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告白
とある中学校の1年B組。
終業式後のホームルームで、担任の森口悠子(松たか子)が静かに語り出す。
「わたしの娘が死にました。警察は事故死と判断しましたが、娘の愛美は事故で死んだのではなくこのクラスの生徒に殺されたのです」と衝撃的な告白をする。

2009年本屋大賞に輝いた湊かなえの同名ベストセラー小説を原作に、事件にかかわった関係者たちの告白によって真相が明らかになっていく中学校教師の復讐を描くミステリー。


ホント、どっか~んです{★★★★㊤4/5}

いやもう、凄い映画でした!!!
去年、韓国映画「母なる証明」を観た時、日本はまだまだ遅れていると思いましたが…撤回ですね(笑)
私達が抱える社会問題に対して、綺麗ごとを省き負の部分を見事に描いたのではないでしょうか。
賛否も好みも分かれると思いますが、妥協をせず世に出されただけでも評価は高いと思います。

携帯を離せず、私語が飛び交い、ざわつく生徒達。
教室で森口先生が語ります。
生徒達は、教師が居ようが居まいがお構いなし。
森口先生も生徒の態度にお構いなしで淡々と話し続けます。
今日限りで退職するという森口先生の話は、次第に核心に向かっていきます。

この異様なクラスの生徒達に苛立ちを感じながら、松たか子の冷静で冷淡な一人芝居にいきなり引き込まれました。
森口先生は「命」について話しはじめ、娘の愛美はこのクラスの生徒に殺されたと明かします。
「犯人A、犯人B」と匿名で語りだしても誰なのかあっさり分かり、事故の経緯も既にその二人の生徒から事情を聞き、彼らも犯行を認めているという。
警察は事故死と判断し、犯人は少年法で守られる以上、事件を蒸し返すつもりはないと森口先生は続けます。
それならば、どうしてクラスメート達に真実を明かしたのか…。
森口先生は、HIVに感染し余命少ない愛美の父親の血液を二人が飲んだ牛乳に混ぜたと言いました。
命の重さを知るために…。
プロローグのような森口先生の衝撃的な告白から物語りは始まります。

この後は何を書いてもネタバレになるし、語りだすとキリがなくなりますが、新学期になり熱血教師ウェルテルこと寺田良輝(岡田将生)が新しい担任となったクラスで、犯人Aの渡辺修哉、犯人Bの下村直樹、下村直樹の母優子(木村佳乃)、委員長の北原美月の告白が続いていきます。
100223_kokuhaku_main告白
ラストまで観る者に様々な感情が与えられると思いますが、
明確な答えがあるわけではないし、善悪を解いたり、良心だとか倫理だとか、決して命の尊さを問う作品でもないと私は思いました。
母親で教師だった女性が、稚拙な動機で奪われてしまった我が子の命に復讐をするお話です。
守るものも失うものもなくなった彼女には、復讐の条件が当て嵌まったのです。
絶望から立ち上がろうとする時、復讐にかられたとしたら人はどうなるか?
そこには一切、偽善的な要素はありません。
なので、とっても不快だったり、救いがなかったりと感じる方も多いでしょう。

親であれば、森口先生に共感することができる反面、「犯人側」になることも無視はできません。
罪を犯してしまった子供とどう向き合うか、どう贖罪させるか、更には子供を産んで育てることが親としてどんなに責任があることなのかを考えさせられます。普通は…。
なのに、この作品、復讐に駆られてしまった森口先生や犯人より、娘を失った先生の哀しみを知ろうとせず、クラスに殺人者が居る日常に甘んじ、イジメを続ける生徒達の愚かさ、モンスターな母親など、人間として持つべき当然の感情に、誰も真面目に向かい合おうとしない性質に嫌悪を感じてしまったのは私だけでしょうか。
もちろん、森口先生も含め、登場する人間の本質が邪悪なのだとすると、それはとても怖いのです。
けれど、なぜかそれに強い違和感を感じないのは、こんな犯罪者、こんな復讐者は想定済みで、それを危機と感じない現代の社会状況のゆがみのようなものに気持ちが悪くなる、そんな映画でした。
それでも私はこの作品に肯定的ですし、被害者家族が抱えこむ感情も当然と思います。
映像は、森口先生の落とした影を与えながら、良くも悪くも生徒たちの日常や感情、表情をスクリーンに映し出し、結末に至ります。
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終盤、森口先生と美月がファミレスで交わす会話で新たなことを見せられます。
森口先生は、はっきり言いました。
「バカだ」と。
子供と大人の狭間にいるこの年代、親は当然、周りも含め「思春期だから」と都合の良い解釈をしてしまいますが、担任の先生の娘が殺されたという話を聞かされた直後でも、さぞ春休みが嬉しいのか、その軽快な足取りが描かれた映像が目に残こっていて、森口先生が言うようにバカなんだ、何も考えていないのだ、と思わずにはいられません。

ファミレスの帰り道、たまたま近くにいた子供からもらったキャンデーに、ふと我に返ったようにその場に泣き崩れ嗚咽しはじめた森口先生に、初めて人間らしい共感が…と思えた途端、彼女は「ばかばかしい」と己の行動を一喝します。
これは、くだらない同情など持たずに覚悟して観ろよと思わせるように…。
犯人Aが持つコンプレックスに高々に声を上げて大笑いした森口先生。
牛乳の件も爆破の件も、現実のことか脳内に植えつけただけか、その真実はそれぞれの見解に委ねられたのかもしれませんが、何がどうあろうとも一切の感傷など持つのも許さない復讐者なのだと思いました。
個人的にやるからには私は赦しませんけど。
「な~んてね」と「どっか~ん」は、しばらく心に残りそうです。

子役の演技は残念でした。
志田未来やジャニーズ・Jなんかキャスティングせず、どこにでも居そうなリアルさはありますが、犯人男子の演技はモロ素人で、そこはしっかり演じて欲しかったです。

2010年 6/5公開 日本映画
監督 中島哲也
2010.06.21 / Top↑
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