遠い空の向こうに
2007, 03. 28 (Wed) 18:03

1957年10月、ソ連が人類初の人工衛星スプートニクの打ち上げに成功した。
ウエスト・ヴァージニア州の炭坑の町コールウッドで、
その美しい軌跡を見ていた青年ホーマー(ジェイク・ギレンホール)は、自らの手でロケットを打ち上げたいと思い、級友3人とともに本格的なロケットづくりにとりかかった。
NASA元エンジニアの自伝小説「ロケット・ボーイズ」を映画化したもの。
ロケットへの夢に賭けた若者たちの挑戦を描いたドラマ。
廃坑寸前の炭鉱町、ここで育ったら炭坑夫になることが決まったようなもの。
高校生のホーマーはロケットの魅力に取り付かれ、見様見真似でロケットを作っては失敗を繰り返す。
3人の友人と共に将来の夢への実現に向けて動き出す。
全米の科学コンクールに優勝できれば、奨学金で大学進学できると教師の後押しで懸命に努力する少年達。
「ロケット・ボーイズ」は所謂 “オタク” “変人”
そして、それぞれに家庭の事情も抱えている。
そんな彼らのロケット打ち上げと言う、まるでお遊びのような事に、同級生も町の人達も冷ややかだったが、次第に理解者が増えてくる。
試行錯誤を繰り返し、夢へと胸膨らませるホーマーのもう一つの問題は、炭鉱夫のリーダー的存在の父(クリス・クーパー)との確執。
炭鉱の仕事に誇りを持っている父は、自分の仕事に興味を持たず、ロケットにうつつを抜かすのが気に入らない。
今や炭鉱が時代の流れに押しつぶされようとしていると感じながらも、息子の夢を阻もうとする。
でもそれらは観ていて決して嫌気を感じる事じゃなく、
ただ頑固で信念があると言う事が逆に感動し、父親の生き様を感じることができます。
ロケット製作過程が意外と面白いです。
線路をこっそりもらっちゃったり!
オチの虚しさも結構好き。
感動的なサクセス自伝映画だけれど、何かそれだけではないストーリー展開の良さと、
爽やかな青春時代を思い出させてくれる作品。
ラストはやはり涙無くしては観れない!
「ロケットボーイズ」の達成感や満足感が観る側にもしっかりと伝わってきます。
エンドロールで、ロケット・ボーイズたちのその後も紹介されます。
当時19歳ぐらいのジェイク・ギレンホール~田舎町の純粋な高校生を違和感なく演じています。
あの奥底から輝くような大きな瞳が、夢見る少年っぽい!
ソ連の世界初の人工衛星打ち上げで、
それまで科学技術の分野で最先端であるという意識を持っていたアメリカが受けたショック “スプートニク・ショック”
結果、教育・軍事・科学技術部門の改革の必要性が認識され、
NASAが設立されたりアポロ計画が立ち上がったりして、危機感の中で大きく再編されたんですね。
2000年 2/26公開 アメリカ映画
監督 ジョー・ジョンストン