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備忘録として更新します。コメントありがとうございました。

小さいおうち11

大伯母・布宮タキ(倍賞千恵子)が亡くなり、晩年つづっていた自叙伝を託された大学生の健史(妻夫木聡)は、若かりしタキの秘密を知ることになる。

昭和初期。
山形から東京に出てきたタキ(黒木華)は、赤い三角屋根のモダンな屋敷を構える平井家の女中として働くことになった。
玩具会社の重役である主人の雅樹(片岡孝太郎)と妻の時子(松たか子)は、一人息子と穏やかに暮らしていた。
心温かい平井家のため、日々の女中仕事に精を出すタキだったが、ある日、雅樹の部下である板倉(吉岡秀隆)という青年が現れ、次第に変化していく時子の様子が気になり始める。


第143回直木賞を受賞した中島京子の小説を映画化。
女中奉公した女性が、家族の日常と秘めた想いを綴る。

2014年 1/25公開 日本映画
監督 山田洋次
身近だから伝わること{★★★㊤3/5}

いつものように原作未読なので、“封印された秘密”“ミステリアスな物語”という文句に、「昭和初期版、家政婦は見た!」を連想しましたが、奥深い人間模様の古典的な作品でした。
女中奉公した平井家での出来事が、自叙伝というタキの主観で回想され、許されざる恋物語を中心に、長年タキが心に秘めていた想いが紐解かれていくお話。
切り口の違う太平洋戦争が描かれていたのも興味深かったです。
小さいおうち12
雅樹や会社の社長(ラサール石井)は、東京オリンピックの開催や南京の陥落で、市場が広がる、物が売れると経済効果に関心が強く、妻たちは、南京陥落で百貨店の戦勝セールに繰り出し、お受験にも熱心で、人間の暮らしぶりは今とあまり変わりがない。(基本、より良く暮らしたいというベースと向かう視点は変わらないんだと思う)
「開戦になったら、バターたっぷりのビフテキを食べるアメリカ人には勝てない」と大半が思っていたのだろうが、日本軍が真珠湾を攻撃し、戦勝ムードで満ち溢れる空気に、タキは「新しい時代が始まる」と興奮したと話す。

戦後教育を受けた健史の歴史観とは異なり、コンサートに出かけ、資生堂でお茶を飲み、国民がごく普通に暮らしていたタキの回想には悲壮感がない。
少々浮世離れしている時子さんは、時局に無関心のようで、生活の危機感が薄く呑気なようでしたが、それは私たちが歴史の悲惨な結末を知っているから思うことであり、当時の一般市民は、ささやかな日常を普通に暮らしていただけなんだなーと思うと同時に、その小さな世界に触れることは、大きな戦争という世界と同じように歴史の事実として重要なんだと感じました。
小さいおうち18
タキの秘密は、「つぐない」のようで、回想はいくらか美化されているのだろうと推測します。
時子の友人睦子(中嶋朋子)の存在があったので、そちら方面も考えてしまいますが、やはりタキに取って、憧れのような時子と大切な小さいおうちが、時子の不倫で壊れてはならないという想いが一番大きかったのではないかと。
それにしても、周りの人間を魅了してしまう時子奥様って、スゴイわ(笑)
小さいおうち10
立場もタイプも違う2人の女性を魅力的に演じた松たか子と黒木華に尽きますね。
上品であっさりとしたお色気の松たか子は、女から見ても絶品です。
着物姿の所作が身体に染み付いているのでしょうねー艶やかさはさすがなものです。
階段を上がる足首、一本独鈷の帯を逆にして帰宅した時のかすかな高揚感、あー、そうなっちゃったのね、、、を連想させられ、タキの目線やスルスル帯をとく音やカメラのアングルが絶妙。
モロその場を見せるよりエロチックです。
余談ですが、足が隠れる着物でも、あの足袋のお陰で、太い足は酷なものなのです…。
相手はちょっとミスキャストではなかろうか、、、これじゃまんま茶川竜之介だったし(苦笑)

純粋で懸命な黒木華にも別のお色気があって、この直向さに心打たれます。
本田ジェーンとは真逆(笑)温かみが伝わりました。
タキさん、それで良かったのよ、、、と声をかけてあげたくなった。

*もしも戦争が起きなかったら、小さいおうちはもっと悲惨な結果だったのかも。
*健史と毒舌でユーモアあるタキのやりとりが面白い。
*時間が長いわりには、ラストが足早で残念だった。
*タキの部屋にあった小さいおうちの絵は、もしかしたら帰還した板倉から貰ったのだろうか。
*「酷い時代だった」とは、後から思うことですが、出来る事は同じ思いを繰り返さないこと。
でもこれが何気ないことでも結構難しい。

イオンシネマ・フリーパス6本目。
2014.01.27 / Top↑
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