2008_02
13
(Wed)19:19

ブラック・スネーク・モーン



アメリカ南部の田舎町に暮らす初老の黒人ラザラス(サミュエル・L・ジャクソン)は、
実の弟に妻を寝取られた上に別れを宣告され、憤りを隠せない日々を送っている。

ある朝、道端で半裸のまま血だらけで倒れている若い女性レイ(クリスティーナ・リッチ)を見つける。
恋人ロニー(ジャスティン・ティンバーレイク)が軍隊に入隊して離れ離れになり、
誰とでも寝てしまうセックス依存症の彼女は、男に暴行され道端に捨てられたのだった。

街でレイの噂を聞いたラザラスは、彼女を更生させる事を決意。
なんと鎖で繋いで家に監禁する。

タイトルの「ブラック・スネーク・モーン」は、
ブルースマンのブラインド・レモン・ジェファーソンの名曲から。
幼少期の性的虐待が原因でセックス依存症になってしまった少女と、
妻に去られた孤独な男の心の交流を描いたヒューマンドラマ。
328152_01_01_02ブラック・スネーク・モーン

目を離すと男漁りの病が出るので、かなりな荒療法。
最初は悪態をついてるレイだが、
次第にラザラスの優しさと真の男の強さを感じるようになり心が通い始める。
ラザラスとレイには、それぞれに愛する人がいるのだけれど、
お互い“愛”に苦しんでいる。
全く異質な二人の心が通い合う様子は、父と娘のような関係でもあると思う。
blacksneakmoan1ブラック・スネーク・モーン

“不安や孤独を感じると欲情してしまう”こんな病気もあるんでしょう~
レイは少女の頃、母親のパートナーから、
性的虐待を受けていたことが深い傷と残っているのですが、
見て見ぬ振りをして守ってくれなかった母親の態度が、更に彼女を傷つけることになってしまったようです。
この母親というのが、レイを“あばずれ”と決め付け相当冷たく当たっていました。
母娘の関係を少しでも修復できれば、今まで言えなかった事もぶつけれたらと、
不器用ながら歩み寄ろうとするレイに、親として子供の気持ちを解かってやろうとか、
受け止めてやろうとかする気持ちがない!
もしかしたら母親も若い頃に無茶をしていて、自分を見るようで嫌だったのか…
kandou_03_ph02ブラック・スネーク・モーン

「ブラック・スネーク」は誰の心の中にもあり、そしてブルースは歌われる。
上手くいかない人生や傷ついた心、おかした過ちや絶望、悲しみ…
嵐の雷の中、ラザラスは魂の叫びのようにギター片手に歌います。
328152_01_03_02ブラック・スネーク・モーン

レイの恋人ロニーが、身体的(精神的)な事情で軍から帰されてきます。
この辺りから、少し展開が変わってきますが、
全編から更正した、させたという人間ドラマな部分はそんなに強く感じませんでした。
感動したとか、涙が出たとかもありません。
同じクレイグ・ブリュワー監督なら、
やはり音楽がテーマになってる「ハッスル&フロウ」は、物語の展開がしっかりしていたし、
主人公や周りの変化も伝わってウルッとなったのですが…

ラストはそれぞれが新しい幸せの一歩を踏み出したのですが、
ラザラスには落ち着いた人生が待っているように見える一方、
ロニーと共にするレイ…
この二人の先が何だか不安でいっぱいになってしまって。
ロニーが抱えていた心の悩みが何だったのか解らなかったので、
彼に「大丈夫よ」と優しくなだめるように歌を聞かせるレイが、
自分にも言い聞かせていただろう~そんな胸のうちが少し辛く感じてしまいました。
この二人は、果たしてこの先、大丈夫だろうか~

2007年 9/1公開 アメリカ映画
監督 クレイグ・ブリュワー

C.O.M.M.E.N.T

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック