとミニーのやり取りは、雇用関係も人種も超えて、本来、あるべき姿の信頼関係を感じる。

スキーターは、自分を育てた黒人メイドのコンスタンティンへの想いからも執筆を決断、エリザベスの家のメイド、エイビリーン(ヴィオラ・デイヴィス)に強力を求める。
メイド達の告白を聞けば聞くほど、本当はもっと複雑な思いや苦悩が絶えなかったのではないかと察するけど、あえてそこは掘り下げず、正義感と意志の強さでメイドたちの心の声を受け止める。
真直ぐに本音を言えるスキーターを演じたエマ・ストーン。
力強い大きな瞳がチャーミングでした。
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結婚が当然であった当時、キャリア志向を持ち男性に縁がないスキーターは、同じ女性から影ながら差別される対象で、セクシー系で空気読めない能天気なシーリアは、まるで村八分な状態。
基本的に白人と黒人の対立構図のようで、実は、差別されているのは黒人だけではなく、スキーターやシーリアのように、異質であったり生理的に嫌われたりと、上流階級からつまはじきにされる白人女性も描く。
また、家事、子育てをメイドにさせ、綺麗に着飾ってゲームやパーティにいそしむ主婦たちは、その60年代のポップなファッションやインテリアと反し、ミエや虚像だけの中身の無さを露に感じ、本当の幸せや自分がどうありたいかを考えさせる。

印象的だったのは、黒人メイドと白人の子供の関係。
育児放棄したかのような母親に代わり、エイビリーンはトイレのしつけから、自分は大切…と内面の教育もし、純粋で無邪気な子供へ無償の愛を注ぐ。
「子供のうちは可愛いけれど、大人になったら親と同じになる」と毒舌家のミニーが言うように、大人になれば変わってしまうこともあるのだろうけど、スキーターがそうであるように、人種や立場を超えた物の考え方ができるのは、メイドとの触れあいや心ある温かな情緒教育があったからこそで、彼女達の勝利。
長い歴史で日常化された部分に波紋を投げかけ、地域社会で孤独や苦悩を味わうとしても、正しいと思うことを貫ぬく力が、アメリカの差別意識に変化をもたらしてきたのだろう。
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負けん気の強いミニーの逆襲、「自分に疲れませんか」とヒリーに詰め寄るエイビリーン。
様々な感情を抑え、強かで骨太、笑い飛ばすユーモアと人間らしい心を持つ黒人メイド達のパワーと真のつながりを感じた良作。
アカデミー賞にノミネートされた3人の女優が、それぞれの個性を安定のある演技で魅せてくれました。
2012.03.31 / Top↑
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