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クレアモントホテル 

2011, 01. 27 (Thu) 22:49

MRS PALFREY AT THE CLAREMONT

ロンドンの長期滞在型のホテル“クレアモント”に、一人の老婦人サラ・パルフリー(ジョーン・プロウライト)がやって来た。
想像とかけ離れたホテルの現実から取り残されたサラは、ある日、小説家志望の青年ルード(ルパート・フレンド)と知り合い、孫のフリをしてもらうことになるのだが…。


イギリスの女性作家エリザベス・テイラーが、71年に発表した小説を映画化したヒューマン・ドラマ。
ロンドンの長期滞在型ホテルを舞台に、晩年を迎えた老婦人と偶然出会った青年との心温まる交流を綴る。

2010年 12/4公開 アメリカ/イギリス映画
監督 ダン・アイアランド
ウィリアム・ワーズワースとウィリアム・ブレイク{★★★★4/5}

良いお話でした。
晩年になれば、少しでも心豊かに暮らしたいと誰もが願うと思いますが、ほんのささいなきっかけから、過去の良き思い出や人生で大切なものと向き合える時が与えられる、暖かくて心のある素敵な作品でした。

長期滞在するクレアモントホテルは、サラの想像とは遥かに違ったようですが、日本で言うなら、ランクの良いビジネスホテルって感じかな。
ドアボーイ(?)も高齢で、ゲストも独り身の高齢者がほとんど。
朝夕、レストランのテーブルで、それぞれの個性から人生観もなんとなく垣間見れます。
サラは見るからに上品で教養があり、ここではちょっと浮いたような新参者ですが、ひけらかしたりしないキュートなおばあちゃんです。

ある日、道端で転倒したサラは、若くて美しい青年ルードに介抱されます。
定職を持たず、ストリート・ミュージシャンとして日銭を稼ぎながら小説家を目指すルードを、サラはお礼にとホテルの夕食に誘いました。
ホテルの住人達に、ロンドンに住む孫デスモンドが訪ねてくると勘違いされたサラは、ルードに孫のふりをしてくれるよう頼みます。
快諾したルードは、サラとクレアモントホテルの住人達に刺激を受け、小説のアイディアを思いつきます。
こうして、サラとルードの世代を超えた心の交流が始まります。
337692view004クレアモントホテル
愛する夫に先立たれ、忙しい娘や孫との距離感や孤独、それでも前向きなサラを演じるジェーン・プロウライトの品の良さと穏やかな奥深さ。
人生の大先輩である彼女の言葉は、ひとつひとつ心に染み込んできました。

優しくて敬意があり、サラを明るく活き活きとさせてくれるルードを演じたルパート・フレンド。
もう彼がとにかく良かった!
おばあちゃんでなくても、この優しさは誰もが胸キュンでしょう♪
最近はどの作品観ても、ルパートは良いなあ~と思っていたけど、なんと2005年の作品だそうで、「プライドと偏見」と同時期なんだ!
確かジョニーの「リバティーン」がデビュー作かと思いますけど、そんなデビュー間もないルパートの掘り出し物かも知れませんね~!!
これ、そんな時期に見ていたら、間違いなく惚れてたかも(笑)
小説家志望の貧乏青年って、ちょっと古風な感じがして、日本なら昭和の四畳半で夢を追う若者(しかも美形)になるかな~そんな役どころがしっくりとはまってました。
ギターの腕前と甘い美声も素敵でした~♪
337692view002クレアモントホテル
後半は少し足早ではあったけど、映画ネタやユーモアを交えながら、老いや孤独を感傷的に描かず、心に残るセリフと場面が数々ある暖かな作品でした。
庇護を望まず、一歩踏み出して様々な人との関わりを大切にして生きること。
幸せな時間を共有できる人が側にいる幸せ。
そしていつまでも忘れることの出来ない大切な思い出。
サラのようなおばあちゃんになれたら、年を重ねても素敵な出会いがあるのだろうな~とささやかな幸福感を持たせてくれた作品でした。

私の街の単館劇場は大盛況のようでして、これで二週レディースデーに出向いていますが、先週は既に満席で見ることが出来ず「白いリボン」の方に滑り込みましたが、今週は補助席確保での観賞となりました。
それでも後から人が絶えず、もっと回数増やすか大きめのスクリーンにした方が良いのではないかしら、、、と。

コメント

KLY

ルパートってホント素敵だよね。
いわゆるハリウッド的な派手な作品には出演しないけど、見応えのある良質な作品に沢山でてるし。
確かにおあばちゃんじゃなくたって気に入るよねぇ。
実際周りの皆もきにいっちゃってたし。それが嫌味に
見えない爽やかさがまた彼の良さなんだろうな。^^

2011/01/28 (Fri) 23:43 | KLY | 編集 | 返信

オリーブリー

KLY さんへ

男性のKLYさんでも、ルパート良いですか?(変な意味はないですよぉ〜笑)

>ハリウッド的な派手な作品

小さな秀作って感じですかねぇ〜予告に惹かれたけど、本編も間違いなかったです(笑)
若いウェイトレスからおばあちゃんまで、そりゃあ、ルパート目の前にすればああなるわo(*^▽^*)o~♪
世の中に出すべき顔だって、劇団スカウトまで^^
それに引き換え本物が…(大爆)
イギリス的なジョークの数々も面白かった〜料理がまずいとかね(笑)

2011/01/29 (Sat) 12:30 | オリーブリー | 編集 | 返信

sakurai

いい子でしたね〜

あんないい子にはどうやったら育てられるんだろう・・と、思うくらいにいい子。
きっと、どっかのプロ野球に行った、持ってるやつもあんなのなんだろうなあ。
おばちゃんたちが、歓声あげるのは、「あ〜、うちの子だったらなあ」っていう願望に感じますわ。
って、全然関係なかった。

ほんとに、なんでうずもれてたんでしょうね。
サー・ローレンスの未亡人とも知らず、あのエレガントさはその辺のひとにゃ出せません。

年度末に近づき、いろいろと多忙で、アップするだけで精いっぱい。失礼しておりますが、ご勘弁を。
あ、「ハーモニー」見るかどうしようかと思っていたのですが、オリーブリーさんので見ることにしました。昨晩、鑑賞。
泣きつかれました・・。

2011/03/07 (Mon) 07:51 | sakurai | 編集 | 返信

オリーブリー

sakuraiさんへ

こんばんは。

「プライドと偏見」の頃は、オーリーを崩した程度しか印象に残らなかったけど(笑)
最近は、派手さはないけど作品選びも良いし、演技力を見せてくれますよね。
まさか、こんな素敵な作品が長年埋もれていたとは!!
なんて、勿体無い!!!
偶然で必然の出会い、年齢を超えた影響力。
人生、捨てたモンじゃないですよねo(*^▽^*)o~♪
ほんと、良い子。
こんな良い子がいるってだけで、救われます。

「ハーモニー」観ましたか!!

>泣きつかれました・・。

分かります…(^_^;)

2011/03/09 (Wed) 22:51 | オリーブリー | 編集 | 返信

latifa

いやぁ~~(^^ゞ

オリーブリーさん、こんにちは!
いやぁ~~~私の感想に、グンソク・4様風とまで書いてしまった日には、さすがにコメント書きにくかったっす(^^ゞ

>確かジョニーの「リバティーン」がデビュー作かと思いますけど、そんなデビュー間もないルパートの掘り出し物かも知れませんね~!!

見たことあるのに、、思い出せないー!!プライド~もどんな風だったのか、再見したいわ。

確かにハンサムで、ソフトで素敵なのに、この映画のこの役が、何故か「ありえん!」ってなっちゃったのよ・・。
なんか私は時々ひねくれた物の見方をしちゃう時があるみたいで・・・。

2012/03/14 (Wed) 16:31 | latifa | 編集 | 返信

オリーブリー

latifaさんへ

わはは~グンソク・4様風と言われても、あまり分からない私…(;^_^A アセアセ・・・あっ?顔が似てるってことなのかな?(爆)
別に好きではないんだけど、何となく覚えてたのよ、ルパート君。
で、「縞模様~」に出てるの知らなくて、なんだ、上手いじゃん!と思ったのo(*^▽^*)o~♪

何だかね、色んな意味で、今時珍しい綺麗な映画だったかなぁ(笑)
老後、他人でもこんなに優しくされると幸せだろうな~と思った。(他人だから良いのかな…)
願望込めて(笑)高評価したわっo(^▽^)oキャハハハ
あっ、latifaさんのコメントに書き忘れたんだけど、「このおばあちゃんが好みじゃない…」みたいの、爆笑だったよ!!
確かに、老人でも好みはある!分かるわん(笑)

2012/03/15 (Thu) 23:12 | オリーブリー | 編集 | 返信

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