人生万歳!
2010, 12. 27 (Mon) 19:15
かつて物理学でノーベル賞候補にもなったボリス(ラリー・デヴィッド)は、気難しい偏屈で人間嫌い。
妻と別れ、社会から孤立していたが、ある晩、南部の田舎から家出してきたメロディ(エヴァン・レイチェル・ウッド)と出会い、数日だけの約束で自分のアパートに泊めてやることになるが…。
ウディ・アレン監督の通算40作目となるラブコメディー。
久々に舞台をニューヨークに移し、くたびれた中年男性と若い娘の奇妙な恋愛模様を映し出す。
2010年 12/11公開 アメリカ映画
監督 ウディ・アレン
アレンのラブコメ、さっぱり理解できない、共感できない、わたし――。
でも今回、そうはならなかったよぉ~久しぶりに面白かったです!
と言うより、初めて本気で笑えました!(苦笑)
最初、アレンが取り憑いてんの?みたいに、宗教だの人種だの、、、立て板に水のようなボリスのウンチクがちょっとイラっとしたけど、辛辣で毒舌だらけの中に、なるほどな~と肯けること多々。
「風と共に去りぬ」
スカーレット派かメラニー派かって、ああいう批評が好き(笑)
尺の長さも丁度良いし、スパイスの効いたユーモア溢れる人生讃歌で、新しい年を目の前にしている今、ハッピーな気分になれました♪
★4つと迷うけど、全体的な好みから㊤を加点。
人生がどれだけ虚しいのかを悟ってしまったボリスは、自殺未遂、失職、離婚、パニック障害と、頭が良すぎるインテリの苦悩でしょうか、年を取りますます偏屈で頑固な皮肉屋の爺様になったようです。
そんな彼の元に、無知で純朴で能天気なメロディが居座ってしまい、おまけにボリスに恋をしてしまう(笑)
ボリスのジョークも皮肉も理解できなメロディの低かった知能指数が、段々と学習、感化(?)され、ボリスのメロディ評も変化した時、二人はめでたく結婚。

こちらの年齢差カップルの元に、メロディの母親マリエッタ(パトリシア・クラークソン)が突然やってくる。
夫に浮気され、株の大損で家も手放し、行くあてがないと言う。
メロディの夫がボリスと知ると卒倒したマリエッタだけど、彼女もボリスのアパートに住み、本当にメロディにふさわしい相手をお膳立てしようと目論む。
ところがマリエッタは、自分でも想像すらしなかった才能をボリスの友人に見出され、生活も考え方も一変することに。
さらには浮気夫がよりを戻そうとNYへやって来て、妻のあまりの変わりように愕然となる。
メロディは母の作戦に乗せられ、若いハンサムな役者の卵に知らず知らず心を奪われていく。

ボリスとメロディだけでなく、母親、父親、周りの人たちが、面白おかしくドタバタともつれ合いながらの後半の展開。
まさに原題の「Whatever Works」(なんでもあり)の状況になっていくのだけれど、どれもこれもあり得そうと思うことばかり(笑)
ボリスが共演者を無視して、時々観客に向かって話しかける運びが、事実っぽく思わされるのかな。
ドタバタ具合もしつこくなくてサジ加減が良い感じ。
ラストのボリスの語りかけも、うんうん、そうだよね、頑張ろうかな!なんて肯けました。
こちらの脚本は「アニー・ホール」の頃に書かれてお蔵入りしていたそう。
プライベートが主人公ボリスと重なったのか(笑)日の目を見れて良かったこと!
NYのユニクロ店や日本の映画と、そんなシーンもあります。
何の映画だったのかな。
コメント
mezzotint
マリエッタ☆
今晩は☆彡
ボリスはおっしゃるように、アレンの考えている
ことの代弁者のようです。アレンがそう語って
おられます。それにしても、パトリシア演じる
マリエッタ、最高でしたよね!ボリスが嫌いだから、
何とか娘との仲を引き裂くためにあそこまでやるとは。
そして自らの人生もあんなに変わるとは驚き!
確かにあの2人の男は私も要りませんが(笑)
mig
No title
こんにちは☆オリーブリーさん
大掃除中おじゃまします☆笑
アレンの笑いは合う人とあわない人がいるけど
私はもろツボです。
とくにアレン爺さんが出てない方がいい(笑)
今回も楽しかったです〜
手洗う時にハッピーバースディ歌う人なんていないって(笑)
オリーブリー
mezzotintさんへ
こんばんは。
>アレンの考えていることの代弁者のようです。
ああ、やはりそうでしたか(笑)
特に冒頭なんて、まんまアレンでした。
年の差カップルでずっと引きずられたら、もしかしたら退屈になったかも知れない…。
マリエッタの存在は大きかったです!
いくつになってもチャンスはあるもんですね〜。
ジョニーやヒューならいざ知らず(笑)あの男は要らんでしょう(爆)
オリーブリー
migさんへ
こんばんは〜大掃除、あと、娘の部屋のカーテンと窓掃除だけ(;´ρ`) グッタリ
明日の朝一頑張ろうかなぁ〜、、、
>とくにアレン爺さんが出てない方がいい(笑)
ほんと、ほんと!!
私もそう思う(爆)
ハッピーバースディ、可笑しかった!!
別にto youでもいいじゃんね〜紛らわしいo(^▽^)oキャハハハ
ituka
おけましておめでとうございます
正月早々観る映画がまったくないというのは淋しいので
年末に数本残していたというのは・・言い訳っぽいですかね〜(爆)
主人公のボイスの口から出る毒舌には前半鬱陶しかったですが
徐々になれてしまいました。根はいい奴だってね。
今月も楽しい作品目白押しですね。
確実に4本は期待値上がりっぱなしです(笑)
オリーブリー
itukaさんへ
あけおめですo(*^▽^*)o~♪
今年もどうぞ宜しくお願いします。
只今、目印検討中です(爆)
>正月早々観る映画がまったくないというのは淋しいので
そうなんですよね。
帰省(?)中のダンナさんが「ロビンフッド」と言っていたのに、段々と出不精になってワンコとゴロゴロしてます。
まあ、それを置いて出かけるのも何なので(爆)
今月は名演が多いんですよねぇ〜。
天使君もまだ観てないし…。
ボイスって、何で半ズボン派なんでしょうかね〜あれのウンチクも聞きたかったかもo(^▽^)oキャハハハ
デイヴィッド・ギルモア
こんばんは
いつもお世話になります。
このボリスという人物は、アレン自身を投影していて、気難しくて、やっかいなキャラなのですが、なぜか共感できるようなところもありましたよね。
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