誰がため
2010, 01. 24 (Sun) 19:49

第二次世界大戦末期、ナチス占領下のデンマーク・コペンハーゲン。
地下抵抗組織ホルガ・ダンスケの一員、フラメン(トゥーレ・リントハート)とシトロン(マッツ・ミケルセン)の任務は、ゲシュタポとナチスに寝返った人たちを暗殺すること。
しかし、あることをきっかけに任務への疑問を抱き始めた彼らは、組織に対する疑念を膨らませるようになる。
運命に翻弄されながらも戦い抜いたレジスタンスのフラメンとシトロンの実話を描く。
本国デンマークで国民の8分の1を動員し、デンマーク・アカデミー賞で5部門を受賞。
戦争をどう生きるか{★★★3/5}
デンマークはアンデルセンと人魚姫の像ぐらいしか知らないので、
ナチの占領下でレジスタンスの史実があったということは勉強になりました。
事実であってもあまりこのよう事は学校では教えてくれませんよね~特にレジスタンスの話ですから。
デンマーク自由評議会に連合軍(イギリス)からの指示があり、
リーダーのヴィンター(ピーター・ミュウギン)から命令されて、フラメンは相棒のシトロンとダーゲットを暗殺する任務に付いています。
決して妥協を許さないフラメンと繊細で家族思いのシトロンは、ある出来事から次第に疑問を持ち始めます。
フラメンがケティ(スティーネ・スティーンゲーゼ)に出会ってしまったことからも話がややこしくなり、
自国向けに作られたとしたら、いちいち説明は要らないでしょうけど、欧州の国の歴史は世界史でも選択していない限りやはり皆無なので、中盤過ぎまでなかなか物語に入り込めませんでした。
歴史知らないので敷居が高く感じましたが、タイトル通りまさに「誰がため」なんだろう~と虚しさは残りました。

ドイツの占領下であっても、他の占領地とは違い「保護占領」とされていたので、国民の日常生活はそう変わらなかったそうです。
それでも自分の国が他国に占領されているのには変わりないし、次第に厳しさが増していけば、生き延びるためナチに従うものや、思想の違いなどからも抵抗勢力が結成されていくのは当然でしょう。
自分の信念や正義に基づいての行動だったはずなのに、2人の思いとはかけ離れた事実が隠されていて、
理想を求めた2人の男の生き様が実に哀しいものであったと感じました。
戦争を生き延びるため、ケティやシトロンの妻が現実を追うのも仕方がないこと。
やはり女はどんな時でも現実的。
「007/カジノ・ロワイヤル」で、目から血を流していたマッツ・ミケルセンがシトロンを、
「青い棘」「天使と悪魔」のトゥーレ・リントハートがフラメンを演じています。
マッツ・ミケルセンが出演する「シャネル&ストラヴィンスキー」も公開されました。
コード・ネームのフラメンは、染めた髪の失敗で赤毛になったので“フラメンコ(炎)”から、
シトロンはレモンの意味ですが、彼がシトロエンの工場で働いていたことから命名されたそうです。
2009年 12/19公開 デンマーク/チェコ/ドイツ映画
監督 オーレ・クリスチャン・マセン
コメント
KLY
そうですよね
確かにデンマークの歴史まで知っている一般的日本人は殆どいないでしょうねぇ。だから私も何で英国が出てくるのか良く解らなかったですもん。
ただまあ、知らないことを知ると言う意味で非常に意義があった作品だと思います。マッツ・ミケルセンが渋くて好きなんですよ〜。^^
オリーブリー
KLYさんへ
本当に、いい年して知らないことだらけですわ(;´Д`A ```
解らないながらも観るだけで知ることにはなりますが、それにしても難解でした。
対ナチのようで、決してそうではなかったような構図なので、男の生き様映画って感じで観た方が良いのでしょうかね。
マッツ・ミケルセン、「007」ではダニたんの股間ムチうちしましたからね〜笑。
sakurai
世界史を
かじってる人でも、デンマークでレジスタンスが行われていた・・・なんてことはまず知りえないでしょうね。
でも、ナチの占領下にいた国が、義憤を感じて行動を起こしていた!のは、当然だと思いますわ。
でも、なんでしょうね〜。
いまいち、その切迫感というか、どうしてもレジスタンスを起こさねばならない!!という強いナチのプレッシャーが感じられなかったのが、残念だったかも。
彼らのまっすぐな情熱は伝わったんですけどね。
よっぽどフィルムの本数が少なかったかして、半年もかかってやっと来ました。
日本全国回ってきたのね〜という感慨もあります!
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