シャネル&ストラヴィンスキー
2010, 03. 04 (Thu) 18:14

1913年のパリ、シャンゼリゼ劇場。
新作「春の祭典」の初日を迎えるイゴール・ストラヴィンスキー(マッツ・ミケルセン)だが、観客は斬新な内容についていけず、激しいブーイングが起きる。
7年後、デザイナーとして成功したココ・シャネル(アナ・ムグラリス)は、ストラヴィンスキーの才能にほれ込み、自分の別荘に彼とその家族を滞在させる。
芸術家として互いを刺激し合った、シャネルとストラヴィンスキーの秘められた愛憎の行方を描くラブストーリー。
イマジネーションで作られたシャネル物語{★★★㊤3/5}
1920年代のパリで芸術家たちと交流があったココは、
ストラヴィンスキーのパトロンとなって、彼と家族を別荘に住まわせていた。
その史実を基にした小説を映画化したフィクションですが、そうとは思えないほどリアルに感じる面白い作品でした。
2人の恋愛関係については意見が分かれているそうですが、いずれにしてもストラヴィンスキーとの愛の物語に焦点を置くことで、シャネルの本質を見せられたような気がします。
逆にこうであって欲しいと思いました(笑)
あえなくふたりは不倫関係になりますが(R指定なのは納得の描写あり)一度そうなってしまうと止めどなく、
奥さんも子供も一緒に住んでいる家の中や敷地内でなんと図々しいこと(汗)
病弱なイゴールの妻・カーチャは、ストラヴィンスキーの写譜でもあるので、ベットの上でピアノのメロディーを聞きながら楽譜に書き写しています。
妻としてだけではなく彼を支えているカーチャには全てがお見通し。
彼女とココの会話や、ストラヴィンスキーに「寝たの…」と問うシーンはぞくぞくしました。
妻の嫉妬、女として魅力的なココの嫌らしさ、妻と言う立場の強さと自信、ココの腹のくくり方、こんな怖くてドロッドロしたスリリングなラブもの大好きです!

でもただの不倫と言うのではなく、
クリエイティブな世界に身を置いているふたりに取って、
シャネルは「No.5」を、ストラヴィンスキーは作曲の意欲やヒントとなり、お互いの感性が掻き立てられるように描かれているのが良いと思いました。
近代音楽への始まりとなるストラヴィンスキー、
開放的な洋服作りのパイオニアであるシャネルも、時代の変わり目を受け入れて来た人なので、恋も挫折も成功に変えるたくましさを感じます。
ボーイ亡き後は、ファッションに身を捧げたように語られていた先の「ココ・シャネル」「ココ・アヴァン・シャネル」ですが、こちらの作品では自立した女性の女の部分が描かれていて、それがより一層デザイナーとしてのポジションを確立していった説得力があると思いました。
シャネルの別荘はモロ、シャネル調の色彩です。
ここにも彼女のこだわりや趣味の良さが感じられます。
アナ・ムグラリスもさすが、どの服も着こなし満点で雰囲気があってとても美しい!
成功してからのココですが、3作品の中では一番合っていたのではないでしょうか。
劇中ではブーイングでしたが、オープニングの「春の祭典」私は好きだったし、楽曲イメージもシャネルの雰囲気とどこか重なるようでした。
毛皮や刺繍など取り入れたココの感性は、ストラヴィンスキーやロシア出身者の影響だったのかな。
奥さんのドレッサーの衣装も最後の舞台衣装に使っていました。
やはり製品開発やアイディアに関してこれと言うものはないのだけれど、ストーリーも雰囲気もシャネルならではの映画だったと思います。
2010年 1/16公開 フランス映画
監督 ヤン・クーネン
コメント
KLY
こんばんは^^
私も人的には3作品の中で一番よかったかなって思います。オドレイはホントに美しいですよね。
あのすらっと伸びた首筋とか、ほんと絵画の中から出てきたようです。またマッツ・ミケルセンが
いいんですよ。
ただ、多分何も予備知識なしでこの作品を観たら私は楽しめなかったと思います。前2作を観た
うえでこの作品を観ると、ココという人物がどんな女性だったのかが解った上で観ることが出来
るんで、結果として正解だったなって思いました。
オリーブリー
KLYさんへ
こんばんは。
ですよね♪
私もシャーリー観てこれを観れば、ココと言う人を相当知れるような気がしました(笑)
>あのすらっと伸びた首筋とか
KLYさん、オドレイじゃなくてアナでしょう?(笑)
ほんと、後ろから見てもうなじに首筋にと美しかったですよね。
首が長いの羨ましいです(汗)
年老いてからの背中とかちょっとビックリでした!
>マッツ・ミケルセンが いいんですよ。
007からよくお見かけしますが、またお尻の話ですみません…
彼はなかなかの美ケツの持ち主で、ちょっと萌えました(お尻フェチなので〜笑)
BC
マッツ・ミケルセン。
オリーブリーさん、こんにちは。
トラックバック&コメントありがとうございました。(*^-^*
R指定は大納得でしたよね。(^-^;
>こちらの作品では自立した女性の女の部分が描かれていて、それがより一層デザイナーとしてのポジションを確立していった説得力があると思いました。
どこまでが実話なのかはよくわからないけど、ありがちな話で妙にリアルでしたよね。^^
恋愛経験が糧となりデザイナーとしてのスキルアップにもつながっていく
大人のシャネルを観たような気がしましたよ。
マッツ・ミケルセンは近年は大作にも出演しているみたいだけど
私的にはマッツ・ミケルセンと言えば
スサンネ・ビア監督の『しあわせな孤独』『アフター・ウェディング』のイメージかな。
オリーブリー
BCさんへ
こんにちは〜こちらこそ、ありがとうございます。
マッツ・ミケルセンは「007〜」と「誰がため」しか観てない(;^_^A
「アフター・ウェディング」は皆さんの評判が宜しいのですね。
DVDを観る時間がなくて借りれてないので、未見の作品がめちゃあります(泣)
>R指定は大納得でしたよね。
そう、何だか結構な感じで見せられました(笑)
シャネルなのに(笑)
才能のある人たちは、刺激も感性も人並み以上に必要不可欠なものなんでしょうね。
史実をベースとはいえ、フィクションのように感じる映画でした〜後からたったそれだけの事から?とビックリしました。
sakurai
あの別荘の色調・・素敵でしたね。
でも住みたくはないわ。
あすこにいて、落ち着かない風のストラヴィンスキー家族の風体もわかるなあ。
やはりあの妻ですね。妻は何でも知っている!!
奔放そうに見えて、実はあの妻の掌の上で転がされていた・・ようにも見えました。
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