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心のままに映画の風景

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終着駅 トルストイ最後の旅

4498_12098704169THE LAST STATION
ロシアの偉大な作家レフ・トルストイ(クリストファー・プラマー)を、妻のソフィヤ(ヘレン・ミレン)は50年近く献身的に支え続けてきた。
文学的才能、家柄、名声などに恵まれたトルストイは、晩年、遺産は全てロシア国民のために使うと爵位も財産も捨てようとする。
信奉者チェルトコフ(ポール・ジアマッティ)と、家族のための遺産を守ろうとするソフィヤの対立は深まり、トルストイは82歳の高齢にして突然家出をする。

「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」などの文豪トルストイの晩年を映画化した伝記ドラマ。
作家という以上に、自らの理想を貫いた平和思想家であったトルストイと、世界三大悪妻と名高いソフィヤとの夫婦の愛の形を、トルストイ信奉者の青年の目を通して描く。
第82回アカデミー賞で、ヘレン・ミレンは主演女優賞、クリストファー・プラマーは助演男優賞にそれぞれノミネート。


ソフィヤの怒りは愛そのもの{★★★㊤3/5}

「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」「イワンのばか」など多数の傑作を残したトルストイ。
文学や思想が複雑に語られるような内容は苦手だと思いましたが、秘書としてトルストイの元にやってきたワレンチン(ジェームズ・マカヴォイ)の視線で語られる普遍的な“愛”をテーマにした物語でした。
トルストイは、非暴力、人類愛を掲げ、彼を信奉する人々(トルストイ主義者)とヤースナヤ・ポリャーナの土地でコミュニティを作り、彼の著作権や遺産をロシア国民に委譲させたい(トルストイ主義に基づくらしい)チェルトコフたちと、私有財産を守ろうとする妻ソフィヤとの確執が深まった晩年が舞台となっています。

トルストイの周りにいる人間は、熱狂的なトルストイ主義者ばかり。
貧しい民衆を助けるため“人類愛”で著作権を放棄しようとするトルストイに対して、ソフィアは“家族愛”で著作権の放棄を阻止しようとします。
トルストイを偶像化してトルストイ主義の確立を図りたいチェルコトフと、俗っぽいソフィヤの折り合いは最悪で、ワレンチンが秘書としてトルストイの下へと送り込まれたのも、ソフィヤの動向を監視させるため。
伯爵家生まれの貴族であるトルストイは、才能にも富にも恵まれ、弟子に尊敬され、傍から見れば悠々自適に暮らしている幸せな老人のように見えるのですが、両者の間で板挟みになり、どちらかと言うと流れに任せ飄々としていて、カリスマ的社会主義者の教祖さまの様に祭り上げられた感じでしょうか。
妻とは不仲になり、家出をし、ついには名もない小さな駅の駅舎で最後を迎えることになります。
8135_5748758769THE LAST STATION
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世界三大悪妻に数えられる妻ソフィアだそうですが、それがそんなに悪妻だとは感じないのです。
確かにキツイ性格だし、神経質で感情的、過剰だし、ヘレン・ミレンだし(笑)
彼女は「戦争と平和」を6回も書き写し、登場人物についても夫婦でディスカッションしたと言う。
しかも9男3女、いくら恵まれた家庭であっても13人も子供を産むなんてどれだけ大変なことだろう。
そもそも、妻である以上、夫の私有財産放棄に異議を唱えるのは当たり前のことではなかろうか。
ソフィアのキツさや言い分には、常に夫への深い“愛”が感じられる。
この映画の描き方なら、“悪”“守銭奴”と感じるのは、チェルコトフたちトルストイ主義者の方だ。
父に心酔し、チェルコトフたちと一緒に母を疎むサーシャ・トルストイ(アンヌ=マリー・ダフ)や、チェルコトフに、危篤状態の夫に面会させない権利がどこにあるのだろう。
信奉者たちには教祖的存在であっても、ソフィヤにはただ普通の夫でしかなかったのでしょう。

チェルトコフ、トルストイ、ソフィヤの間で揺れるワレンチンが、マーシャ(ケリーコンドン)を愛するようになって愛の本質に気づいていくエピソードを交えながら、理想を求める老人と現実をしっかり見る妻の夫婦愛は、「偉人と俗人」「理想と現実」で描かれ、思想や理想を追い求めると、本来掲げたはずの自由がどんどん奪われてしまう皮肉も感じました。
屋敷の周り、病院代わりの駅舎にもパパラッチが常にいて、トルストイがいかに民衆の関心を集めていたか驚きました。
側近たちがいちいちメモを取っていたので、彼についての関係書類が多いのも肯けます。
最後にトルストイの口から出たのはソフィヤの名前。
数年後、著作権はソフィア家族に戻ったと字幕があり、実際の映像が流れると何だか安心しました。

出演者は文句無くお上手な方々ばかり。
チェルトコフの変な癖がついたヒゲやトニックの香りとか、ヘレン・ミレンの細かいしぐさが嫌味で面白い。
想像以上にマカちゃんが出ずっぱりで見応え十分でした♪
マカちゃん、妻と映画初共演なのかな…。
ファンとしてはあまりご一緒には出て欲しくないけど(笑)

2010年 9/11公開 ドイツ/ロシア映画
監督 マイケル・ホフマン

Comment

ロシア語
編集
こだわるつもりはないけど、、、(笑)
まあ勝手にほざいております。
オリーブリーさんもマカヴォイ君ファンなんだ。
この手の作品はマカヴォイ君お得意の分野かも
しれませんね。ピタリとハマっておられました。
主役の2人より何か目立っていましたよね。
う〜ん三大悪妻ね。まあこういう気性の激しい人
って結構多いし。あの時代に限らず、、、
2010年09月28日(Tue) 19:38
編集
いい作品でした♪
後から知ったのですが、ヘレン・ミレンのお父様はロシア人なのね。
男性陣があのソフィアを見てどう思ったか分かりませんが、
熟女はみんなソフィアに同調したのでは?と思います。
2010年09月28日(Tue) 23:03
編集
>ヘレン・ミレンだし

(爆)

そんな悪妻じゃないですよね。それこそ『悪人』じゃないけど相対的な判断にしかなってなくて、悪妻はトルストイ主義者からの一面的な見方かなって。実際トルストイ本人は愛していたはずで、ただ彼は俗世的な面倒はどうでもよくて、ひたすら作品作りに没頭したかったから家を出たんだと思いますし。
てか別れるなら何も老年別居しなくてももっと早く別れてるだろうし。(笑)

それにしてもジェームズ・マカヴォイくんがこんなにフィーチャーされるとは思ってもみなかったんで軽く驚きました。こういう役が板についてきました。^^
2010年09月29日(Wed) 00:24
mezzotintさんへ
編集
こんばんは。

ロシア語の件、俳優の芝居で誤魔化されたような感じかな(笑)
そー言えばと、途中で気がついた次第です(;^_^A アセアセ・・・
いつもなら、即、突っ込みたくなるのに(苦笑)

マカちゃんは文学的な作品が似合いますよね。
彼の翳りのある瞳が素敵です♪
もっとヘレン・ミレンがキレた演技するのかと思っていたら、案外普通?(笑)
これぐらいで悪女呼ばわりされたら、今の時代ねぇ〜モゴモゴ・・・
2010年09月30日(Thu) 18:33
めえめえさんへ
編集
こんばんは。

>ヘレン・ミレンのお父様はロシア人なのね。

あら〜そうなんだ。

そうそう、だって、女が家を守りたいと思うのは当たり前のことだものね。
自分の欲で言っている訳ではないもの。
ソフィヤは女性の共感を得ると思います。
2010年09月30日(Thu) 18:37
KLYさんへ
編集
こんばんは。

>悪妻はトルストイ主義者からの一面的な見方かなって。

ですよね。
ソフィヤをその立場に置けば、トルストイ主義がますます確立できたのだろうし。
悪があれば善も際立つでしょう。

>ただ彼は俗世的な面倒はどうでもよくて、ひたすら作品作りに没頭したかったから家を出たんだと思いますし。

と思いました。
もうどちらの思いも一人歩きしてて、トルストイ本人にも手に負えないような…。
でも主としたら、そこを収める力がもっとあっても良かったかな〜とは思いますが、もう高齢で、面倒が嫌なだけなのかな〜とも(;^_^A アセアセ・・・

そうそう、私も大御所お二人がメインと思ってたので、マカちゃんが出ずっぱりで思いがけず美味しい思いをさせてもらいましたo(*^▽^*)o~♪
2010年09月30日(Thu) 18:44
でしたねえ。
編集
愛しているからこそのソフィヤの行動なんですが、彼をカリスマに祭り上げようとしているものにとっては、邪魔としか思えない。
まるで、レーニンをカリスマにしようとしたスターリンに見えましたが、チェルトコフがジアマッティにしたのは、ちょっとなあ・・と感じました。
はなっからやな奴・・にしているようで。
あたし的には、想定外だったマカちゃんを堪能出来て、幸せでしたわ。
2011年01月03日(Mon) 17:51
sakuraiさんへ
編集
私もソフィアの行動は、そう悪妻だとか異常だとか、思いませんでしたわ。
配偶者としての当然の権利でしょう。
程度はあれ、もっとすごいのイッパイいるし(苦笑)

>チェルトコフがジアマッティ

ジアマッティって、実際、どんなおっちゃんなんだろう(笑)
あまり感じの良さそうな人物にはお見受けしないんだけど…。
まあ、でも上手いですよね。

いやん♪
もう、マカちゃん観たの、去年はこれオンリーだったから、結構な出ずっぱりで嬉しかったですよo(*^▽^*)o~♪
2011年01月04日(Tue) 13:54












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