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備忘録として更新します。コメントありがとうございました。

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南アフリカ・ヨハネスブルグ。
上空に巨大宇宙船が現われ、正体不明のエイリアンを難民として受入れることになった共同居住区“第9地区”は、20数年の経過でスラムと化し、地域住民の不満は爆発寸前。
超国家機関MNUは、エイリアンたちを新たな難民キャンプへ強制移住させることを決定。
プロジェクトの最高責任者に抜擢されたエイリアン対策課のヴィカスは、立ち退きの通達をして廻るが…。

異星人を難民として受入れることになった南アフリカを舞台に、
当局の新たな対応が思いもかけぬ事件を招いてしまうさまを、ドキュメンタリー・タッチで独創的に描き出すSFムービー。
ピーター・ジャクソンが製作を担当。


難民は宇宙人{★★★★㊤4/5}

面白かったです♪
色んな要素がギュッと詰まった新しい感覚の秀作映画でした。
’79年に南アフリカで生まれた監督のニール・ブロムカンプは、アパルトヘイトをエイリアンに置き換え、オリジナリティのある皮肉な映画を作られたと思います。
また無名役者さんの起用は「ハート・ロッカー」と同じく先の展開が不安でたまらず、“エビ”と呼ばれるエイリアンには「アバター」のナヴィに抱いた感情に近いものを感じました。
血が飛び肉が飛ぶ生々しい映像はあるけれど、思わず笑ってしまう能天気さもあって、SFであり、社会派であり、爆撃や銃撃、ロボット登場と様々な側面から劇的に描かれているので、観客を引き込んでいく力のある作品と思います。

エイリアンを第10地区へ移動させる計画に抜擢されたMNUのヴィカスは、承諾書にサインをさせるため第9地区難民キャンプに入り、その一部始終を取材班がカメラに収めていくので、キャンプが劣悪な環境であることは一目瞭然です。
エイリアンは侵略や攻撃するつもりはないけれど、友好的でもありません。
イメージでは人間よりも優れた能力を持っていると思うけれど、この映画のエイリアンたちは殆ど無能で思慮がないご様子。
キャットフードが好物で、ガラクタを身にまとったり、ヘルメット被っていたり、立ちションとかして、お茶目なのか下品なのか…(笑)
それを利用し彼らに阿漕な商売をしている黒人ギャング団も地区内にいて、人間たちから差別や虐待を受けています。
軍隊のサポートを受けながら、ヴィカスが笑顔で愛想振りながらエイリアンを立ち退かせる様子は、ドキュメンタリースタイルでユーモラスに描かれていて思わず笑いがでます。
汚い環境下で素手で触ったり、エイリアンの卵をポップコーンが弾けるみたいな音だと言いながら処理したり、エイリアンと20年近く同居してきた人間の麻痺したような感覚が凄いですよ。
危機管理や注意力の欠陥が招いた結果ですが、ヴィカスがある液体を浴びてしまったことから予想外の展開になります。

以下、ネタバレします

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妻の父がMNUの重役である以外は、どこにでもいるおじさんのヴィカスは、感染症で徐々にエイリアンに変身してしまいMNUに隔離されます。
エイリアンが所持する武器の破壊力は凄いものがあるのですが、これを操るには彼らの遺伝子の影響がなくてはならないことをMNUは生物実験や破壊兵器の実験で得ていたのです。
MNUは元は武器商社。
感染してエイリアンの手を持つヴィカスが好都合になったわけです。
何とか逃げ出したヴィカスは、第9地区でエリートエイリアンであるクリストファーの助けを受け、ヴィカスは元の体に戻るため、クリストファーは宇宙船を動かすため、MNUに保管されている液体を奪いに行く。

物語はまさにエイリアンに対するアパルトヘイトで、容赦なく弱者を利用するギャング、金と権力に執着する人間の強欲、エイリアンキラーと化したような軍隊と、どれだけ地球人が醜くて汚いのか見せ付けられ、逆にエイリアンのクリストファーとその息子がどれだけ純粋で可愛らしいのかと思えてくるのです。
非人道的な行いが批判的に描かれながら、思いもかけない友情が生まれ、予想すら出来ない展開とラストには胸が熱くなりました。
社会批判をSFで描くなんて予想外の映画です。
このような新感覚な作品がたくさん作られると嬉しいですね~。

2010年 4/10公開 アメリカ/ニュージーランド映画
監督 ニール・ブロンカンプ
2010.04.10 / Top↑
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