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備忘録として更新します。コメントありがとうございました。

OSCAR ET LA DAME ROSE

白血病を患い小児病棟に入院している10歳のオスカー(アミール)は、特別扱いをされることに飽き飽きしていた。
ある日、デリバリーピザのローズ(ミシェル・ラロック)の遠慮ない態度にオスカーは心を掴まれる。


わずか10歳で死を宣告された少年が、自らの死をしっかりと受け止めながら、最期まで前向きに生きる過ごす12日間を綴る。

2010年 11/6公開 フランス映画
監督 エリック・=エマニュエル・シュミット
気持ちの持ち様、考え方ひとつで道は変わる{★★★㊤3/5}

子供の難病モノは好きではありませんが、こちらの作品は、安っぽい泣かせのドラマではなく、しんみりとさせない一味違う涙がじわっと滲む物語でした。

いたずら好きのオスカーは、周りの人間に気を使われることに嫌気がさしています。
ある日、院内で自分に向かって辛辣な罵声を浴びせた派手なオバサンと出くわしますが、病状を隠す医師や両親に心を閉ざすオスカーは、即座に彼女を気に入りました。
この人なら普通に接してくれると感じたのでしょう。
医師はピザを注文する代わりにオスカーの話相手になって欲しいと頼みます。
しぶしぶ引き受けたローズですが、余命わずかだと気づいたオスカーに、1日を10年として生きるのはどうか、と提案します。

“1日で10歳年を取る”このプロットが効いています。
初恋、思春期、大人の苦悩や中年の危機、老年と、1日1日を経験していきます。
ローズのアドバイスはお説教臭くなく、ユーモアがあってごく自然で当たり前の事ばかり。
もちろん、哀れんだりする目線はありません。
二人の会話が小気味良く、オスカーもそこに「ふり」があったとしても、成り切り度に「分かる、分かる」と肯けるし、ローズの頭の回転の良さや切り替えしに(しかも毒気ある)ハッとさせられ感心します。
「30代は苦悩の時代」「40代は魔が刺す年齢」に納得です(笑)
赤いリングのスノーグローブを見ながら、ローズの女子プロレスラー経験談で、豊かなイマジネーションがかき立てられたファンタジーの世界が子供らしくて楽しいです。
1369658119OSCAR ET LA DAME ROSE
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ローズはオスカーに素直な気持ちを綴るよう、神様に手紙を書くことを勧めます。
「神様の住所を知っているの?」と問うオスカーに「もちろん!」と答えたローズは、綺麗な色の風船に手紙を付け空へと飛ばします。
病室の窓から眺めるオスカーの笑顔。
何度か出るこのシーンが、色彩豊かでとても美しく、オスカーの心情を乗せて空高く舞い上がる風船は、本当に神様に届くかのようです。

敏感で感受性が強いオスカーの手紙の文面が心に染みました。
わずか10歳の少年は、60歳「人生を味わうために、センスがいる」100歳「若いうちは誰でも楽しめる、身体が動かなくなったら頭を使わないといけない」
手紙を書く内に、両親も神も大嫌いだったオスカーは、これまで見えなかったものに気づき、ローズもまた自分の人生や真剣に他人と向き合う大切さを知ります。
337356_01_02_02100歳の少年と12通の手紙
病院はとかく陰気で暗いイメージですが、そこにローズの洋服の華やかさ、小物の色使い、そしてベッドのシーツや枕カバーなども比較的明るい色が用いられていて、その色が時々の感情を表しているかのようでした。

人は人の痛みを感じ取る事で成長します。
わずか12日間の間に、オスカーは命の輝きを知り、ローズは向き合うことの意味を知ります。
二人の交流を通じ、生きるとは何かを問いかける映画でした。
2010.11.30 / Top↑
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