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備忘録として更新します。コメントありがとうございました。

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16世紀、イングランド。
国王ヘンリー8世(エリック・バナ)は、王妃キャサリンとの間に男子の世継ぎが出来ず焦りを感じていた。
そこに目を付けた新興貴族のトーマス・ブーリン(マーク・ライアンス)は、聡明な長女アン(ナタリー・ポートマン)を愛人候補に仕立てようと目論む。
だがヘンリー王が目に留めたのは、商家の息子と結婚したばかりの気だての良い次女メアリー(スカーレット・ヨハンソン)だった。

エリザベス1世の母となったアン・ブーリンと、その妹メアリーが辿る愛憎渦巻く数奇な運命を描く歴史劇。
対照的な美しい姉妹が、ヘンリー8世の寵愛を巡って確執を深めていくさまをドラマティックに綴る。
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時代に生きてきた人達の側面が上手く描かれていて、引き込まれる映画でした。
濃厚な内容と衣装や建築物と眼をも楽しませてくれ、何よりブーリン姉妹を演じるナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンの若い女優がどちらも素晴らしく、2人の女性の静と動、愛憎、強さを感じさせられました。

王家の世継ぎ問題は、血族的にも政治的にも重要であるのは承知のことではありますが、
あまりにも女性が単に“産み”だけに利用される対象であるのは、いささか不快にはなります。
悲しいかな女というものは、男(夫)に対して従順であり、また子孫繁栄のための道具のようでもあり、
アンのように話術にたけて長年に渡り王を惹きつけた魅力を持っていても、男子を産めない……
ただそれだけで自らも窮地に立たされてしまうのです。
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ヘンリー8世って人は―
正妻といっても亡き兄の妻だったのですから、不幸にも流産続きで世継ぎに男子が出来ないと愛人作るのは仕方がないとしても、
メアリーに男子が生まれたのに、その対処は何なんでしょうか?
既にアンに心変りしたにしても、この王は一体、何が重要で何をしたかったのか?
女と見れば“未知との遭遇~新しい物好き”は殆ど病気ですね。
王としての当然の権利があるにしても、アンとの婚姻のために数年を費やし、離婚のため宗教改革までしたのに、そのエネルギーは達成すればそれで満足ってことだけみたい。
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この時代、一家の繁栄のために娘の婚姻を利用するのは常識ではありますが、
私利私欲しか頭にない父トーマスに対極的な見解を示す母レディ・エリザベス・ブーリンには救われました。
彼女の一言一言は肯けることばかり。
最後にトーマスにあびせた一発はスッキリしました。
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国王の寵愛を受け、「ブーリン家の娼婦姉妹」と王妃キャサリンに憎まれた姉妹の質の違う強さと絆。
野心家で計算高く激しい性格のアンと、控えめで優しく芯の強さを持つメアリー。
史実ではメアリーが姉という説もあるようです。
当時の美意識では、ふっくらした顔、青い瞳、明るいブロンドが美女とされていて、メアリーはまさにそれを代表する美人であったのに対し、アンは顔色が悪く、黒髪、黒い瞳で背も低く痩せていて決して美人とは言えなかったそう。
王女メアリーがフランスに嫁ぐ時、侍女としてフランスに渡ったメアリーとアン(7歳)
自分の欠点を補う話術や特技を身につけたアンは、帰国後、ヘンリー8世の眼に留まります。
アンは体に少し問題があったようで、自分の頭文字「B」をあしらったチョーカーは、喉元の大きなホクロを隠すためだったとか。
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ヘンリー8世は、これまた別の愛人エリザベス・ブラントとの間にできた男子は認知しますが、
メアリーが産んだ男子は庶子のままだったそうです。
後にエリザベス1世の時代にハンスドン卿として高位についたそう。

メアリーは最初の夫、ウィリアム・キャリーが亡くなった後、国王付きの兵士だったハンフリー・スタッフォードと再婚。
最初の夫との間に生まれた長女キャサリンはノウルズ卿に嫁ぎ、
孫娘レティス・ノウルズ(エリザベス1世の従姉妹の娘)は、エセックス伯ウォルター・デヴァルーに嫁いだ身でありながら、エリザベス女王の愛人レスター伯ロバート・ダッドリー(映画ではジョセフ・ファインズ)と不倫。
夫の死後、レティスとレスター伯は密かに結婚し、エリザベス女王にとっては驚きの事実だったそうです。

レティスの孫娘フランシスがサマーセット公家に嫁いだことから、現在までメアリーの血筋は受け継がれ、
Wikiによれば、彼女の子孫にはエリザベス王太后、ダイアナ妃など多くの有名人が含まれているので、エリザベスの代で途絶えたアンの血筋とはこれも対照的です。
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その対照的な姉妹をナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンが見事に演じていて、このキャスティングはピッタリと嵌っていたと思います。
アンは暗殺計画など裏工作もしたり、庶民にも人気がなかったようですが、
ナタリーの見せる気の強い表情、計算高い目つき、小悪魔的なアンに魅力を感じさせられます。
アンと違い慎ましい平穏な人生を選んだメアリーもまた魅力的な女性です。
スカーレットの体系やふっくらとした色白の顔は、冷静で落ち着いた芯の強い女性の内面が現れているようで、これまで彼女が演じてきたどんな役よりもとても良かったと感じました~私は好きです。
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ヘンリー8世は次々と妻を取替え、6人の女性と結婚。
バチカンと断絶までしてアンと結婚したにも関わらず、男子が誕生しないと今度はアンの侍女であったジェーン・シーモアと結婚するため、アンを罪に陥れて処刑。
ジェーン・シーモアは待望の男子を産みますが、
元々病弱であったエドワード6世は、わずか15歳で亡くなりました。

エリック・バナって、現代劇より時代物コスプレの方が似合っているように思いました。
「トロイ」のへクトル王子は良かったけど、このヘンリー8世は最低ですね(笑)
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兄?弟?ジョージはどこか頼りがなく気弱そうで、巻き込まれてしまった運命は可哀想でしたね~。
「ラスベガスをぶっつぶせ」のジム・スタージェスが好演でした。

政略を目論む叔父ノーフォーク公爵のデヴィッド・モリッシー。
毎週「ステート・オブ・プレイ~陰謀の構図~」でお顔見てますが、疲れる顔つきのこの人も、コスプレの方が良いかも。
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どうしようもなく困ったさんのヘンリー8世に翻弄された姉妹ですが、
アンの娘エリザベス1世によって国の基礎が固められイギリスに黄金時代をもたらしていく結果は、
女性の勝利(?)すら感じてしまい、産むだけの道具ではないのだぞと声を大にしたいです。

エンドの曲はケミストリーなんですね…
ヴォーカルがないバージョンにしたのは正解だと思います♪

2008年 10/25公開 イギリス/アメリカ映画
監督 ジャスティン・チャドウィック
2008.10.26 / Top↑
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