心のままに映画の風景

備忘録として更新します。コメントありがとうございました。
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デザート・フラワー

desertflower1Desert Flower

ソマリアの貧しい遊牧民家庭で育ったワリス・ディリーは、13歳で無理やり結婚させられそうになり、家族のもとから逃げ、ロンドンへと渡る。
数年後、ホームレスとなったワリス(リヤ・ケベデ)は、偶然出会ったマリリン(サリー・ホーキンス)の家に住居候させてもらう。
ハンバーガー・ショップで働くワリスは、一流ファッションカメラマンのドナルドソン(ティモシー・スポール)に見出されるが…。


ソマリア出身の世界的トップモデル、ワリス・ディリーの自伝「砂漠の女ディリー」を映画化した伝記ドラマ。
スーパーモデルとして世界的成功を収めた一方、幼少時に経験したFGM(女性性器切除)の過酷な現実を描き出す。

2010年 12/25公開 ドイツ/オーストリア/フランス映画
監督 シェリー・ホーマン

女を何だと思ってる!!{★★★3/5}

ソマリア出身の女性が、トップモデルとなるまでの半生を描く。
ワリスの回想シーンを挟みながら、お気楽な友人マリリン、ワリスを温かな目線で勇気づけるドナルドソンなど、軽快でユーモアのある人間関係で物語が綴られていきます。
予告の「You are not cut?」が気になるところでしたが、紆余曲折があっても、華やかなサクセス・ストーリーだろうと高を括っていたら、終盤にとんでもない衝撃を受けてしまいました。
強制的な結婚を嫌い13歳で逃げ出し、親戚のつてでイギリスのソマリア大使館でハウスクリーニングをしていたワリスが、自国の内戦で帰国要請を拒否してホームレスとなり、不法滞在や偽装結婚を経て、トップモデルとなる物語でも十分に劇的であるところ、ワリスが3歳の頃に受けさせられたFGM(女性性器切除)という民族習慣が、いかに彼女の肉体と心に大きな傷を残したかという事実をテーマにした作品でした。

その分、ワリスのサクセス・ストーリーは、フィクションはあるのでしょうがトントン拍子で、不法滞在しかり、偽装結婚しかり、淡い恋心にしろ、一人の女性の生き様模様の映画とすると、彼女の深い内面までは描かれてなく、簡素化されていた印象ではあります。
折々、FGMを匂わす回想シーンはあるものの、シンデレラ・ストーリーの前半とFGMの告発に入る後半への移行が荒く、もう少し別の構成であったら、もっとスムーズでまとまりのある作品になったのではないかと思います。
それでもずっと引き込まれて観ていたし、この事実は重い衝撃でした。
「観る」映画ではなく「知る」映画として、できればたくさんの方に知ってもらいたいです。
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1965年生まれのワリスですが、本作の時代背景は現在に近い状況で、FGMが今もって根絶されていないのだと感じます。
ちなみにワリスがパスポートの問題云々ありながら、モデルとしてフランスに渡った時に、女性エージェントが「今日のパーティーには、ジョニー・デップが来るかもしれない」「もちろん、奥方抜きで…」とありましたが、ジョニーがヴァネッサと公になるのは、ワリスがFGM廃絶特別大使に任命される1997年の後、98年頃なので、時事ネタや流行モノ、コレクションの衣装など、今とリンクさせることで、この問題により興味を持ってもらう狙いは上手いかもしれません。
*蛇足ですが、ヴァネッサは、正式には未だジョニーの奥方ではありません(笑)


FGMについては以下を参照にして下さい。
FGM
wikiは概要程度が記されてますが、検索すると更に詳しく書かれている所が多々あるかと思います。
映画以上に驚いて、私は文面にするだけでも身が持たないので、ここでは記せません。
けれど、特に女性の方には知って欲しいと思っています。
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伝統文化はその国々のものであり、よそから口出しするもではないと基本的には思っていますが、それでも限度があります。
女性の肉体に傷を負わせてまで、男尊女卑の悪しき風習にどんな意味があるのでしょうか。
看護士の立場であるのに、侮蔑するソマリア人男性、最後に見せられるFGMのシーン。
私は全身から血の気が引き、涙が止まりませんでした。
何ですか、あの何から何まで劣悪な処置は…幼女の悲鳴とあのシーンが頭から離れません。

ワリスの勇気ある行動で、FGMを法律で禁止する国が増えてきているそうです。
しかし、その一方、現在でも、毎日8000人、毎年300万人、FGMを受けさせられた女性は1億3000万人以上もいるとエンドロールに流れます。
同じ女性としても、深く考えさせられる作品でした。

“砂漠の花”を意味するワリス。
厳しい環境の女性たちを象徴するかのよう。
それでも健気で美しい。

ワリス・ディリー

Comment

前半と後半で
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別物映画になってた感じでした。
できれば、雑誌記者の言ってた“客受けする内容”こそ観たかったのに^^

ここまで重いテーマだと、ワリスが既にトップモデルになっているところから始まって
過去をすべて回想するだけにした方が、まだ受け入れやすいかな〜ってね^^

オリーブリーさん、あの日はお互いの地元に行ってたのね(笑)
いずれどこかで交錯するかもしれないね!マリーとジョージみたいに(笑)
2011年02月24日(Thu) 00:35
こんばんは
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文化というより野蛮な風習ですね。もうこればっかりは地道に時間をかけて、それこそ100年単位で変えていくしかないんでしょうね。教育ってこういう部分でも大きいんだなって思いましたよ。
私もあの看護師が許せないです。砂漠のど真ん中で暮らすじっちゃんならば、ある意味それは仕方ないことでもあります。そもそもそれが悪だという概念すらないのだから。
しかいイギリスで看護師をしているということは高等教育と先進国での常識を知っているはずなんです。当然知っているということは、女性の苦しみも理解しているんです。それでもあの言い草はもはや人間のクズです。
2011年02月24日(Thu) 00:49
itukaさんへ
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こんにちは。

シンデレラ・ストーリーの娯楽を想像すると、ドッシンとなりますよね〜。
そんな覚悟が出来てなかったし(;^_^A アセアセ・・・
でも女性として、これは大問題だと思いました。

>ワリスが既にトップモデルになっているところから始まって

私もそう思います。
後半の唐突な流れが足早でもあったので、その方が映画としても入りやすいですもんね。

>マリーとジョージみたいに(笑)

大爆!!ヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
握手だけにしましょうぉ(爆)o(^▽^)oキャハハハ
2011年02月26日(Sat) 11:20
KLYさんへ
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こんにちは。

どんな解釈がある文化なのか知りませんけど(苦笑)明らかに悪習ですね。
そうでしょ、あの看護士、全く同じことを思いました。
先進国で医療教育を受けてもあれですもんね。
ある意味、洗脳か?
ホント、根本的に教育から見直さないと根絶出来ないのでしょうね。
2011年02月26日(Sat) 11:25
FGM
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以前、FGMについて日記で取り上げたことがあります。
よかったらご笑覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/franny0330/e/7c181a3bae544f995c14a4be0b0fe917

この映画観たいのですが、都内でも2箇所しかやっていないのですね…
2011年02月26日(Sat) 12:51
zooeyさんへ
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こんばんは。

ありがとうございます。
ゆっくりと拝読させて頂きますね♪( *^-゚)/⌒☆゙

上映劇場は少ないですね。
このような映画は多くの人に観て考えて欲しいけれど、どうしても内容的に、人を選ぶのかも知れません。


2011年02月28日(Mon) 03:26
原作本を
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読んでから、ずいぶん経ったので、詳細は忘れましたが、結構本も淡々としてたように思います。
不謹慎にも、ブックオ○で、お安く買って読んだ本だったので、どっかとがめてますわ。
しっかし、一体だれが始めたんでしょうね。
恐怖と力で抑えつけようとしている何かに、ものすごい憤りを感じます。
世の中には、まだまだ知らないことがあるんだと思いますが、人間の叡智と愚かさには、頭抱えますわ。
やっぱ、ジョニーさんには鋭く反応なさるんですね!
2011年04月03日(Sun) 21:41
sakuraiさんへ
編集
こんにちは。

何となくそんな風習があるとは頭にあったけど、こうやって見せられるとショックを受けますね。
しかもあの劣悪な処置。。。
耐え難い実状でした。

途中、ちょっとウトウトしかけた時に、まさかの「ジョニー・デップ」に目が覚めました(爆)
2011年04月06日(Wed) 15:50












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デザート・フラワー
C) Desert Flower Filmproductions GmbH 英題: DESERT FLOWER 製作年: 2009年 製作国: ドイツ/オーストリア/フランス 日本公開: 2010年12月25日 (新宿武蔵野館 ほか) 上映時間: 2時間7分 配給: エスパース・サロウ /ショウゲート 監督・脚本:
2011年02月23日(Wed) 21:24
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デザートフラワー
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デザート・フラワー
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