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備忘録として更新します。コメントありがとうございました。

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医師の夫ジョン(アレック・ボールドウィン)と3人の子供に恵まれ、充実した日々を送る言語学者のアリス(ジュリアン・ムーア)は、50歳を迎えた頃から大学の講義中に言葉が出なくなったり、いつものジョギングルートがわからなくなるなど、物忘れが頻繁に起こるようになる。
やがて若年性アルツハイマー病と診断され、しかも遺伝性であったため、子どもたちにも発症リスクを伴うものだった。
病は徐々に進行し、日々記憶が失われる中で、アリスは懸命に自分の運命と戦っていく。


リサ・ジェノヴァの「静かなるアリス」を基に、若年性アルツハイマー病と診断された女性の苦悩と葛藤、家族の絆を描く人間ドラマ。
ジュリアン・ムーアは第87回アカデミー賞主演女優賞を受賞。
ALS(筋委縮性側索硬化症)を患ったリチャード・グラツァー監督は、アカデミー賞受賞式から3週間後に亡くなり遺作となった。

2015年 6/27公開 アメリカ映画
監督 リチャード・グラツァー  ワッシュ・ウェストモアランド
{★★★★4/5}
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5度目のノミネートで悲願のオスカーを手にしたジュリアン・ムーアは、同時に史上初の世界主要6大映画祭主演女優賞制覇という快挙を成し遂げました。
チャーミングだった「妹の恋人」、脱ぎっぷりにビックリさせられた「ブギー・ナイツ」、「フォーガットン」辺りからどうしたんだろう?と思ったけれど、「シングルマン」以後、メインもサブも印象に残る作品が多く、若年性アルツハイマーのアリスを演じきった今作での受賞は納得。
良い時と悪い時を繰り返しながら、段階おって少しづつ機能を失っていくジュリアン・ムーアのお芝居がとにかく繊細で、自分の異変を早い段階から察知し、どんなことに見舞われようとも、自分らしくあろうとする聡明な想いや覚悟が強く伝わってくる。
全体映像はアリス焦点となっているけど、彼女の視点の先はぼんやりと定まらない光景だったり、時間軸が曖昧だったりと、若年性アルツハイマーの怖さを同じように体感させられるようだった。
“じっとして動かないStill”と“今までどおりのStill”、両方をかけた原題「Still Alice」の意味が身に染みてくる。
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同年代としてはもしも自分が、、、と置き換えて共感できる場面はたくさんあり、普通に感動はできるけれど、全体的に家族関係がわりと淡白に進んでいって、若年性アルツハイマーに対して受け止め方が冷静だったのはちょっと意外だった。
立場や名誉があり知性を重んじてきた言語学の教授には、相当キツイ状況だと思うし、知らなかったとは言え、遺伝性が高いって母親としても二重苦でしょう。
長男は陰性だったけれど、長女アナ(ケイト・ボスワース)は陽性反応が出て、これから人工授精しようと(した?)するのに、いずれ自分も母と同じように発病し、子供にも遺伝する可能性があるなんて、このどうしようもない事で家族のひと悶着でもあるのかと思ったけれど(ケイト・ボスワースだし)、何事もなかったかのように、アナは遺伝子操作?したとかするとかで双子を妊娠出産。
アナが置かれた現状だけでも別の深い映画になりそうなのに、アリスの病気が及ぼす家族心理が、さらりと美化されたような描き方だったのは残念。
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夫は妻を愛していて介護も当然と思ってはいるけれど、経済的な役割やおそらく年齢的にも最後のキャリアアップのため、遺伝子検査を拒否した次女のリディア(クリスティン・シュチュワート)にアリスを託し転任する。
身近で変化を見ていくのは誰よりも辛いでしょうが、ジョンは決して逃げ出したわけではないと思うし、アリスの発病を思うと尚更、彼も自分らしくあるためにその選択は間違いではないと思えた。
難病で重いとか涙すると言うより、介護に関わる家族の在り方や患者に対する理解、遺伝子検査や尊厳死など、色々と考えさせられた。
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病気に限らず、人は辛さを味わった時、そんな中でも幸いと思えることを探す。
言葉を忘れ、記憶を失い、家族と他人の区別がつかず、自分自身が何者か、これまで培ってきたものも忘れてしまう。
アリスが海辺で姉と過ごした夏の記憶だけでも無くならないことを願いたい。 
2015.06.28 / Top↑
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