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第83回アカデミー賞 

2011, 02. 28 (Mon) 14:06




最多12部門でノミネートされた「英国王のスピーチ」が4部門で受賞。
「ソーシャル・ネットワーク」は 8部門中、3部門での受賞。
「英国王のスピーチ」と 「ソーシャル・ネットワーク」の一騎打ちでしたが、「英国王のスピーチ」が作品、監督、主演男優と主要部門での受賞をさらう結果となりました。

時代も背景も対照的な2作品でしたが、米映画評論家のオズボーン氏は、「“ソーシャル・ネットワーク”は今に直結しているから共感を呼ぶが、時がたてば時代遅れになる日がくる。“英国王のスピーチ”は、誰もがある種のハンディを背負い、実力を試される瞬間はある。だから時代に左右されず共感できる息の長い作品となるでしょう」と言われていました。
仰る通りと思いますが、個人的には時の経過で時代遅れになったとしても、その時を印象付けるものならアカデミー賞の価値があると思います。
「英国王のスピーチ」と並び、4部門での受賞となった「インセプション」ですが、こうなるとノーランが監督賞に名を連ねなかったことが惜しまれます。


結果は「英国王のスピーチ」でした。
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WOWOW生放送で、映画プロデューサーの一瀬さんは、「冒険的な映画を応援したいので、今回は全体的に淡白で保守的であった」。
映画ジャーナリストの中島さんは、「大衆賞のような印象。アカデミー賞は映画関係の人が選ぶのだから、制作の裏側や演技の内容をもっと見極めて欲しい」とのご意見でした。

サプライズだったのは監督賞かな。
平均年齢が若返った今回は、1972年生まれ38歳のトム・フーパーにオスカーが。 
私はデヴィッド・フィンチャーだと予想していたので、ちょっとビックリしました。
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オズボーン氏は、監督賞も全米監督組合賞を受賞したトム・フーパーが有力と言われていましたが、中島さんは「分かりやすい映画を作ったトム・フーパーの英国王は、観た後に深く会話がないけれど、ソーシャルは、あれはどうだ、これはどうだと会話したくなる」
一瀬さんは、「脚本と俳優は素晴らしいが、フラットな演出で監督賞はないと思っていた」と、お二人ともフィンチャー支持だったようでガッカリと仰ってました(笑)
また「監督賞は演出的な技術を問われるものであって、単に作品が良いからというものではない」
「英国王のように感情を出す映画は作りやすい。コンピューターを通してしか感情を表現できない若者がたくさん増えているのを見事に描いていたソーシャルは、感情を出さずに感情を感じさせてくれる感動があるから凄い」
「アメリカ映画の凄いところは、冒険して観客を切り開いていくところ。保守的になるのは怖い」
「フィンチャーは感情を押し付けず、距離を置いた作り方をする。だから一般ウケしないのはあるかも知れないが、アカデミー会員なのだから、一般受けとは違うのを選んで欲しい」とのご意見も。
なかなかの辛口で気持ちが良かったです(爆)
役者さんも若手とベテランと対照的、共通している会話劇も、全くタイプの違うものでした。
ロイヤルものに弱いハリウッドが、素直に反応したのでしょうか(笑)
どちらが良かったのか、こちらも好みで分かれる2作品となったようですね。

作品賞があまりにも高尚であったり、何を言いたいのか、それこそ一般人には分からないものが多いと、敷居が高くてアカデミーが遠い作品のように思えるのですが、一般ウケを狙うと今度は保守的にもなってしまうとは、様々なご意見がありますね。
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助演男優賞「ザ・ファイター」 クリスチャン・ベイル
主演女優賞「ブラック・スワン」 ナタリー・ポートマン
助演女優賞「ザ・ファイター」メリッサ・レオ
主演男優賞「英国王のスピーチ」コリン・ファース

Academy Award68

メリッサ・レオ、自費投入したFYC広告が批判の対象か…の不安材料を跳ね除け、見事に受賞。
2年前の「フローズン・リバー」も見事な演技だったので、実力証明かな。
「ケイト・Wは、ク●楽勝にスピーチしてたのに、、、しまった!!」とFワードを発し、その後、受賞したベイルに「僕はF言わないよ」と(笑)
「ザ・ファイター」楽しみです
Academy Award10

「レオン」のマチルダもママに。
妊婦さんのナタリーは「ブラック・スワン」のプリマ役で受賞。
去年の主演男優賞、ジェフ・ブリッジスからオスカーを。

新しい王室映画の顔となったコリン・ファース(笑)
素晴らしいお芝居を魅せてくれて、ありがとう
「キャリアのピークを終えた」なんて言わないで、素敵な作品を期待しています
オスカーは去年の主演女優、サンドラ・ブロックから素敵なエピソードを添えて


今回、若い司会のお二人。
このカップル、何か楽しませてくれると凄く期待していたのですが、正直、ガッカリしました。
何となく覇気がないフランコと、頑張っているけど、衣装替えばかりのアン(苦笑)
オープニングのフィルムは楽しいものでしたが、後が全く続かない
二人の息が合ってない感じ。
授賞式全体通して、盛り上がるパフォーマンスもなく、淡々と進むだけ。
笑いも皮肉もジョークも薄くて、会場も心持ち静かな印象でした。
エンターテイメントのイベントとしたら、去年より詰まらなかったです。
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21世紀も10年経ち、今年は節目として折り返しの意味でも新しいアカデミーを意識したようです。
若い世代にも興味の幅を広げてもらえるように、そして同時に過去の作品や俳優さん、偉大な功績を称えるショーでもあったそうです。
せっかく若い二人をホストにしたのに、物足りなさはあるのですが、そんな意味でしっとりとしたかったのかな。
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さて、プレゼンターの俳優さんたち


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ホームズとワトソン
この二人の会話、ロバートの逮捕時の事?(苦笑)

Academy Award97
「外国語映画賞」のプレゼンター、コメディアンのラッセル・ブランドとヘレン・ミレン。
フランス語でノミネート作品を称えるヘレンの通訳をするラッセルは、
ラップ調で「オスカー取った私の女王の方が、コリンの国王よりリアルだわ」と言ってますと笑わす。
Academy Award6
何だ、この「ノーカントリー」コンビ(笑)
ハビちゃんとジョシュ・ブローリン

Academy Award15
オーストラリアの美男美女
ヒュー・ジャックマン&ニコール・キッドマン

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MVPプレゼンター(笑)
カーク・ダグラス、94歳
ご健在ぶりも喜ばしいですが、
ホストの二人、会場の俳優、助演女優たち相手に、
このお歳でもウィットに富んで、楽しくて素敵な紳士。
笑わせて頂きました



オスカー受賞のみなさま、おめでとうございます

第83回アカデミー賞受賞結果 

2011, 02. 28 (Mon) 09:16

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*作品賞

ブラック・スワン
ザ・ファイター
インセプション
キッズ・オールライト
英国王のスピーチ
127 Hours
ソーシャル・ネットワーク
トイ・ストーリー3
トゥルー・グリット
Winter's Bone


*監督賞

ダーレン・アロノフスキー(ブラック・スワン)
デヴィッド・O・ラッセル(ザ・ファイター)
トム・フーパー(英国王のスピーチ)
デヴィッド・フィンチャー(ソーシャル・ネットワーク)
ジョエル&イーサン・コーエン(トゥルー・グリット)


*主演男優賞

ハヴィエル・バルデム(Biutiful ビューティフル)
ジェフ・ブリッジス(トゥルー・グリット)
ジェシー・アイゼンバーグ(ソーシャル・ネットワーク)
ジェームズ・フランコ(127 Hours)
コリン・ファース(英国王のスピーチ)


*主演女優賞

アネット・ベニング(キッズ・オールライト)
ニコール・キッドマン(Rabbit Hole)
ジェニファー・ローレンス(Winter's Bone)
ナタリー・ポートマン(ブラック・スワン)
ミシェル・ウィリアムス(ブルーバレンタイン)


*助演女優賞

エイミー・アダムス(ザ・ファイター)
ヘレナ・ボナム=カーター(英国王のスピーチ)
メリッサ・レオ(ザ・ファイター)
ヘイリー・ステインフェルド(トゥルー・グリット)
ジャッキー・ウィーヴァー(Animal Kingdom)


*助演男優賞

クリスチャン・ベイル(The Fighter)
ジェレミー・レナー(ザ・タウン)
ジョン・ホークス(Winter's Bone)
マーク・ラファロ(キッズ・オールライト)
ジェフリー・ラッシュ(英国王のスピーチ)


*外国語映画賞

Biutiful ビューティフル(メキシコ)
Dogtooth(ギリシャ)
In a Better World(デンマーク)
Incendies(カナダ)
Outside the Law(アルジェリア)


*長編アニメ賞 

イリュージョニスト
トイ・ストーリー3
ヒックとドラゴン


*脚本賞

スコット・シルバー、ポール・タマシー、エリック・ジョンソン(ザ・ファイター)
クリストファー・ノーラン(インセプション)
リサ・チョロデンコ、スチュアート・ブルームバーグ(キッズ・オールライト)
デヴィッド・サイドラー(英国王のスピーチ)
マイク・リー(Another Year)


*脚色賞

アーロン・ソーキン(ソーシャル・ネットワーク)
マイケル・アーント(トイ・ストーリー3)
デブラ・グラニク、アン・ロッセリーニ(Winter's Bone)
ジョエル&イーサン・コーエン(トゥルー・グリット)
サイモン・ビューフォイ、ダニー・ボイル(127時間)


*撮影賞

ロジャー・ディーキンス(トゥルー・グリット)
マシュー・リバティーク(ブラック・スワン)
ウォーリー・フィスター(インセプション)
ジェフ・クローネンウェス(ソーシャル・ネットワーク)
ダニー・コーエン(英国王のスピーチ)


*編集賞

アンドリュー・ワイスブラム(ブラック・スワン)
アンガス・ウォール、カーク・バクスター(ソーシャル・ネットワーク)
タリク・アンウォー(英国王のスピーチ)
パメラ・マーティン(ザ・ファイター)
ジョン・ハリス(127時間)


*美術賞

ガイ・ヘンドリックス・ディアス(インセプション)
ロバート・ストロンバーグ(アリス・イン・ワンダーランド)
スチュアート・クレイグ(ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1)
イヴ・スチュワート(英国王のスピーチ)
ジェス・ゴンコール(トゥルー・グリット)


*衣装デザイン賞

ジェニー・ビーヴァン(英国王のスピーチ)
コリーン・アトウッド(アリス・イン・ワンダーランド)
メアリー・ゾフレス(トゥルー・グリット)
サンディ・パウエル(The Tempest)
アントネッラ・キャラロッツィ(I Am Love)


*作曲賞

トレント・レズナー、アティカス・ロス(ソーシャル・ネットワーク)
ハンス・ジマー(インセプション)
アレクサンドル・デスプラ(英国王のスピーチ)
A・R・ラフマーン(127時間)
ジョン・パウエル(ヒックとドラゴン)


*歌曲賞

"Coming Home"(Country Strong)
"If I Rise" (127時間)
"We Belong Together" (トイ・ストーリー3)
"I See the Light"(塔の上のラプンツェル)


*メーキャップ賞

The Way Back
Barney's Version
ウルフマン


*録音賞

インセプション
英国王のスピーチ
ソルト
ソーシャル・ネットワーク
トゥルー・グリット


*音響編集賞

インセプション
トイ・ストーリー3
トロン:レガシー
トゥルー・グリット
アンストッパブル

*視覚効果賞

アリス・イン・ワンダーランド
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 1
ヒア アフター
インセプション
アイアンマン2

*短編アニメーション映画賞

デイ&ナイト
The Gruffalo
Let's Pollute
The Lost Thing
マダガスカル 旅の日記


*長編ドキュメンタリー映画賞

Exit through the Gift Shop(監督:バンクシー)
Inside Job(監督:チャールズ・ファーガソン)
レストレポ アフガニスタンで戦う兵士たちの記録(監督:セバスチャン・ユンガー、ティム・ヘザリントン)
GasLand(監督:ジョシュ・フォックス)
ヴィック・ムニーズ ごみアートの奇跡(ルーシー・ウォーカー)


*短編ドキュメンタリー映画賞

Killing in the Name
Poster Girl
Strangers No More Sun Come Up
The Warriors of Qiugang


*短編実写映画賞

The Confession
The Crush
God of Love Na Wewe
Wish 143