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BLACK SWAN

ニューヨークのバレエ・カンパニーに所属するニナ・セイヤーズ(ナタリー・ポートマン)は、日々、厳しいレッスンに励んでいた。
監督のトーマス・ルロイ(ヴァンサン・カッセル)は、花形プリマのベス(ウィノナ・ライダー)を降板させ、新作「白鳥の湖」のプリマにニナを抜擢する。
優等生タイプのニナに、純真な白鳥役は問題ないものの、奔放で邪悪な黒鳥を演じなければならない大きな試練がたちはだかる…。


バレエに全てを捧げるヒロインが、自分と対照的な新人ダンサーや大役のプレッシャーから、精神のバランスを崩していく様子を、緻密な心理描写で描く。
監督は、「レスラー」のダーレン・アロノフスキー。
ナタリー・ポートマンは、アカデミー賞主演女優賞受賞。

2011年 5/11公開 アメリカ映画
監督 ダーレン・アロノフスキー 
深層心理に潜む二面性{★★★★㊤4/5}

人生バレエしかない女性が、苦悩を抱え追い詰められながらも、完璧であることを望んだアーティストの物語。
精神のバランスを壊し、自己を犠牲にしても、求めたい芸術の極致。
重圧に耐え切れず、強迫観念に取り憑かれたプリマの内面狂気が、美しくもあり怖くもあるスリラー・サスペンス・ドラマです。

見事に描かれた人間の内面とバレエシーンは、全編を通し見ごたえ十分。
ボディダブル・バレリーナの暴露云々はさて置いても、顔面のCG合成、しなやかでか細く繊細な動き、クライマックスの邪悪な黒鳥に変わる映像は圧巻です。
過激な性描写、役作りの為の体重増減は、もはや珍しい事ではないのでしょうが、役作りの苦労が演技と一体になったかのように、真面目で美しい女性が崩れていく様は、頭脳明晰で育ちの良い清純派イメージのナタリーが演じると、そのまま彼女に投影されたかのようで、不安と苦悩、ラストの表情など、説得力とリアリティがあるものでした。
期待通りの出来でした!!
それ以上かも!!
このナタリー・ポートマンを是非観て下さいって感じです。
オスカー受賞も肯けます!

久し振りに、疲労感伴う程、どっぷりとはまり込んで観たので、エンド・ロールをただボーーっと見つめていましたが、まあ、サッサと席を立って退場する人ばかりで、私としてはチョット唖然としましたが、トイレでおば様方が「怖い、気持ち悪い、さっぱり分からん」などの会話を耳にしますと、人を選ぶようなので、単に「アカデミー賞受賞」だけで行かれますと、「英国王」のようなウケはなかろうかと思います。
それでも平日公開にも関わらず、1日で(?)興行収入1億円を突破したそうです。

以下、ネタバレ含んでます


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真面目で努力家のニナ。
元ダンサーの母親エリカ(バーバラ・ハーシー)は、自分が果たせなかった夢をニナに託す。
過干渉で抑圧的に育てられたニナは、周囲の反応を気にし、繊細で不安、自分の欲望や衝動を押さえながらも、いつしか認められる日が来ることを夢見る内気な女性。

新作プログラム「白鳥の湖」に取り掛かる舞台監督のトーマスは、“白鳥”には申し分ないが“黒鳥”は全く魅力のないニナを、一度はプリマ候補から外すものの抜擢する。
王子を誘惑する官能的な“黒鳥”を踊れないニナに対し、トーマスは性的な殻を破るようプレッシャーをかける。
更に、“黒鳥”のように男を魅了し、情熱的なダンスを踊る新人リリー(ミラ・クニス)が現れ、主役の座を奪われる不安とプレッシャーで心が乱される。

憧れだったべスの転落、母親からの重圧、ニナとは正反対の自由奔放でセクシーなリリー。
ニナに関わる女性は、彼女の敵であり分身のようでもある。
そして、その誰よりも、ニナは自分に追い詰められていく。
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b65small_largeブラック・スワン
純真無垢な白鳥と邪悪な黒鳥。
これを一人で演じなければならない難しさが、ニナを苦しめる。
母親に作り上げられた優等生の一面だけで生きてきた彼女が、邪悪な“黒鳥”になるには、自らを解放しなけらばならない。
けれど、その庇護の中でギリギリの精神状態を維持していたニナは、自分とは正反対な別面を要求されると、徐々にバランスを失い幻覚や幻想を見る。
現実世界がぼやけて来たニナは、傷つき苦しみながら、自分の中にあるもう一人の“黒鳥”の部分を解き放す。
対極する“白鳥”と“黒鳥”に同化したかのようなニナは、最高レベルの「白鳥の湖」を演じたが…。

「レスラー」もそうでしたが、自己の追求や自己の確立のためには、自己犠牲が必要なのだと言う、ダーレン・アロノフスキー監督が描く「限界」は、どんなに破滅的で無謀であっても、観ていく内に主人公に同調でき、ラストには納得させられてしまいます。
今回は「白鳥の湖」という物語がバックとなり、孤独なバレリーナが抱えるプレッシャーが、どれだけのものであるのか描かれています。
ホラーであったりグロテスクと感じる方がいらっしゃるかも知れませんが、様々な方向から追い込んでいく描写は、彼女にのしかかる重圧が強く表現されているものです。
ブラック・スワン11
バレリーナにとって、必須アイテムである鏡が、ラストまで、様々なニナを表現していく演出効果も素晴らしい。
第二の主役級かも。
レッスン場を取り囲む大きな鏡から小さな鏡まで、ニナの姿や不安定な心は映し出され、やがて現実と幻想の区別がつかなくなっていく。

また、ニナが見ているものは本当なのか…。
自傷行為やニナとリリーの関係など、シーンの多くがどちらとも取れるような曖昧な描き方で、その殆どは、何が現実で何が妄想なのか分からず、ニナと一緒にさまよってしまいます。
そのような妄想サスペンスと、人間の心にある様々な二面性が、“白鳥”と“黒鳥”に象徴されるように対極して描かれる展開も面白い。
素敵な音楽、トウシューズ、床の音、バレエシーンの雰囲気も存分に楽しめます。
BLACK SWAN7
ガラスのハートで痛々しく、被害妄想に怯えながらも、バレリーナとして身体で表現する踊りにのめり込むニナ。
複雑な内面の変化を、圧倒的な存在感で演じきったナタリー・ポートマンは見事でした。
対照的なリリーを演じたミラ・クニスとナタリーが身体を張ったシーンは見もの。
全く違うタイプの二人の女性、魅力的です。

普通のステージママとはちょっと違い、娘の成功を喜びながらもどこか複雑な心情があるようで、女の何かしらを秘めているような母親をバーバラ・ハーシーが熱演。
娘に自分の姿をオーバーラップさせているかようなラストは印象的。
若い娘にトップの座を明け渡さなければならなくなったべス。
女性に取って、何処の世界も賞味期限は付きもので、女の嫉妬や虚栄心から抜け出せずに行き場を失った狂気を、ウィノナ・ライダーがピッタリと嵌り、わずかな場面でも存在感がありました。
セクハラぎりぎりのサディストな指導者ヴァンサン・カッセルも、出演俳優皆さんのお芝居が物語に相応しく、無駄な場面もなくバランスとメリハリが効いた素晴らしい作品でした。

*黒いリボンで結ばれたポスター頂きました。







2011.05.11 / Top↑
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