心のままに映画の風景

備忘録として更新します。コメントありがとうございました。
2018年06月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2018年08月
TOP映画 さ行 ≫ ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

therewillbeblood_galleryposterTHERE WILL BE BLOOD

20世紀初頭のカリフォルニア。
鉱山労働者のダニエル・プレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)は、
まだ幼い息子H.W.(ディロン・フリーシャー)と石油採掘事業に乗り出した。
ある日ポール(ポール・ダノ)という青年から自分の故郷の土地に油田があるとの情報を得て、
西部の町リトル・ボストンへと向かう。
地下には石油が眠っていると確信したダニエルは、すぐさま土地の買い占めに乗り出す。
ポールの双子の兄弟で信頼を集めるカリスマ牧師イーライ(ポール・ダノ二役)は、ダニエルへの警戒を強めていく。

石油採掘によってアメリカン・ドリームをかなえた男の利権争いと血塗られた歴史を描いた社会派ドラマ。
「マイ・レフトフット」のオスカー俳優ダニエル・デイ=ルイスが、人間の計り知れない欲望や恐怖を演じる。

弟80回アカデミー賞主演男優賞オスカー受賞 ダニエル・デイ=ルイス 他、撮影賞受賞
329715_01_02_02ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

そうか…
やはり、こんな演技じゃないとオスカー取れないのね…

特別大きな盛り上がりも展開も感じないのに2時間40分近い長さに飽きることなく観れたのは、
何と言ってダニエル・デイ=ルイスに尽きるのではないかと思いました。
冒頭、金採掘現場で黙々と作業をするダニエルにはセリフが一切無く、怪我をしても誰の助けも借りない頼らない(信じない)
石油採掘に一攫千金を目指す者達の中、
極端なまでに人間不信であると感じられる鉱山労働者のダニエルは、
運と勘を味方にし富と権力を手に入れていく。

地元でカリスマ的で怪しげな(?)な宗教を布教しているイーライとのぶつかり合い。
山師と牧師という、全く違う立場でありながら、どこか似たもの同士はいつしか宿敵のようになる。
この二人の確執が物語の核となって、
ダニエルが唯一愛する息子、尋ねてきた腹違いの弟との関わり…
何か大きな事を成し遂げたいとする人間は、その欲望も成功も破滅も全て持ち合わせているものなのかと、人間の裏側の闇が現れていると思いました。
daniel_day_lewis6THERE WILL BE BLOOD

「人の嘘の部分を一目で見抜いてしまう」猜疑心の強いダニエル。
(見るからに)実態のない嘘っぽい教えを神の名で説教するイーライ。
二人がここぞの重要な場面で絡むのは、どんな立場でも野心や金で動く俗物なのか。
ダニエルの人となりを描きながら、この牧師イーライの存在はある意味鏡のようで不気味でした。

私は初め、石油の情報を教えにきたポールと名乗った男が(やっと名乗ったと思うのですが)
結局、イーライだったのかと思ったので(双子とは気付かなかった…)
彼が夕食で父親に対して狂気に振舞った態度で二重人格者なのかと感じていました。
ラストで、実兄ポールに…の件があり、その設定は間違いのようでした!
(深読み~汗)

女性云々は一切なく、大事業の為に生きた男の物語かな。
この時代、仕事や成功以外には余計なものは何もいらないない…みたいな。
その為には、背負う物がたくさんあって、罪も犯し…
無宗教のダニエルが持つ野心と、宗教の元で隠れ蓑のような野心家の牧師。
誰にも共感できないし、内容も魅力あるお話ではありませんでしたが、
ドキュメンタリータッチで、俳優の演技に圧倒されて観れた映画でした。
329715_01_03_02ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

オスカー受賞のダニエル・デイ・ルイスは、さすがの演技で素晴らしいですが、
個人的には「マイ・レフト・フット」「アメリカン・ギャングスター」の方が好きでした。

ポール・ダノ!
凄かったですね♪
彼は「テイキング・ライブス」で僅かだけどイーサン・ホークの青年期、サイコな怖さが印象深く、
「リトル・ミス・サンシャイン」でも変わり者だけど妹思いのお兄ちゃんを好演。
牧師なんて神聖であるはずなのに、境界線ギリギリ(超える)演技は彼の平凡な顔つきが更に恐怖でもありました。

音楽も効果的でした。
旋律ではなくて人間の鼓動や大地の響きみたいな効果音と言う感じでドキドキしました。
だからかエンドロールのバイオリンの協奏曲かな~とてもホッとすると言うか…
ラストのダニエルのセリフ「終わった」って感じがしました。

それぞれの場面でいくらでも良い方にと考えることはできますが、
女の私からは、せめてダニエルが本当に息子を愛していたと願いたい。

2008年 4/26日公開 アメリカ映画
監督 ポール・トーマス・アンダーソン

Comment

こんばんは♪
編集
オリーブリーさんも、やはりダニエルの
演技にひっぱられて飽きずにご覧になられた
ようですね^^私もです!

ポールの役ですが、実は私も双子って
かなり後でわかりました(笑)
双子だってことに意味あるのかしら?(^_^;)

マイレフト〜は未見です(^_^;)アメリカン〜の演技も
完全にレオを喰ってしまって、すごかったですよね(^_^;)

>女の私からは、せめてダニエルが本当に息子を愛していたと願いたい。

うんうん。女だから、子を持つ母親の身だから
(男の子もお互いにいるしね^^)私もダニエルは
息子を本当に愛していたと思いたいです(T^T)

2008年05月09日(Fri) 01:02
ひろちゃん★へ
編集
こんばんは〜!

これまた男性の映画って感じを受けたので、
「ノーカントリー」に続きいささか難解でしたが、
ダニエルさんの存在感は凄いですね!!
この長丁場な映画、殆ど出ずくめでしたでしょう…
野心の塊かと思えば息子も溺愛してると思うし、
腹の中ではアホか!ケッ!!と思いながらも(多分ね〜笑)三文芝居のように懺悔する。
この人の人となりを全て現した映画ではないかなあ〜と思いました。

>双子だってことに意味あるのかしら?

ですよね!
揃って出てこないし(^^;)
こんな怪しい牧師は、何か裏があるとずーと思ってたんで、深読みしすぎました…

「アメリカン・ギャングスター」のダニエルさんは最高でしたね!
レオ君は喰われっぱなしで付け合せみたかった(ごめんなさい)

「マイ・レフト・フット」は押し付けがましい感動作ではなく、ユーモアーも軽さもあり私は好きです。
時間があったら観てね!
2008年05月10日(Sat) 00:12
コメトラどうもでした
編集
奥さんが出てこなくて突然息子がいるんで、どうなってるのか不思議でしたけど、最後の伏線だったか?と納得でした。
最初見た後は「利用しただけ」なんてのは嘘で、離れていくのが悔しくて強がってるのかなと思ってました。
今思うと、手を汚してきた自分の息子じゃない方が幸せだと考えてたのかな?と。そんな気がします。
2008年05月10日(Sat) 01:57
ダニエルの
編集
息子への愛はあたしも願望を込めて
本物だったと思います。
まぁ解釈によるんでしょうが、
彼が裏切るというか自分の下を去ろうとしているのが
淋しかったのもあってあんな態度をとってしまったんじゃないかなぁ〜とね。
そして、それが全ての終わりのきっかけとなってしまったのかなぁ〜と。
2008年05月10日(Sat) 06:26
くまんちゅうさんへ
編集
こちらこそ、いつもありがとうです!

>奥さんが出てこなくて突然息子がいるんで

ダニエルは女性と無縁の人だったんですねぇ〜奥方なんていると、彼のようには生きられないかも(苦笑)

>手を汚してきた自分の息子じゃない方が幸せだと考えてたのかな

そうですね〜私もそう感じます。
自分の側にいて欲しい反面、自分の様にはなって欲しくない、愛しているからこその態度だったんでしょうね。
何だか不器用だけど、それが彼なんですね。
2008年05月12日(Mon) 11:51
miyuさんへ
編集
物語全体から感じるダニエルは、息子にだけは心を許してると見えましたものね。
久しぶりの再会やレストランでの光景は普通の親と同じだと思いました。

ダニエルみたいに無骨な親だと、子供は成長すれば段々と離れていくのかもしれないけど、
H.Wも彼を愛しているのには変わりないですよね。

私には濃厚な男の映画でしたぁ〜(笑)
2008年05月12日(Mon) 12:08
こんばんは
編集
オリーブリーさん、こんばんは!

>やはり、こんな演技じゃないとオスカー取れないのね…
ダニエル・デイ=ルイス、凄かったですね。
やはり賞を取るレベルとのは半端じゃないです。
でも彼と渡り合ったポール・ダノも良かったです。
ある意味いっちゃっているところなどはダニエルに負けない。
すごい演技バトルでした。

物語としてもこの二人は本質的には似た者同士。
だからこそ彼らは自分のイヤな部分を見せられているように敵対したのかもしれません。
2008年05月14日(Wed) 22:34
はらやんさんへ
編集
こんにちは。

先日ははらやんさんのお陰で、もやもやがスッキリできました!
ありがとうございました♪

>やはり賞を取るレベルとのは半端じゃないです。

痛感しました!
アカデミーって、女優さんには甘い印象がありますが(笑)
男性はこれぞ!!と殆ど思えますよね!
素晴らしかったです。
ジョニーもいつか…(*^_^*)

ポール・ダノは若手の期待株でしょうか!
「リトル・ミス〜」も良かったし、
「キング罪の王」も出番は少ないけど、真面目で危ない、怪しい?(笑)そんな演技は絶妙ですね。
ダニエルさんとやりあうんだもの〜素晴らしかったです。
2008年05月15日(Thu) 11:40
こちらにも・・・
編集
私もプレインビューは血のつながっていない息子でも本当に愛していたと信じていますよ〜。
いや〜、本当にダニエル・デイとポール・ダノの演技に圧倒された二時間半でした。
音楽と相まってかなりキツかったです。
やっぱりあそこまでやらないとオスカーは取れないのね〜。
今回ばかりはダニエル・デイ=布施明にはあまり見えなかったよ!(爆)
2008年06月06日(Fri) 21:35
ミチさんへ
編集
あっははは〜
ダニエル・デイって、布施明に似てますかっ(爆)
この方って、普段は凄くスマートな紳士ですね〜!
映画とはあまりにも印象が違うので、私、アカデミーの時に見直しました(汗)

ポール・ダノは凄かったです!
ダニエルと渡り合えるんだから今後も楽しみです。

やはり親としたらどんな事情でも子供は愛して育てたと思いたいです…
2008年06月10日(Tue) 17:30












非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
 『欲望と言う名の黒い血が 彼を《怪物》に変えていく…。』  コチラの「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」は、4/26公開となった欲望にとりつかれた人間の悲喜こもごもを描いたPG-12指定のヒューマン大河なのですが、観て来ちゃいましたぁ〜♪  NY、LAの批評家協会賞
2008年05月08日(Thu) 05:50
そこに“黒い血”が流れる―「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
富の誘惑と権力欲の行き着く果て。
2008年05月08日(Thu) 20:34
★ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007)★
THEREWILLBEBLOOD欲望と言う名の黒い血が彼を《怪物》に変えていく…。上映時間158分製作国アメリカ公開情報劇場公開(ディズニー)初公開年月2008/04/26ジャンルドラマ映倫PG-12【解説】「マグノリア」「パンチドランク・ラブ」のポール・トーマス・アンダーソン監督が名優...
2008年05月09日(Fri) 00:54
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(THERE WILL BE BLOOD)」映画感想
アカデミーでダニエル・デイ。ルイスが主演男優賞を受賞した作品。「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(原題 THERE WIL
2008年05月09日(Fri) 21:29
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 」追い求める間は悲しみを知らない
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 」★★★★オススメ ダニエル・デイ=ルイス 、ディロン・フレイジャー主演 ポール・トーマス・アンダーソン 監督、2007年、アメリカ、158分 一攫千金を夢見る主人公は ある青年から有用な情報を仕入れ 油田を掘り当てる。 ...
2008年05月11日(Sun) 20:00
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」 すべては自分の成功のために
主人公ダニエル・プレインヴューは劇中の中でこう語っています。 「自分は競争心が強
2008年05月11日(Sun) 20:23
「 ゼア・ウィル・ビー・ブラッド / THERE WILL BE BLOOD  (2008) 」
【ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 】2008年4月26日(土)公開 ...
2008年05月12日(Mon) 22:15
「ゼア・ウイル・ビー・ブラッド」
「There Will Be Blood」2007 USA 石油発掘に成功し、富を得た男の欲望と裏切りを描いた壮絶な人間ドラマ。 主演の“オイルマン”ダニエルに「マイ・レフトフット/1989」でオスカーをゲットし、「ギャング・オブ・ニューヨーク/2001」でも強烈な印象が残るダニエル
2008年05月12日(Mon) 23:58
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド・・・・・評価額1750円
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」というタイトルと、半分死神の様な主人公のポスターを見たとき、これはサスペンス映画なのだと勝手に思い...
2008年05月13日(Tue) 23:40
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド★ダニエル・ディ=ルイス
  ダニエル・デイ=ルイスの狂的な演技に、驚きと感動。 ? 若き日の作品での彼の印象は、わぁ〜ハンサムな俳優さんだと胸キュンしたことがあった。あれから随分時間が経って・・・・・。再びお顔を拝見したら、えらい年を喰ってしまい、それも驚きのひとつだった。私
2008年05月17日(Sat) 10:27
映画 【ゼア・ウィル・ビー・ブラッド】
映画館にて「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」 社会派作家アプトン・シンクレアの「石油!」(1927年)を『マグノリア』のポール・トーマス・アンダーソン監督が映画化。 おはなし:20世紀初頭のカリフォルニア。一攫千金を夢みる鉱山労働者のプレインビュー(ダニエル・...
2008年06月06日(Fri) 21:32
映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』を観て〜アカデミー賞受賞作品
47.ゼア・ウィル・ビー・ブラッド■原題:ThereWillBeBlood■製作年・国:2007年、アメリカ■上映時間:158分■字幕:松浦美奈■鑑賞日:5月10日、アミューズCQN(渋谷)■公式HP:ここをクリックしてください□監督・脚本・製作:ポール・トーマス・アンダ...
2008年07月19日(Sat) 21:21
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
    = 『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』  (2007) = 石油ブームに沸く、20世紀初頭のカリフォルニア。 山師のプレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)は、石油が沸く源泉があるという情報を耳にする。 幼い息子とともに、石油採掘事業に乗り出したプ...
2008年10月13日(Mon) 09:55
神頼みより安上がり
ポール・トーマス・アンダーソン監督作品の「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」を観た。 19世紀末、ゴールドラッシュに沸いたニューメキシコ州。ひとりの男が地面を掘っていた。男はひとりですべての作業をこなしていた。 ある日、坑道を墜落した男は、意識を取り戻してす...
2008年11月04日(Tue) 00:54
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』\'07・米
あらすじ石油ブームに沸く20世紀初頭のカリフォルニア。鉱山労働者のプレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)は石油が沸く源泉があるという情報を耳にする。息子(ディロン・フリーシャー)とともに石油採掘事業に乗り出すが・・・。感想石油屋VS宗教家勝つのはどっ...
2008年11月20日(Thu) 03:04
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』を観たぞ〜!
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』を観ました『マグノリア』『パンチドランク・ラブ』のポール・トーマス・アンダーソン監督の最高傑作との呼び声も高い、石油採掘によってアメリカン・ドリームをかなえた男の利権争いと血塗られた歴史を描いた社会派ドラマです>>『ゼア・...
2009年08月02日(Sun) 21:52