クリスマス・ストーリー
2010, 12. 17 (Fri) 18:14
フランス北部の街、ルーベ。
アベル(ジャン=ポール・ルション)とジュノン(カトリーヌ・ドウーヴ)夫婦には、長女エリザベート(アンヌ・コンシニ)、次男アンリ(マチュー・アメリック)、三男イヴァン(メルヴィル・プポー)の子供がいる。
長男のジョゼフは、幼い頃に白血病でこの世を去った。
生真面目な劇作家のエリザベートは、問題児のアンリを嫌い、6年前に家族から追放して絶縁状態となっていた。
ある日、白血病を宣告された母ジュノンのため、骨髄移植のドナー検査を受けた血縁者が家族や恋人を連れてクリスマスに集まってくることになり…。
疎遠になっていた家族が、愛憎の中で波乱含みのひとときを送る姿を描いた家族ドラマ。
2010年 11/20公開 フランス映画
監督 アルノー・デプレシャン
シビアなクリスマス物語{★★2/5}
長男ジョセフは4歳の時に白血病になり、骨髄移植しか治療法がないと診断される。
家族の誰もがドナー適合者にならない中、ドナーの可能性をかけて妊娠したアンリの骨髄は適合せず、イヴァンもまたドナーにはなれなかった。
ジョセフはわずか6歳で天国に旅立った。
ヴュイヤール家の過去は「わたしの中のあなた」を思い出しますが、影絵で語られるので、既に遠い昔の悲劇には幾分かケリのついた事のようにも感じるのですが、“役立たず”で生まれたアンリやイヴァン、エリザベートに至っても、屈折した内面を抱えてしまった要因が深く残っているのだと逆に酷にも感じます。
チャプターでくくったり、フォーカスする映像、写真や音楽、文学本や映画の引用、家の様子や調度品など、家族の歴史が浮かび上がるような雰囲気ある描き方は、葛藤やトラウマ、不安を抱えた家族故のしがらみと真実を垣間見るようでした。

だけど如何せん、淡々としているのと、誰一人共感できる人物がいないどころか、逆にイライラとさせられる人達が多いこと。
しかも2時間半越えは長すぎて、私にはただ退屈なだけの作品でした。
エリザベートとアンリの確執、精神的な問題があるエリザベートの息子ポール、イヴァンと妻シルヴィア、いとこシモンの三角関係、アンリの恋人フォニア、アンリを嫌うエリザベートの夫クロード、孫、祖母のレズビアンの恋人とか、まあたくさん入り乱れて過去を振り返る家族の物語ですが、この多い登場人物ひとりひとりにスポットが当たるので、軸がズレて広がっていく上に、これといって必要と思わない場面もあり、何を言いたいのか伝わらない一本調子な印象を持ってしまいました。
エピソードを積み重ねることで、物語に厚みが出るのでしょうが、どうもまとまりがなく散らばっただけのようでした。
両親はジョゼフを救えなかった罪悪感はあるようですが、母親が他の子供に対する感情が冷たいと言うのか、日本の一般的な母親像からは掴み難い人だし、エリザベートがそこまでアンリを忌嫌う理由も最後までよく分からず、イヴァンの妻といとこの関係って、どうなの、これ?旦那公認なの…?!
父親以外、こちらの家族は普通じゃなくて、むしろ家族の問題児であるアンリがいちばんマシで人間らしい人物のようでした。
異質なものを無理に分かる必要はないけれど、やっぱりフランス人って個人主義なんだなぁ~なんて感じましたが、希望あるようなラストもご都合的に描いていないのはフランス映画らしいです。
マチュー・アマルリックはじめ、カトリーヌ・ドヌーヴの存在感、彼女の実の娘キアラ・マストロヤンニ、出演者はみなさんお上手でしたが、感想が難しい映画でした。
長男ジョセフは4歳の時に白血病になり、骨髄移植しか治療法がないと診断される。
家族の誰もがドナー適合者にならない中、ドナーの可能性をかけて妊娠したアンリの骨髄は適合せず、イヴァンもまたドナーにはなれなかった。
ジョセフはわずか6歳で天国に旅立った。
ヴュイヤール家の過去は「わたしの中のあなた」を思い出しますが、影絵で語られるので、既に遠い昔の悲劇には幾分かケリのついた事のようにも感じるのですが、“役立たず”で生まれたアンリやイヴァン、エリザベートに至っても、屈折した内面を抱えてしまった要因が深く残っているのだと逆に酷にも感じます。
チャプターでくくったり、フォーカスする映像、写真や音楽、文学本や映画の引用、家の様子や調度品など、家族の歴史が浮かび上がるような雰囲気ある描き方は、葛藤やトラウマ、不安を抱えた家族故のしがらみと真実を垣間見るようでした。

だけど如何せん、淡々としているのと、誰一人共感できる人物がいないどころか、逆にイライラとさせられる人達が多いこと。
しかも2時間半越えは長すぎて、私にはただ退屈なだけの作品でした。
エリザベートとアンリの確執、精神的な問題があるエリザベートの息子ポール、イヴァンと妻シルヴィア、いとこシモンの三角関係、アンリの恋人フォニア、アンリを嫌うエリザベートの夫クロード、孫、祖母のレズビアンの恋人とか、まあたくさん入り乱れて過去を振り返る家族の物語ですが、この多い登場人物ひとりひとりにスポットが当たるので、軸がズレて広がっていく上に、これといって必要と思わない場面もあり、何を言いたいのか伝わらない一本調子な印象を持ってしまいました。
エピソードを積み重ねることで、物語に厚みが出るのでしょうが、どうもまとまりがなく散らばっただけのようでした。
両親はジョゼフを救えなかった罪悪感はあるようですが、母親が他の子供に対する感情が冷たいと言うのか、日本の一般的な母親像からは掴み難い人だし、エリザベートがそこまでアンリを忌嫌う理由も最後までよく分からず、イヴァンの妻といとこの関係って、どうなの、これ?旦那公認なの…?!
父親以外、こちらの家族は普通じゃなくて、むしろ家族の問題児であるアンリがいちばんマシで人間らしい人物のようでした。
異質なものを無理に分かる必要はないけれど、やっぱりフランス人って個人主義なんだなぁ~なんて感じましたが、希望あるようなラストもご都合的に描いていないのはフランス映画らしいです。
マチュー・アマルリックはじめ、カトリーヌ・ドヌーヴの存在感、彼女の実の娘キアラ・マストロヤンニ、出演者はみなさんお上手でしたが、感想が難しい映画でした。
コメント
KLY
こんばんはー^^
豪華なキャスティングだけに全員に見せ場を用意したかったんですかねー?^^;
確かに変な人ばっかり。でもエリザベートの嫌い方って私好きになれないんです。オヤジの工場を売り飛ばしてでも自分の借金払おうとしたから嫌いってならまだ解るんですがね。(苦笑)
恐らく長男の白血病の件があるんでしょうが、観ていて「嫌いだから嫌い、生理的に嫌い」を連呼されているようで、度が過ぎるとこっちまで不愉快に…^^;
オリーブリー
KLYさんへ
こんにちは。
>豪華なキャスティングだけに全員に見せ場を用意したかったんですかね
あっ、そうか。
なるほど!
それは有り得ますね。
この家族って、女がくせ者ですよね(爆)
エリザベートもシルヴィアも何だか偉そうで、勘違いしてるみたいだし、ジュノンはどっしりとふんぞり返ってるだけ(苦笑)
女の私も彼女達が不愉快でしたから、男性には更に指数が上がるでしょう(゚Д゚)
>オヤジの工場を売り飛ばしてでも自分の借金払おうとしたから嫌いってならまだ解るんですがね。
そうそう、明確に嫌う理由が分からなかったですよ。
シルヴィアがイヴァンに、どうしてあの二人は仲が悪い?って言った時、近親相姦は珍しくない…みたいな事を言っていたような気がするので、そんな事でもあって嫌ってるのか?ポールはアンリの子供なのか?とか、勝手にシナリオ妄想しちゃいました(苦笑)
良く分からない映画でした〜感性が乏しくて…ポリポリ (・・*)ゞ
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