ある過去の行方
2014, 05. 03 (Sat) 16:24
4年前に別居した妻マリー(ベレニス・ベジョ)と離婚手続きをするため、イランから彼女のいるパリへと飛んだアーマド(アリ・モサファ)。
かつて妻子と日々を過ごした家を訪れると、マリーは子連れの男サミール(タハール・ラヒム)と一緒に暮らしていた。
再婚すると聞かされたアーマドだったが、彼らの間に漂う異様な空気を感じ取る。
そんな中、マリーと確執のある長女のリュシー(ポリーヌ・ビュルレ)からある告白を聞かされ…。
子連れ再婚しようとする男女が、ある告白を機にそれぞれが抱えていた問題を知ることになる人間ドラマ。
2014年 4/19公開 フランス/イタリア映画
監督 アスガー・ファルハディ

「彼女が消えた浜辺」「別離」のアスガー・ファルハーディー監督最新作は、パリが舞台の人間ドラマ。
この監督、人間のエゴというものを描くのが一流のようで、今作でも登場人物それぞれの葛藤をドロドロと見せ付けられた。
年齢や性別、環境、考え方と、見る人によって好き嫌いが分かれると思うし、正直、私は好きではない作品だったけど、二転三転するストーリー構成や役者のお芝居は自然、何気ない日常の様子がリアリティーで、これも「8月の家族たち」と同じように、完成度の高いドラマなんだろうと思う。

監督独特の手法になるのか、場面場面が唐突に変わるから、「別離」のように、その間に“何か重要な出来事”があるのかもしれないと気が置けず(今作は特にそのようなことはなかったが)、また人物相関図がなかなか見えてこない複雑さから、淡々とした物語が少しずつ明らかになるにつれ、このマリーという女に虫唾が走った(一番キライなタイプ!)
長女と次女も父親が違うのか?今また3人目?4人目の男と不倫の果て妊娠中という(しかも奥さんは植物人間)って、全ての醜悪の根源はオマエさんでしょうって感じ。
血のつながりはなくても、子供はアーマドが引き取れば良いと思った。
あと、タイトルの過去という表現から、マリーとアーマド、子供達からの何かを連想してしまうのに、結局、彼らが主軸ではなかったのではないかという(特に関係性に変化がなかった)、何となくズレてると言うのか、違うような気がしました。
ラストシーンは上手いと思いましたけどねぇ、、、。
コメント
mig
こんばんは、
結局のところ、マリーという自分勝手ではらのたつ女の一部始終みたいな話でしたよね
怒
この監督前作が良かったから期待し過ぎちゃった。
「8月の家族たち」オリーブリーさんはダメでした?私あっちは好きです。ハッピーエンドじゃないところがね。
にゃむばなな
こんばんわ
そうそう、このマリーって女が全ての元凶。
なのに肝心要の「過去」はこの元凶は無関係。
ありゃりゃ~って思うしかなかったですよ。
rose_chocolat
ブレる
そうそう。
主軸が違ってきてましたね。
え、それでいいの?? みたいな。新しい映画の手法かも知れんですが。
オリーブリー
migさんへ
こんにちは~お返事が遅れてごめんなさい。
「8月の家族たち」ダメではなかったですよ。
ただちょっとだけ、メリルとジュリアの芝居がヒートアップしてきて、多少疲れました(笑)
そうなんですよね、前の作品が良かったから、それだけ興味をそそられたのに、なーんだこれ?とか思っちゃった。
でもこの監督、女を嫌な感じに描きますよね~「彼女が消えた浜辺」も集まった主婦たちって、何かヘンな人ばかりでしたもんね(苦笑)
オリーブリー
にゃむばななさんへ
こんにちは。
タイトルの「過去」って、つい最近の出来事だったんですね~まあ過ぎてしまえば過去ではありますけど、受ける印象としては過去というにはまだ早いわ。
マリーの人生がどんなだったかは想像できるけど、その懲りなさを見ただけなのかもしれません(苦笑)
オリーブリー
rose_chocolatさんへ
こんにちは。
なるほど、新しい手法ね(爆)
こうなるのなら、群像劇っぽく、奥さんからも描いて欲しかったかも。
latifa
あぢいー!
オリーブリーさん、こんにちは。
そーなんだよね、主人公のマリーが、嫌なヤツだから、どうも物語に浸れなったわ。
もうちょっと、救いのある女子だったらね・・。
でも、シナリオ作る時に、そのへんは考えなかったのかね? 何かプライベートで、監督に似たような事件とか、あったんかな?(^^ゞ
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