ハンナ
2011, 09. 07 (Wed) 18:51
元CIA工作員の父エリック(エリック・バナ)とフィンランドの山奥で暮す16歳のハンナ(シアーシャ・ローナン)は、幼少期から格闘、言語、強靭な戦闘テクニックを叩き込まれた。
ある任務を決意したハンナとエリックは、CIA捜査官のマリッサ(ケイト・ブランシェット)に命を狙われる。
相手を殺す手段しか教わらなかった少女と、彼女を追うCIA捜査官の追走劇を描くバイオレンス・アクション・ムービー。
2011年 8/27公開 アメリカ映画
監督 ジョー・ライト
雪深い森で人知れず暮していた親子。
娘は殺しだけを教えられてきた。
ある決断をした時、赤いボタンを押す。
「生きるか死ぬかはお前次第、グリムの家で再会しよう」と、スーツに身を包み小ざっぱりした父は森を後にする。
残されたハンナは、ボタンの発信で所在確認されCIAに確保。
彼女の目的は父の元同僚、CIAのマリッサを殺すこと。
捕まったハンナは、(偽)マリッサを殺し基地から脱出、逃亡が始まる。
「つぐない」で注目されたシアーシャ・ローナン主演のアクション映画。
ほんの数年のことですが、あっと言う間に成長していく年代ですね~。
「ラブリー・ボーン」の時よりも、透明感がある女性になっていたように感じました。
清純なイメージがあるシアーシャ・ローナンのアクションですが、キレが良く、疲れ知らずの走りもとても良かったです。
監督が彼女を余程気に入っていて、こうもああもして撮りたい感情が伝わってくるような映画でした。
ケイトにも何となく似ているし、まだ若いのに申し訳ないけど、グレン・クローズとか、演技力のある女優さんになりそうな気配が外見からも想像しちゃいました(笑)

ハンナの逃亡劇は、モロッコ、スペイン、ベルリンとロードムービー仕立て。
森で父親と暮してきたハンナは、文明の利器である電気もテレビもシャワーも初体験。
当然、父親以外の人とも初めて接し、人間らしい感情がいくらか芽生えるけれど、彼女の心は殺し以外は無に近いのかも。
全体的にスタイリッシュな映像やカメラカット、CIAの基地脱出シーンは、スピーディな展開と音と光のコントラストに監督のセンスが光ります。
けど、何だか勿体無い作品になっちゃいましたね。
せっかく色々といじれそうな設定があるのに…。
結局、この親子は何がしたかったのか?って、疑問ばかりが残って…。
マリッサに復讐するなら、いくらでもこっそりと彼女に近づけるような気がするし、わざわざ挑戦する展開にした理由とかね、、、
隠①モロッコの親切なおじさんも、グリムの家のおじさんも、祖母も、もしやあの一家だって、関係ない市民を犠牲にしちゃっていいのか?!
隠②胎児の時に遺伝子操作したとか、プロジェクトを廃止したとか、親子の秘密とか、こういうところ、ハンナやパパに少なからず感情移入できないと復讐劇とか成立しないですよ。
「もう外の世界へ出て大丈夫!」と自信満々だったハンナ。
確かに仕込まれた能力は及第点でしょうが、追われる身であるのは承知なのに待ち合わせ場所を教えちゃいかんでしょう。
こーいうこともサバイバル能力のひとつなのに。
父以外の人との交流で自我や成長を描きたかったのなら、あまりにも表面的な関わりだったと思います。

ハンナの鮮やかな殺人ぶりをモニター画面越しで見ながら感嘆するケイト・ブランシェットがクール!
髪型もスーツ姿も決まっていて、ハイソで怖い女性でした。
やっぱり(?)できる女性は、靴フェチなんだ(笑)
途中から任務なのかプライベートなのか、どんどん不気味になっていく絶妙な演技。
歯医者並に揃ってる器具で、血が出るまで歯茎のお掃除は笑える。
グリムの家(公園)の決戦は、さながら魔女退治って感じかな。
もしや彼女がハンナの母親なのか?と想像してたけど、そんなオチもなく普通だった。
もっとストーリー捻れそうなのにな…。
エリック・バナは知的で、地下のアクションシーンがカッコ良かったけど、ハンナにどうなって欲しかったのだろう…。
ハンナを追う殺し屋アイザックに、ジョー・ライト作品でお馴染みのトム・ホランダーがゲイで怪演!

一応「グリム」を絡ませ、文芸系ではあるのだろうけど、「つぐない」のようにタイプライターの「音」にも拘った演出が、今回はハンナが定義だけで知る音楽を、初めて耳から経験する意味で色々と使われていたけれど、何だかただ騒がしいだけであまり合ってなかったような気がしました。
パパの教育で殺人キラーになる「キック・アス」みたいに、最近、子供に武器を持たせたり殺戮させたりする映画が増えてきたんじゃないかいな…と思ったりもするんですけどね。
どんな業界でも一種の流行だから仕方ないんだろうけど、ジョー・ライトには文芸作品の方でお願いしたいかな。
ちょっと畑違いな印象は受けたけど、「路上のソリスト」と今作で、少し息抜きでも出来たのではないかと、次回作ではまたまたシアーシャとキーラ、「キック・アス」のアーロン・ジョンソンにジュード・ロウと、これまた楽しみなトルストイの「アンナ・カレーニナ」に期待です♪
コメント
KLY
そうそう、私もケイトが母親?!って思ったんだけど普通に違ったwっていうかそもそもエリックも生物学的な父親ではないのかな?
『路上のソリスト』も私は今一つだったんだけど、ある意味オリーブリーさんの言うとおり息抜きだったのかしらん?(笑)
ノルウェーまだ~む
アイデアはいいけど・・・
オリーブリーさん、こんばんは☆
アイデアはいいんだけどねー
確かに勿体無いつくりになってました。
もう少し細かいところを詰めたらいいのに、解せないものがあると気になっちゃうよね。
ituka
序盤以降残念!
冒頭からの展開は大いに期待させられましたけど
CIA地下基地脱出後からの展開に睡魔に襲われ
部分的に寝てしまいました~(笑)
結局、父やグリムのオっちゃんのことが分らないまま。
再鑑賞する気になれないのでうやむやのままで終了よ。
主役の子、透明感ありましたね(←血色悪い?)(笑)
オリーブリー
KLY さんへ
こんにちは。
アメリカ映画で息抜したと思いましょうぉ~(*^-^)笑。
>エリックも生物学的な父親ではないのかな?
なんでしょうね、多分。
実験中止と供に、みんな抹消でもされたんでしょうか~エリックがこの2人を救ったのか、それとも最初から世話(?)していたのか…。
説明不足ですよね。
ここらもっと掘り下げたら、SFなファンタッジーの面白さもあったのに。
オリーブリー
まだ~むさんへ
こんにちは。
いやはや、解せない作品でした。
やりよう次第では面白いネタなのに…。
雰囲気は良かったんですけどね。
オリーブリー
itukaさんへ
こんにちは。
基地脱出まででしたね(苦笑)
あとはぼんやりとしてしまいました。
どうなりたかったんだろう、この親子…(;^_^A アセアセ・・・
>父やグリムのオっちゃんのことが分らないまま。
大した問題ではないと思いますよ(笑)
ライト監督はシアーシャがエラクお気に入りみたいですが、そう特徴のないちょっと薄っぺらい顔(時々、婆ちゃんみたい)だと思うので、現代劇にはイマイチかな~と思いました。
将来は雰囲気ある顔つきになりそうですけどね。
mezzotint
こんにちは♪
オリーブリーさん
こんにちは!
コメントありがとうございました。
お返しが遅くなりすみません。
せっかく実力のあるキャスト陣を起用しながら、
こんなに中途半端なので、残念です。
そもそもマリッサとこの親子の関係がどうなのか?
何故に殺害しなければならない理由なんかも
まったく説明されておらず、、、、。
突っ込みどころ多かったですね。
オリーブリー
mezzotintさんへ
こんばんは。
勿体無い映画になっちゃいましたねぇ。
キャストも良いし、映像の雰囲気もあるのに、途中の家族との触れ合いを描くなら、ハンナ、父、マリッサの因縁(?)や内面を描いて欲しかったな。
プロットがある割には、解せないトコが多々残り、生かされてませんでしたね。ポリポリ (・・*)ゞ
にゃむばなな
こんにちわ
この監督さんには文芸作品が一番合ってますよ。
それ以外には二度と手を出してほしくないですね。
とにかくこの映画は本当に酷かったですもん。
オリーブリー
にゃむばななさんへ
こんにちは~お返事が遅れてすみませんでした。
意欲は認めるけど、畑違いでしたよね(;^_^A アセアセ・・・
役者は魅力的だったのに、勿体無い結果となりました(苦笑)
文芸作品では必ずや盛り返すでしょう~(^_^;)
sakurai
息抜きかア
あたし、「つぐない」もダメだったんですよね。
この人は一発屋だったんではないかと思ってきてるんで、次の作品で評価したいと思ってますが、「アンナ・カレーニナ」かあ。
その配役を聞いただけで、欲が露骨に出てますねえ。
まあ期待しないでまってましょう。
しかし、歯医者並みって!!(爆)
トラックバック
- この記事へのトラックバック
-
- ハンナ
- I just missed your heart. 公式サイト。原題:HANNA。ジョー・ライト監督、シアーシャ・ローナン、ケイト・ブランシェット、エリック・バナ、トム・ホランダー、オリヴィア・ウィリアムズ、 ...
- 2011.09.08 (Thu) 14:44 | 佐藤秀の徒然幻視録
- この記事へのトラックバック
-
- ハンナ
- 『ハンナ』8月24日@スペースFS汐留。
- 2011.09.08 (Thu) 15:35 | あーうぃ だにぇっと
- この記事へのトラックバック
-
- ハンナ
- 『ラブリー・ボーン』のシアーシャ・ローナン主演最新作。フィンランドの山奥で幼い頃から殺人者としての訓練を受けてきた少女ハンナとそれを追うCIA女性捜査官との戦いをを描いたサスペンスアクション。監督は『つぐない』、『路上のソリスト』のジョー・ライト。共演...
- 2011.09.08 (Thu) 15:45 | LOVE Cinemas 調布
- この記事へのトラックバック
-
- 「HANNA」サバイバル娘
- 映画「ラブリーボーン」で変質者に殺されてしまう儚げな少女を演じたシアーシャ・ローナンが、今度は冷徹な殺し屋となる! でもトレイラー全部見せすぎで、最後は萎んじゃったかも・・・・・
- 2011.09.08 (Thu) 20:12 | ノルウェー暮らし・イン・原宿
- この記事へのトラックバック
-
- ハンナ
- 評価:★★☆【2,5点】(13) シチュエーションに期待値上げすぎ、中盤以降眠りに就く。
- 2011.09.08 (Thu) 22:42 | 映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ~
- この記事へのトラックバック
-
- ハンナ(2011)★☆HANNA
- 16才、罪を知るには若すぎる。 評価:→50点 MOVX京都にて鑑賞。 う~ん何か違うわ・・・・。ジョー・ライト監督と再びタッグを組んだシアーシャ・ローナンちゃんのアクションスリラー作品ですが。これスリラーなのかな? 正直、ストーリーがわかりにくく...
- 2011.09.09 (Fri) 17:27 | 銅版画制作の日々
- この記事へのトラックバック
-
- ハンナ
- 「ラブリーボーン」のシアーシャ・ローナンが、アカデミー助演女優賞候補 となった出世作「つぐない」のジョー・ライト監督と再びタッグを組み、 冷血な美少女アサシン役で新境地に挑んだサスペンス・アクション。 元CIA工作員の父親によって殺人マシーンとして育てら…
- 2011.09.12 (Mon) 03:00 | だらだら無気力ブログ
- この記事へのトラックバック
-
- 殺るか、殺られるか~『ハンナ』
- HANNA 十代の少女ハンナ(シアーシャ・ローナン)は、元CIA諜報員の父エリック(エリ ック・バナ)に、人里離れた深い森の中で育てられた。格闘技や数ヶ国語に習熟 するハンナは、ある決意を胸...
- 2011.09.12 (Mon) 10:59 | 真紅のthinkingdays
- この記事へのトラックバック
-
- 『ハンナ』
- 誰かジョー・ライト監督にアクション映画の撮り方を教えたれ!そう叫んでしまいそうになるくらいに、眠たくなるアクション映画でした。 『つぐない』のシアーシャ・ローナンとジ ...
- 2011.09.17 (Sat) 15:23 | こねたみっくす
- この記事へのトラックバック
-
- ハンナ
- 「つぐない」のジョー・ライト監督が、同作でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたシアーシャ・ローナンを主演に迎えて贈るサスペンス・アクション。世界各地を舞台に、殺人 ...
- 2011.10.04 (Tue) 15:25 | パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ
- この記事へのトラックバック
-
- ■映画『ハンナ』
- ピーター・ジャクソン監督の映画『ラブリーボーン』で、お魚みたいな名前の女の子、スージー・サーモンちゃんを演じたシアーシャ・ローナン。 『ラブリーボーン』ではスタンリー・トゥッチ演じる変態オトコに殺された1994年生まれの彼女、本作『ハンナ』では顔色一つ人を...
- 2011.10.11 (Tue) 01:17 | Viva La Vida! <ライターCheese の映画やもろもろ>
- この記事へのトラックバック
-
- 「ハンナ」感想
- 「つぐない」のジョー・ライト監督×シアーシャ・ローナン主演作。雪深いフィンランドの森林地帯、物心つく頃から父親にあらゆる戦闘技術を叩き込まれた少女・ハンナが、降り立った外の世界で自身の出生に関わる秘密に迫る戦いを繰り広げるアクションスリラー。 ...
- 2011.10.13 (Thu) 18:31 | 新・狂人ブログ~暁は燃えているか!~
- この記事へのトラックバック
-
- 映画『ハンナ』を観て
- 11-55.ハンナ■原題:Hanna■製作年・国:2011年、アメリカ■上映時間:111分■鑑賞日:9月1日、新宿ピカデリー(新宿)■料金:1,000円□監督:ジョー・ライト□脚本:セス・ロックウッド、デヴィッド・ファー□撮影監督:アルウィン・カックラー□美術:?...
- 2011.11.03 (Thu) 17:24 | kintyre's Diary 新館
- この記事へのトラックバック
-
- ハンナ
- どっちの方向に行きたいのか、はっきりしてくれ!
- 2011.12.13 (Tue) 14:51 | 迷宮映画館
- この記事へのトラックバック
-
- ハンナ
- HANNA/11年/米/111分/サスペンス・アクション・ドラマ/劇場公開 監督:ジョー・ライト 音楽:ケミカル・ブラザーズ 出演:シアーシャ・ローナン、エリック・バナ、ケイト・ブランシェット、トム・ホランダー、オリヴィア・ウィリアムズ、ジェイソン・フレミン...
- 2011.12.18 (Sun) 18:22 | 銀幕大帝α
- この記事へのトラックバック
-
- ハンナ
- 【HANNA】 2011/08/27公開 アメリカ 111分監督:ジョー・ライト出演:シアーシャ・ローナン、エリック・バナ、ケイト・ブランシェット、トム・ホランダー、オリヴィア・ウィリアムズ 16才、罪を知るには若すぎる。 フィンランドの山奥で、元CIA工作員の父親に格闘に関...
- 2011.12.22 (Thu) 12:45 | 新・映画鑑賞★日記・・・
- この記事へのトラックバック
-
- ハンナ (Hanna)
- 監督 ジョー・ライト 主演 シアーシャ・ローナン 2011年 アメリカ/イギリス/ドイツ映画 111分 アクション 採点★★★ 5年生になる娘が、MP3プレーヤーが欲しいと言い始めた。大いに偏った曲ばかり流れる我が家で育っただけに、きっとニック・カーショウやスネー…
- 2011.12.29 (Thu) 11:36 | Subterranean サブタレイニアン
- この記事へのトラックバック
-
- ハンナ
- 殺人マシーンとして成長した少女が、自身の出生の秘密を知るに至る…ってどこかでみた漫画のような。 ハンナを演じるのは、演技派子役のシアーシャ・ローナンちゃん。生まれてから16歳になるまで山小屋生活してたから、外の世界が目新しく純朴な彼女が可愛らしい。彼女...
- 2012.01.04 (Wed) 09:42 | いやいやえん
- この記事へのトラックバック
-
- ハンナ
- 『ハンナ』---HANNA---2011年(アメリカ)監督:ジョー・ライト出演:シアーシャ・ローナン、エリック・バナ 、ケイト・ブランシェット 、トム・ホランダー 、オリヴィア・ウィリアムズ 元CIA工作員の父エリック(エリック・バナ)にフィンランドの山奥で人知...
- 2012.01.22 (Sun) 23:34 | こんな映画見ました~
- この記事へのトラックバック
-
- 「ハンナ」16歳少女は殺人兵器
- 8月27日公開 「ハンナ」 ■出演■ シアーシャ・ローナン ケイト・ブランシェット エリック・バナ トム・ホランダー オリヴィア・ウィリアムズ ジェイソン・フレミング 『つぐない』で第80回アカデミー賞助演女優賞に ノミネートされたシアーシャ・ロー...
- 2012.01.28 (Sat) 07:55 | アタシ、洋画・洋楽・ゴシップ中毒(笑)!!!
- この記事へのトラックバック
-
- 感情を揺さぶり鼓舞するリズム 『ハンナ』
- 監督:ジョー・ライト出演:シアーシャ・ローナン、エリック・バナ、ケイト・ブランシェットアメリカ映画 2011年 ・・・・・・ 7点
- 2012.06.03 (Sun) 23:37 | 映画部族 a tribe called movie
- この記事へのトラックバック
-
- 『ハンナ』
- ハンナ フィンランド森林地帯で父親に 殺人兵器として育てられた少女の復讐劇 【個人評価:★★ (2.0P)】 (自宅鑑賞) 原題:Hanna(少女の名前)
- 2012.07.29 (Sun) 08:28 | cinema-days 映画な日々
- この記事へのトラックバック
-
- 「ハンナ」
- 少女シアーシャ・ローナンが復讐に!
- 2012.12.22 (Sat) 20:34 | 或る日の出来事