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備忘録として更新します。コメントありがとうございました。

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アメリカ中西部ミズーリ州のオザーク高原。
17歳のリー(ジェニファー・ローレンス)は、心を病んだ母と幼い弟と妹の世話に励み、その日暮らしの生活を切り盛りしていた。
ドラッグの売人をしていた父親は、土地を保釈金の担保にし、裁判を放棄し失踪した。
リーは家族を守るため、父親捜索に乗り出すが、親族からは足を踏み入れるなと追い返えされる。


サンダンス映画祭でのグランプリ受賞をはじめ、各地の映画祭で評判を呼んだインディーズ系クライム・ヒューマン・ドラマ。
家族を守るため、行方不明となった父を捜して危険な裏社会へと足を踏み入れていく少女の姿を描く。
ジェニファー・ローレンスは第83回アカデミー賞主演女優賞ノミネート。

2011年 10/29公開 アメリカ映画
監督 デブラ・グラニック
深い母性で大人へと自立する{★★★㊤3/5}

保釈中に家を出たきり戻って来ない父を探し出さなければ、担保になった土地と家を手放すことになると保釈保証人に教えられたリーは、伯父ティアドロップ(ジョン・ホークス)を頼るが、父の消息を探るのはタブーだと言われる。
父がトラブルに巻き込まれ殺されたと確信したリーは、家族を守るため、死亡した証拠を提出しなければならなかった。

映画の舞台となるミズーリ州のオザーク高原は、痩せて乾いた山地でヒルビリー(丘に暮すスコットランド系)と呼ばれる人たちが暮す村。
ヒルビリーは、全米でも最低レベルの年収の貧困地帯で、大学進学率が低く、古くは密造酒、今は風邪薬から覚せい剤を製造し問題となっているそうですが、現在、彼らが暮す山地はアメリカに2箇所あるそうです。
彼らのルーツはスコッチ・アイリッシュで、国家法律は信じず、警察も信じない。
信心深く、部族や種族の掟で生きる社会だそうです。
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こういった事前情報を全く知らなかったので、これは一体、いつのどこの話なんだ?と手探り状態でした(苦笑)
隣のおばちゃんと女友達は気に留めてくれるけど、父の消息を聞いて歩くリーに、遠縁や親戚だらけの村人は、どうしてこんなに冷たい扱いができるのか。
閑散とした村の冷たさが、そのまま乗り移ったかのように口の重いミステリアスな人たちばかり。
父親探しや犯人探しに発展するのかと思うと、これといった大きな展開や出来事もなく、はっきりとした結論さえ起こりません。
その日暮らしの貧困生活の中で「生きる」ための手段を見せられ、探せば探すほど、怖い目にも遭わされる17歳の少女の境遇が、とても今の話とは思えませんでした。
貧困な生活は「フローズン・リバー」のようで、家族を守るため寡黙になる少女は「トゥルー・グリット」のようでしたが、リーの置かれている状況は、これが世界一の大国であり先進国である華やかで豊かなアメリカなのかと信じられないくらいでした。
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伯父ティアドロップと、一族の女ボスのようなメラブ(デイル・ディッキー)
違法麻薬精製で生計を立てている一族。
敵か味方か…。
裏社会に引篭もるような男たちに代わり、現実に向き合っているのは女たち。
劇中の女性から温かさは感じないけど、強さと守るものを持っている。
弱者ゆえか、彼らには一般的な市民社会ルールと言うものがない。
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まだ17歳の少女が…と思うところが多々あり、ただひたすら暗く、希望の見えないお話ですが、ジェニファー・ローレンスの好演があったからこその作品でしょう。
複雑で過酷な環境の少女は、誇りと強い意志を持ち、ぶっきらぼうながらの優しさと芯のある役をとても上手く演じていました。

「ウィンターズ・ボーン」のタイトル意味が分かる終盤は、これで一応、目先の問題がクリア?と、何とも言えない思いで劇場を後にしましたが、改めて考えると、リーもヒルビリーの掟を受け継いでいくのだろうと思う反面、彼らの市民生活が救済される事があるのか、それとも変わることはないのかと、複雑な余韻を残す作品となりました。
2011.11.03 / Top↑
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