あぁ、結婚生活
2010, 03. 31 (Wed) 11:20

1940年代のアメリカ。
ハリー(クリス・クーパー)は、親友でプレイボーイのリチャード(ピアース・ブロスナン)に、若くて美しいケイ(レイチェル・マクアダムス)を紹介する。
長年連れ添った妻パット(パトリシア・クラークソン)との穏やかな生活を捨て、戦争未亡人のケイと再婚を考えているが、妻を傷つけたくないハリーは、なかなか離婚を切り出せない。
離婚を切り出せない夫が、若い愛人と結婚するために妻の毒殺を計画するが…。
きつねとたぬきの騙しあいのよう(WOWOWで)
複雑に絡み合う男女の思惑が面白かったです♪
真面目だけが取り得のハリーが、離婚を切り出すことで妻が傷つくのなら、いっそ毒殺してしまおうと言う短絡的な計画がどこか滑稽です。
一つ間違えば泥沼劇になるようなテーマは、ゆったりとした40年代の雰囲気の中にブラックでシュールな大人の事情を絡めサスペンスタッチの恋愛ドラマに仕上がっています。
俳優さんたちも安定した演技で、
ドタバタしたりヒステリックになったりせず、時に優雅さを感じさせられるようでした(笑)
登場人物はそれぞれ相手の事を思いやっているようで、実は自分の都合しか考えていない。
ケイが寂しがると困るから相手をしてあげて欲しいとハリーから頼まれたリチャードも、そりゃそうなるわ(苦笑)
でも決して自分勝手だけでもないんですよね~。
それぞれがそれぞれの事情を何となく察知できていると言うのか…
ここに夫婦の不思議さや大人同士の暗黙の了解みたいなのがあるようですね。
何ごともなかったかのようなラストシーンは、表と裏の顔を使い分けれる大人の集まりでした(笑)
でも夫婦って面白いです。
愛だの恋だのはモチロンいつまでも継続して欲しいですが、長年連れ添うとそれは次第に情に変わり、上手くやるために寛容と図太さが求められてくる(苦笑)
それはいつの間にか自然と身に付いて来てるのでしょうか。
年齢を重ねると対立したり争うエネルギーさえ失って、たとえ見て見ぬ振りしても穏やかに暮らすことが一番と考えている人(私だけ?~笑)には、どこかしら共感できる作品と思います。
2008年 9/13公開 アメリカ映画
監督 アイラ・サックス
2010, 03. 30 (Tue) 01:56

スティーヴ・カレル&アン・ハサウェイのコミカル・スパイ・アクション「ゲットスマート」のスピンオフ作品。
作品でも良い味出していたブルースとロイドのお話。
ゆるーい笑いがツボれば楽しいと思います♪
*「ライラにお手あげ」(普通㊤←女優の頑張りに)

72年のコメディ「ふたり自身」をベン・スティラー主演でリメイク。
「あなたは私の婿になる」「ウォッチメン」「幸せになるための27のドレス」のマリン・アッカーマンが、ベン以上の怪演(?~笑)
ミシェル・モナハンとラストにデスパレートな妻のあの人も。
*「ベイビー・ママ」(普通)

30代キャリアウーマンが、とんでもない女性に代理出産を頼んでしまったことから巻き起こるドタバタ・コメディ。 メインの女優さんは初見でしたが、シガーニー・ウィーヴァー、グレッグ・キニアが出演。
*「ヘルボーイ」
*「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」(面白い)

アクションとコメディかつドラマチック…好きです!こんな映画!
「パンズ・ラビリンス」ギレルモ・デル・トロ監督がアメコミを映画化。
*「奇術師フーディニー ~妖しき幻想~ 」(普通)

イリュージョンは無いに等しい。
「つぐない」「ラブリーボーン」のシアーシャ・ローナンとキャサリン・ゼタ=ジョーンズが母娘。
ガイ・ピアース、ティモシー・スポールと、キャストでそれなりに観れると思います。
*「ザ・クリーナー/消された殺人」(普通㊦)

殺人現場の清掃請負業を営む元刑事トムが、ある邸宅の殺人現場のクリーニングから陰謀に巻き混まれていく。
前半はミステリアスで清掃業の仕事振りにも目を見張るけど、動機も黒幕もキャストで先の察しがついてしまう…残念(汗)
サミュエル・L・ジャクソン エド・ハリス エバ・メンデス。
*「恋愛上手になるために」(普通㊦)

全てに生きずまった男が、夢と現実世界に逃れるファンタスティック・ラブストーリー。
この混乱(?)分かりません~邦題からはもっとラブコメかと思ってた(苦笑)
まったりと退屈…妖艶なペネロペと現実的なグウィネスお二人は美しい。
私がクマにキレた理由
2010, 03. 29 (Mon) 15:21

大学で人類学を専攻していたアニー(スカーレット・ヨハンソン)は、自分はどんな人物で何がしたいのか、進路に悩んでいた。
ある日、ミセスX(ローラ・リニー)というアッパーイーストサイドの奥様と出会い、とりあえず、彼女の一人息子グレイヤーのナニーとして働く事を決める。
ベビーシッターの目から見た上流家庭の実態をリアルに描き、アメリカの女性から支持されたベストセラー小説を映画化。
成長物語としては中途半端(WOWOWで)
お金持ちの家のナニーと言う職業を通して自分探しをする物語。
X家の夫婦(ローラ・リニー&ポール・ジアマッティ)、
やんちゃなグレイヤー、
同じ建物の住居人でお金持ちのハーバード大生(クリス・エヴァンス)、
アニーに期待をかける母など、いろんな人といろんな事が起こるのですが、どれもこれもぼやけた感じでした。
多分、アニー自身が何をどうして良いのか定まらず、目先の事に流されるままな感情のようなので、そのぼんやりした空気感が狙いだったのかも知れません。
スカーレット・ヨハンソン、小悪魔女優って呼ばれてるの?(笑)
あまり魅力が引き出せてない、似合わない役柄でした。
その代わりローラ・リニーがアッパーイーストサイドのお金持ち夫人にバチっと嵌ってました!
高級ブランドの着こなしも上品で、プライドが高くて傲慢な中にも、夫と上手くやれないにもどかしさなど上手!
初めてローラ・リニーが綺麗と思いました(笑)
子供に無関心なミセスXのインパクトがとにかく強いので、ナニーを通して家族がどうあるべきかを描く映画の方が面白かったかも。
2008年 10/11公開
監督 シャリ・スプリンガー・バーマン
マイレージ、マイライフ
2010, 03. 25 (Thu) 12:38

年間322日間出張している“リストラ宣告人”ライアン・ビンガム(ジョージ・クルーニー)の目標は、マイレージを1000万マイル貯めること。
彼の人生哲学は、バックパックに入らない荷物はいっさい背負わないこと。
ある日、ライアンは自分と同じように出張で各地を飛び回っているアレックス(ヴェラ・ファーミガ)と出会い、意気投合するが……。
ウォルター・キルンの同名小説を基に、
リストラ担当の男の人生から、現代人を取り巻く様々な問題を描き出すハートフル・ヒューマン・ストーリー。
地に足がつかない分だけ貯まったマイレージ{★★★★4/5}
年代を選ぶかとも思いますが、この映画、私は好きです。
ジョージ・クルーニーはハリウッドでも常に注目の俳優で、ロマンスグレーと言ったら、まだ50歳前なので失礼かも知れませんが、ゴージャスでユーモラスで品があってハイソなおじさまなイメージ♪
これまでの作品で、自分的には“これ”と思えるのがなかったのが正直なところです。
が、これは今まで観た中でも一番良かったのではないかな~好みだわ~と思える作品でした。
内容は現代社会が抱える深刻な社会問題だと思いますが、そこを堀り下げずシュールにコミカルに、言わんとするものは明白に描かれていました。
あらすじはこんな感じ。
敏腕リストラ宣告人のライアンは、年間のほとんどをかけてアメリカ中の空を飛び回る。
深い人間関係を避け、自由な人生を楽しむ独身主義者。
たまに帰る自宅アパートには生活の匂いは一切なく、必要な用品はキャリーバッグの中。
食事も出るしお酒もある飛行機の中が、彼にとっては快適なホームのよう。
リストラ宣告など人から敬遠されそうな非情な仕事をそつなくこなし、マイレージを1000万マイル貯める目標で軽く生きるライアンは、キャリアウーマンのアレックスに出会い、似た者同士で意気投合。
知的でセクシーなアレックスは、特別何も求めず2人の時間を優しく心地よく包み込んでくれる。
会社では、リストラ宣告をネットですれば経費削減できると提案する新入社員ナタリー(アナ・ケンドリック)に、
今時のネット依存を否定する反面、解雇宣告人の自分がこの先もしや切られるかもしれない?そんな危機感よりも、出張がなくなったら居場所とマイルを失う…そちらの方が心配なご様子…。
直接相手と面談し語りかける大切さを説くと、案を受け入れようとするオーナー、クレイグ・グレゴリー(ジェイソン・ベイトマン)の命令で、ナタリーを連れて現場研修をすることになる。
タイプの違う女性2人の出現が、ライアンに変化をもたらすことになり――。

上司の変わりに従業員に解雇を告げる職業が本当にあるのかどうか知らないけれど、それにしても初対面の人間にクビを言い渡されるのはなんだか悲しい。
でもこの映画は、リストラする企業やそれを取り巻く社会情勢をつつくのではなく、勧告された人たちの吐露を描写すると同時に、そういう状況に疑問を持たない人物(ライアン側)を描きながら、少しずつ己の人生観に対する心境の変化を描いています。
自分はリストラ勧告のスペシャリストで、テクニックさえあれば、逆に彼らの肩の荷を降ろしてあげてると思っているライアンは、年中飛行機を乗りまわした結果、得てきた要領の良さとあちらこちらでワンランク上のサービスを受けて優越感に浸り、空港やホテルで無駄な動きはせず、完璧かつスマートな行動に満足していた。
新人らしく意欲に燃えてるナタリーとの温度差、割り切った大人の関係のアレックス、疎遠な家族の結婚式がきっかけで、ライアンは次第に自分の人生を見つめ直すことになり、
人に向けた自分の言葉で、はたと気づいたり、時折、どこか純粋で滑稽にも見えてくる彼が、決して非情な人間でなく(ある意味、そうならざるおえない職業)後ろめたさもあるのだろうと思えてくる。
景気の影響を受け経費削減のために出張費を削ろうとしているライアンの会社も、そのうち犠牲者が出るのかもしれない。
目標の1000万マイルを達成したら…
その影にはライアンが解雇を告げた多くの人がいると言う事…

クルーニーがカッコイイ!
前半はクール、後半は空虚、どちらの表情も絶品♪
ラスト、空港でボードを見上げる表情は何を何処を語ったのだろう。
明確には分からないけど、先の人生に立ち止まったことで確実に何か見えたのだと感じました。
そのままエンドに流れる曲も彼の心情の延長にあるようで良かったです。
ヴェラ・ファーミガは化ける女優さんですね~。
「縞模様のパジャマ~」「エスター」と、その作品の度に全然違う印象!
今作では女の二面性(?)
ライアン以上にしたたかで割り切りがあり貫禄さえ感じました。
アラフォーなラブものもあるのかな~と思ったけど、途中からあまりにもサバサバした感じに、うん?もしや?となったけど、このオチ、ちょいキツイね(苦笑)
その後の電話もまた凄いわ~あくまでもそうなんだ!!(お見事)
新米らしい勢いがあるけど、まだまだ世間知らずなナタリーを演じたアナ・ケンドリックも上手でした。
現代の若者らしくネット依存かと思えば、結婚願望はオーソドックス(笑)
アレックスとの乖離が笑えるし、現実知らないうぶさもありますね。
四角四面な彼女のキャラクターが、時間の経過と共に少しずつ人間らしくなっていくのが良かったです。
ビンガムに解雇を宣告されるJ・K・シモンズ、機長にサム・エリオット。
リストラされた人たちの新たな生活が語られるのもホッとします。
脚本はモチロン、ジェイソン・ライトマン監督「サンキュー・スモーキング」「JUNO/ジュノ」に続き、斬新な切り口でまた良作が生まれたと思いました。
2010年 3/20公開 アメリカ映画
監督 ジェイソン・ライトマン
ルドandクルシ
2010, 03. 24 (Wed) 10:27

メキシコの片田舎、バナナ園で働くベト(ディエゴ・ルナ)とタト(ガエル・ガルシア・ベルナル)兄弟は、うだつのあがらない生活を送っていた。
地元の草サッカーで活躍していた2人は、ある日スカウトのバトゥータ(ギレルモ・フランチェラ)の目に留まり、プロチームへの入団を果たす。
それぞれチームで活躍しスター選手へとのし上がっていくが、タトは女、ベトはギャンブルでつまずき始め…。
メキシコ出身の映画監督、アルフォンソ・キュアロン、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ギレルモ・デル・トロの3人が立ち上げた製作会社の第一弾作品。
スカウトの目に留まった兄弟が、サッカー選手となっていくさまをコメディータッチで描く。
右に蹴ると…{★★★㊤3/5}
“ルド(タフ)”と呼ばれるベト、“クルシ(うぬぼれ屋)”と呼ばれるタトは、日頃から互いのへタレをツッコミ合い、仲が良いのか悪いのか分からない異父兄弟。
サッカー選手としてタイプも違い、何かと競い合う火と油のような関係だけど、ノー天気でおバカ、無計画、母親思いなど、多分本人たちは気づいていないだろう共通点も多い。
そんな2人はサッカースカウトのバトゥータの目に留まり、どちらか一人をプロリーグへ推薦すると言われ、PK戦で決めるシークエンスは、このおバカ兄弟が象徴されたようで思わずニンマリしました。
爆笑ではないのですが、この天然の笑いをあれこれ書いてしまうとネタばれになるし、書いたところで面白くは伝わらない独特なものだと思うので止めておきます(笑)
陽気でのんきなラテン系の明るさの中に、しっかりと教訓も込められている作品でした。

元々、2人はサッカーで成功したいと願っていたワケではなく、レコードデビューが夢であるタトはとりあえずその実現のため、
キレやすいが真面目で融通の利かないべトは、タトに対するライバル心から、あれよあれよと実力発揮していき暮らしも豊かになっていきます。
成功するに連れ、タトは女にべトは大好きなギャンブルにのめり込み、自制が効かなくなってしまいます。
観ていると危なっかしく行き着く先は見えてるのだけれど、当のご本人たちは至って大真面目なのが憎めないところであり笑えるところ。
彼らが母親に競い合ってプレゼントしたいものを、妹のダンナさんにあっさりと先を越されるのも滑稽でした。
不器用でいい加減な2人の人生のアップダウンを、面白おかしく更に兄弟の絆も感じることができます。

サッカーのシーンは、テレビの試合中継から、監督の表情から、新聞やニュースからと最小限に止めた描写で、あくまでも不器用な兄弟の日常を描くスタンスも良かったです。
スポコンものサクセスストーリーではないのだと、はっきり意思表示されていたと思います。
だからラストの因縁とも言えるようなPK対決は、フィールド勝負となる初めての兄弟映像となり、その駆け引きや思惑がどちらに向かうのか…ワクワクしました(笑)
ちょっとほろ苦くもありますが、生きていれば何とかなるよ、みたいに前向きなラストは悲壮感がなく良かったです。
自由奔放過ぎず、身の丈に合わすのも大切なことですね。
サッカーに例えながら人生感など教訓を語るパトゥータのナレーションに味があり、マルチ商法、賭博、麻薬、所得格差やDVにサッカー人気など、メキシコの社会状勢がユーモアの中にリアルさもありました。
ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナのコンビはさすがに息が合っていて、やりとりや表情がナイスな凸凹ぶりでした。
2010年 2/20公開 メキシコ映画
監督 カルロス・キュアロン
ジョニー来日!
2010, 03. 22 (Mon) 17:08

4月17日公開の「アリス・イン・ワンダーランド」で、本日朝、ジョニーが来日しました

イタリアのヴェネチアでアンジェリーナ・ジョリーと共演の『The Tourist』(原題)撮影の合間を縫っての来日で、今夜とんぼ帰りとなります。
昨年12月の「パブリック・エネミーズ」以来、約3カ月ぶりですが、そんな忙しい中でも来てくれるなんて嬉しいですね

嬉しいけれど、今回は募集が少なかったこともあり、ことごとくフラれてしまいました。
いつもご一緒してくれる友達も。。。

なので、自宅で生放送を見る事にします…
おとなしく…
あっ、始まりましたね

来日記事
来日記事
ヤプログ
やっぱりジョニーはファンを大切にしてくれますね

今回も丁寧にサインに応じていました。
ジョニーと会えた皆様、おめでとう~

しっかし、生中継はありがたいけど、BIGLOBEの進行3人、喋りすぎ…
仕事とは言え、聞き辛いよ

NINE
2010, 03. 19 (Fri) 21:55

1964年イタリア。
映画監督グイド・コンティーニ(ダニエル・デイ=ルイス)待望の新作は、撮影開始目前で脚本が未完成で白紙状態。
プレッシャーで押しつぶされそうになる中、
妻ルイザ(マリオン・コティヤール)、愛人カルラ(ペネロペ・クルス)、主演女優のクローディア(ニコール・キッドマン)など女性たちに慰めを求めるも、グイドは混乱の中で幻想の世界に逃避してしまう…。
イタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニ監督「8 1/2」を基にしたトニー賞受賞のブロードウェイ・ミュージカルを映画化。
新作の撮影を控えた映画監督が、精神的に追いつめられていく中、彼を取り巻く女性たちと繰り広げる混乱と混沌の行方を幻想的な歌と踊りで綴る。
男の人生、どれだけ女の影響があるものなのか{★★★3/5}
映画制作と女関係のもつれから、妄想や幻想の中をさまようグイドは、常に女たちに愛護されるような滑稽でだらしないマザコン男。
子供のような未熟さと、才能あるが故に自らを追い込む繊細さを持ち合わせています。
妻ルイザの不安や哀しみ、愛人カルラのストレート過ぎる感情、ミューズ女優クラウディア、娼婦サラギーナ(ファーギー)、
虚勢を張るグイドが心許す衣装担当のリリー(ジュディ・デンチ)、ヴォーグ誌のステファニー(ケイト・ハドソン)、愛するママ(ソフィア・ローレン)と、多彩で魅力的な美女との関係は、彼の幼少の回想シーンを挟みながら、それぞれの女性との関わりが歌と踊りで描かれていくストーリーです。
ミュージカルの基になった、フェデリコ・フェリーニの自伝的映画である「8 1/2」の高い評価は聞きますが未見です。
6人のアカデミー賞受賞経験者による映画化なので、エンタメたっぷり押し寄せる歌とダンスの嵐と想像していたのですが、少し違っていました。
期待ほどではなかったのが正直な感想です。
でもスランプとプレッシャーで押し潰されそうな映画監督の苦しみは、時にコミカルでエロティックに、華やかさを保ちながら現実と妄想で流れていき、
冒頭は、クライマックスの盛り上がりのように豪華女優さんが次々と登場し、グイドを囲むシーンに引き込まれていきます。
男性にはまるでハーレムのような理想郷でしょうか(婆さんもいますが~笑)
この豪華なキャスティングだけでも、見応えはあるのだと思います。

何と言っても、やっぱりこの人!!!
本年度のアカデミー賞助演女優にもノミネートされ、個人的には「~バルセロナ」より断然こっちが良かった♪
女から観てもセクシーで妖艶でキュートで…男性はこれ観るだけで満足得られるのではないでしょうか(笑)
官能的な歌と踊りをご披露してくれたペネロペ・クルス♪

映画人の夫を支えてきた元女優の妻を、しっとりとした雰囲気の中で迷い哀しみ怒りを切々を歌い上げました。
この作品でもマリオン・コティヤールの大きな瞳が印象に残りました。
彼女はオスカー女優になってから更に磨きが掛かったようです♪
出番は多くなかったけど、ミューズ女優ってオーラはあるし、グイドに対して凛とした態度が素敵だったニコール・キッドマン♪


オスカー女優の影になっちゃったケイト・ハドソン。
いえいえ、とても良かったです~♪
60年代の最新ファッションも似合っていたし、陽気で明るく迫力ある歌唱力と踊りにびっくり!!
「シネマ・イタリアーノ」一番耳に残る素敵な楽曲でした♪
悪戯っぽい笑顔は「あの頃、ペニーレインと」を思い出します。
私が一番惹かれたのは、ファーギー!
グイド少年の回想で描かれるサラギーナのエピソードは、海辺の砂浜でモノクロ映像ですが、
対照的な赤と黒の衣装で、椅子、砂、タンバリンを使いダンサーたちと繰り広げるパフォーマンスがお見事です。
ファーギーのPVを観るかのような、これだけ独立してる感じも。


ソフィア・ローレンは大女優の貫禄!
ジュディ・デンチが出て来ると、それだけで締まる気がします。
それぞれの胸の内は何となく分かるものの、ドラマな部分で感情移入とまではいかず、
楽曲とビジュアルも印象が残るのはあるけれど、ミュージカルとしてもイマイチぱっとしなかったような感じです。
終ってみれば、だから、何?と思わないでもないのですが、
女癖が悪く慢心していた監督が、本当に大切なものを失って初めて気づくことができた現実と、イタリア男性特有(?)の女性賛歌でもあったのかな~と思いました。
“笑いと愛と夢があるのがエンターテイメント”と、デンチの歌詞にあるのですが、ひとつの映画を製作するに当たり、監督の頭の中の様々な妄想や構想は、パズルのピースが完璧で綺麗に埋まるかどうか…映画が完成するまでの精神世界は感じました。
あと、この映画のオープニングとラストは好きです~。
愛と希望と夢があり、まさにエンタメ作品らしいと思いました。
2010年 3/19公開 アメリカ/イタリア映画
監督 ロブ・マーシャル
フィリップ、きみを愛してる!
2010, 03. 18 (Thu) 20:00

妻子と幸せに暮らしていたIQ169の元警官スティーヴン(ジム・キャリー)は、交通事故に遭ったことをきっかけに自分に正直に生きていくことを決意する。
妻デビー(レスリー・マン)に自分がゲイであることをカミングアウトし、恋人ジミー(ロドリゴ・サントロ)と派手な生活をするため詐欺を働くスティーヴンは、保険金サギで刑務所行きとなる。
ある日、所内でフィリップ(ユアン・マクレガー)と出会い愛が芽生えていくが…。
愛のために嘘を重ね、詐欺と脱獄を繰り返した男の実話を基にしたラブストーリー。
天才ゲイの破天荒な愛の物語{★★★★4/5}
面白かったです~♪
観る前はジムとユアンがどんなゲイを演じるのか、最大の関心であり怖いもの観たさでもあったのですが、ふたりのそのような営みは見せられるものの、嫌悪感などは感じることもなく、ピュアな恋愛映画だったのに驚きです。
牢屋の中でダンスしながら交わすキスなど、これって、通常なら「おッ!」と引きそうになるのに、役者が成りきりの自然体なのか、お似合いなのか(笑)ほのぼのした気持ちすら感じてしまいました。
「イエスマン」観た時にも思ったけど、ジムは加齢でアクが取れたのかな(笑)
スティーブンが至って真面目で直向であればあるほど、自然にこちらは笑いたくなります。
過度な演技で笑わせようとするジムは、この映画にはいませんでした。
ユアンはまるで少女のようなウルウルな瞳で恋する純粋な男を好演!
細かい動作はモチロン、感の良さやスティーブンを愛する気持ちの吐露は女以上かも(笑)
これまでも「ブロークバック・マウンテン」「ミルク」など有名俳優さんのゲイラブシーンは観てきたけれど、この2人が一番しっくりきたか、ラブラブモードが微笑ましかったです(笑)

愛の為にここまでやれるのか?頭良いなら真面目に働けるのに?と感じる部分も、ゲイカップルだからこその面白さで、
詐欺行為と刑務所からの脱獄を繰り返すスティーヴンの情熱は、もちろん犯罪ではあるのだけれど痛快なんです。
ラストにはジムの名演技に涙が出そうになったのに、そんなオチまでも用意されてたら、こんなにも愛されてるフィリップは男冥利(?)に尽きるでしょう!
これが実話ベースと言うからますます凄い人だと思うし、妻との関係も本当にこうなのかな~彼女も広いなぁ~と思いました(笑)
ゲイ版、究極のロマンチック・クライム・ラブストーリーでしょうか。
一途な愛を感じました。
2010年 3/13公開 フランス映画
監督 グレン・フィカーラ ジョン・レクア
噂のモーガン夫妻
2010, 03. 13 (Sat) 01:00

腕弁護士として活躍するポール(ヒュー・グラント)と、不動産会社社長メリル(サラ・ジェシカ・パーカー)は、雑誌の表紙を飾るほど注目を浴びる超セレブ夫妻。
誰もが羨む理想のカップルは、夫の浮気で夫婦関係が悪化した。
ポールはメリルのご機嫌をとろうとするが、レストランの帰り道に殺人現場を目撃し、ふたりは犯人に顔を見られてしまう…。
離婚危機の中、
ある事件に遭遇したことで田舎町での生活を強いられるハメになった超セレブカップルの顛末を描くロマンティック・コメディ。
ヒュー・グラント、ラブコメはもう無理そう…{★★2/5}
何をしても憎めないキャラだったヒュー・グラントが、
別居中の妻に浮気の許しを請うべく、あれこれと奮闘するのだけれど、そんなに面白くも可笑しくも感じなかったのは何故でしょう…。
作品のストーリーは王道で、警察当局の“証人保護プログラム”に適用され田舎へ送り込まれるのは面白いプロットですが、特に目新しさもなく笑いも薄く地味な作品でした。
お決まりの流れであることを了解済みのラブコメは、役者さんの持ち味や個性でどう観せてくれるのか楽しみだと思うのですが、ヒューが老けちゃったのか、ぼや~とした所が魅力的だったのにそこに生気がなくなったようで、サラは浮気が許せなくてヒステリックにキーキーとヒューを責めまくるのかと思ったら、案外穏やかで素直な印象。
別居中に事情があったメリルは、ポールを拒絶するより未練があるように最初から感じたので、
前半で都会とのギャップや人物のメリハリがもっとあれば、田舎の星空を見ながらふたりが原点に返る素敵なシーンが生かされたのに~と残念でした。

ウィーラー夫妻のサム・エリオットとメアリー・スティーンバージェンは彼らと対照的に描かれていて、ふたりのキャリアも安定があり、言う時には簡潔に確信を付く年長者の助言にはごもっとも!!
気まずい思いをしながら一緒にベットで眠る時の距離や空気は、似たような経験のある人にはあの感じは分かるのではないかな~(笑)
めでたしなラストですが、この終り方はアメリカならではって感じでした。
キャッチコピーの「浮気しても妻が好き」って、そりゃそうでしょうと思いましたけど(笑)
2010年 3/12公開 アメリカ映画
監督 マーク・ローレンス
シャーロック・ホームズ
2010, 03. 12 (Fri) 20:49

19世紀末のロンドン。
若い女性が殺される連続殺人事件が発生。
名探偵シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr)と相棒のワトソン博士(ジュード・ロウ)は、持ち前の超人的な観察力や記憶力、推理力でブラックウッド(マーク・ストロング)に立ち向かう。
私立探偵シャーロック・ホームズと相棒のジョン・ワトソン博士の活躍を描いたミステリー・アドベンチャー。
ガイ・リッチー監督が激しいアクション満載で繰り広げられていく新ホームズを制作。
娯楽大作、エンタメたっぷりのホームズ{★★★㊤3/5}
知的で思慮深いイメージを持っていたシャーロック・ホムーズは、肉体派でパワフルな新しいキャラになり、
暗闇の市内を走り回ったり、潜入した部屋や造船倉庫、爆破シーンやダイブシーンとアクション満載でした。
ファイトクラブみたいな格闘場でのスローシーンは、肉感に迫力あって面白かった!
ホームズとワトソンのキャラが入れ替わったようで、演じるロバート・ダウニー・Jr.とジュード・ロウに合っていたと思います♪
ふたりともタフガイです!
公開前にゲイ説が出るほど親密に描かれたふたりの絆ですが、ワトソンのフィアンセ、メアリー(ケリー・ライリー)に嫉妬(?)するホームズのワンシーンには思わず同情(笑)

謎解きを含め、ストーリーには特別な捻りもなく普通かな。
地道にコツコツと理論付けて推理するような流れではなく、とにかく展開が速いので把握しきれない箇所はありました。
ホームズの言動は細かいとこまで要チェックが必要です。
でもその分、スピーディーでテンポの良さがあるので、気軽に楽しめる娯楽映画だと思います。
ガイ・リッチー版として別物と割り切って観た方が良さそうですね。
19世紀のイギリスの雰囲気も楽しめました。
アイリーン役のレイチェル・マクアダムスも悪戯っぽくて可愛らしい♪
原作ではもっと悪女なのかな。
続編を意識した終わりなので、
キャストは間違いないし、ジュード・ロウはメチャ素敵だし、シリーズ化されてもそこそこいけそう!!
次回はもう少しワクワクするようなストーリーにしてもらえると、もっと素晴らしい作品になると思いました。
2010年 3/12公開 アメリカ映画
監督 ガイ・リッチー
第82回アカデミー賞 下馬評通りでした♪
2010, 03. 09 (Tue) 20:58

ニール・パトリック・ハリス(Neil Patrick Harris)が、ノミネート作品を紹介しながらミュージカル仕立てのオープニング

去年、メイン司会ヒューの多才ぶりは印象に残りますが、そんな名残(?)を意識しながらでしょうか…
作曲賞のパフォーマンスも素晴らしいものでした



今回の司会進行はこちらのおふたり。
メリル・ストリープ主演「恋するベーカリー」で共演した、スティーヴ・マーティン、アレック・ボールドウィン

上空からの派手な登場

で、すぐさま毒舌の全開。
共演したメリルの最多ノミニーには、「これまで一番オスカーを逃したってこと!」と言い、G ・クルーニーを目の敵(?)にし、デイム(Dame)の称号を持つヘレン・ミレンには、忌々しい(Damn)ダムの発音間違いで紹介するなど。
「あそこに、J・キャメロンがいた!!!」と3Dグラスを取り出し


元夫婦は互いのお祝いに、キャスリンが時限装置付きのプレゼントを、キャメロンはトヨタ車を贈った…なんて時事ネタも!(汗)
テイラー・ロートナーとザック・エフロンに、「君達の5年後は、こんなだよぉ~」って…(爆)


クリストフ・ヴァルツ「イングロリアス・バスターズ」


プレゼンターは去年の助演女優を受賞したペネロペ・クルス

第一声は「オスカーとペネロペなんて、大当たりだ(ビンゴ~)

うっすらと涙を浮かべながらのスピーチ。
タランティーノ監督と共演者、新境地に暖かく迎え入れられたことに感謝を表す素敵なスピーチでした

脚本賞のプレゼンターは、脚本家でもあるティナ・フェイ


お互いの立場での掛け合い。
ロバートの「暖かな場所でのロケ、嫌いな女優とは別ロケで…」や「映画製作は美形人種とオタクのコラボ…」会場も大爆笑!
受賞したのは、「ハート・ロッカー」のマーク・ボール

メイクアップ賞のプレゼンターはこちらヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
毎回何かやってくれるベン・ステイラー

今回も期待を裏切らずナヴィに変身


ナヴィ語もご披露

多分めちゃくちゃ~(爆)
「@%#…J.キャメロンは、世界の王だ

「僕の三つ網をあなたのドラゴンと結合させたい」o(^▽^)oキャハハハ

受賞したのは「スター・トレック」

この作品は「アバター」がなければもっと受賞していたのかも。

モニーク「プレシャス」

プレゼンターは故・ヒースに変わり、オスカー俳優ロビン・ウィリアムズ。
モニークはコメディアンだそうですが、誰もが憎むべき母親を見事に演じきったそう。
クリストフ・ヴァルツと同じく初ノミネート初受賞

「時には普通のことではなく、正しいことをするべきだ」とご主人のアドバイス。
簡潔でストレートで素敵なスピーチでした

ガボーレイ・シディベも絶賛されているので、この映画は本当に待ち遠しいです。
去年、過去のオスカー達が候補者を賛美する演出がこれまでにない印象に残るものとなりましたが、今回はそれぞれに共演した仲間が候補者について語りました。
モーガン・フリーマンと「ショーシャンクの空に」で共演したティム・ロビンス、ジェレミー・レナーと「S.W.A.T.」で共演したコリン・ファレルが良かったな


ジェフ・ブリッジス「Crazy Heart」


プレゼンターはケイト・W。
実力があるのに「無冠の名優」と言われたジェフ・ブリッジスが、5度目のノミネートで初受賞

高々とオスカーを天に掲げ、ショウビズに導いてくれた両親を呼びかけ感謝の気持ちに感動

ミシェル・ファイファーから娘さんを大切にする家庭的な一面も紹介されたので、33年連れ添った奥様が映し出されると、本当に大切にされてきたのだろう~と感じました。
去年逃したけれど、遅咲きのオヤジがどこかミッキー・ロークとも重なりました。
こちらも公開されて欲しいぃ~楽しみです

主演女優賞の紹介には、スタンリー・トゥッチ、マイケル・シーン、フォレスト・ウティカーなど。
プレゼンターは、ショーン・ペン。

サンドラ・ブロック「しあわせの隠れ場所」

良かった良かった


このリー・アンがサンドラにピッタリそのものだったので、もう本当に嬉しいわっ

「あなたは私の婿になる」であの見事な脱ぎっぷりを観た時から、サンドラ、何だかいつもと違う?!(爆)って思ったのよ(笑)
しかも「オール・アバウト・スティーブ(原題)」でラジー賞との2冠だなんて、これ、なかなか出来ないこと(笑)
ハル・ベリー以来会場に現れ、台車いっぱいのDVDを配り「本当にしっかりと見てくれていたら、私はここにいないはず」なんてサンドラらしいパフォーマンスが好感大

同じ候補者を称えるスピーチもサンドラらしいものでした

「プレシャス」のガボーレイ・シディベに「言葉にならないほど素敵で大好きよ」
「17歳の肖像」のキャリー・マリガンには「あなたの美貌と才能は本当に嫌味ね」
ヘレン・ミレンにはファミリー同然、メリルには本当にキスが上手

トゥーイ家の人たちも会場にいらしていて、
「我が子でなくても大切に育てている母親達に感謝します」とても素敵で感動したスピーチでした。
おめでとう~~


キャスリン・ビグロー「ハート・ロッカー」


「ハート・ロッカー」

プレゼンターのバーブラ・ストライサンドが「ついにこの時がきた」と言った時、キャスリンの顔が一瞬緩んだように見えました

女性監督が初受賞です


作品賞も受賞


爆弾処理班の3人も大喜び

「ハート・ロッカー」は9部門中、6部門でオスカーを取りました

「アバター」との一騎打ちで、
先週末に公開されたばかりですが、この作品を観ると、こちらがオスカーだろうと思われた方も多いのではないでしょうか。
当然の受賞だったように感じました。
物凄い映画を観せて頂きました~おめでとうございます


作品賞に限らず、今回はサプライズもなく下馬評通りでしたね。
去年は助演男優を受賞したヒースの作品しか公開されていなかったと思うのですが、
今回は「Crazy Heart」 「プレシャス」以外は公開済みなので、毎回思う、置いてけぼり感があまりありませんでした。
作品賞10作が順に紹介されて、どれもこれもワクワクさせられました


でも「第9地区」は見せすぎだぁ~こちらのトレイラーはまだモザイクなんだもん(;´Д`A ```
毎年公開されるたくさんの映画を自分なりに選んで、
作品から味わう感動や共感や非痛感など素晴らしい映画に触れさせてもらえる嬉しさは、並大抵なことでは生まれないと言うのが毎回ながら感じます。
この豪華絢爛な会場に集ったアクターもキャストもほんの一部であるのだろうと想像しながら、今後も素晴らしい作品に期待します。
いつかジョニーもこの壇上でスピーチする日が…
そんな妄想も抱きます♪( *^-゚)/⌒☆゙
第82回アカデミー賞
2010, 03. 08 (Mon) 09:06


*アバター
*しあわせの隠れ場所
*第9地区
*17歳の肖像
*ハート・ロッカー

*イングロリアス・バスターズ
*プレシャス
*A Serious Man
*マイレージ、マイライフ
*カールじいさんの空飛ぶ家

*キャスリン・ビグロー「ハート・ロッカー」

*ジェイソン・ライトマン「マイレージ、マイライフ」
*クエンティン・タランティーノ「イングロリアス・バスターズ」
*ジェームズ・キャメロン「アバター」
*リー・ダニエルス「プレシャス」

*ジェフ・ブリッジス「Crazy Heart」

*ジョージ・クルーニー「マイレージ、マイライフ」
*コリン・ファース「A Single Man」
*ジェレミー・レナー「ハート・ロッカー」
*モーガン・フリーマン「インビクタス 負けざる者たち」

*キャリー・マリガン「17歳の肖像」
*メリル・ストリープ「ジュリー&ジュリア」
*ガボーレイ・シディベ「プレシャス」
*サンドラ・ブロック「しあわせの隠れ場所」

*ヘレン・ミレン「The Last Station」

*クリストフ・ヴァルツ「イングロリアス・バスターズ」

*ウディ・ハレルソン「The Messenger」
*スタンリー・トゥッチ「ラブリーボーン」
*クリストファー・プラマー「The Last Station」
*マット・デイモン「インビクタス 負けざる者たち」

*ペネロペ・クルス「NINE」
*ヴェラ・ファーミガ「マイレージ、マイライフ」
*マギー・ギレンホール「Crazy Heart」
*モニーク「プレシャス」

*アンナ・ケンドリック「マイレージ、マイライフ」

*マーク・ボール「ハート・ロッカー」

*クエンティン・タランティーノ「イングロリアス・バスターズ」
*ジョエル&イーサン・コーエン「A Serious Man」
*ピート・ドクター、ボブ・ピーターソン、トマス・マッカーシー「カールじいさんの空飛ぶ家」
*オーレン・ムーヴァーマン、アレッサンドロ・キャモン「The Messenger」

*ニール・ブロムカンプ、テリー・タッチェル「第9地区」
*ニック・ホーンビィ「17歳の肖像」
*ジェシー・アームストロング、サイモン・ブラックウェル、アーマンド・ラヌッチ、トニー・ローチェ「In the Loop」
*ジェフリー・フレッチャー「プレシャス」

*ジェイソン・ライトマン、シェルドン・ターナー「マイレージ、マイライフ」

*マウロ・フィオーレ「アバター」

*ブリュノ・デルボネル「ハリー・ポッターと謎のプリンス」
*バリー・アクロイド「ハート・ロッカ」)
*ロバート・リチャードソン「イングロリアス・バスターズ」
*クリスティアン・ベアガー「白いリボン」

*スティーヴン・リフキン、ジョン・ルフーア、ジェームズ・キャメロン「アバター」
*ジュリアン・クラーク「第9地区」
*ボブ・ムラウスキー、クリス・イニス「ハート・ロッカー」

*サリー・メンケ「イングロリアス・バスターズ」
*ジョー・クロッツ「プレシャス」

*アバター

*Dr.パルナサスの鏡
*NINE
*シャーロック・ホームズ
*ヴィクトリア女王 世紀の愛

*ジャネット・パターソン「Bright Star」
*カトリーヌ・ルテリエ「ココ・アヴァン・シャネル」
*モニク・プリュドム「Dr.パルナサスの鏡」
*コリーン・アトウッド「NINE」
*サンディ・パウエル「ヴィクトリア女王 世紀の愛」


*ジェームズ・ホーナー「アバター」
*アレクサンドル・デプラ「Fantastic Mr. Fox」
*マルコ・ベルトラミ、バック・サンダース「ハート・ロッカー」
*ハンス・ジマー「シャーロック・ホームズ」
*マイケル・ジアッキノ「カールじいさんの空飛ぶ家」


*ランディ・ニューマン "Almost There"「プリンセスと魔法のキス」
*ランディ・ニューマン "Down in New Orleans"「プリンセスと魔法のキス」
*フランク・トーマス "Loin de Paname"「幸せはシャンソニア劇場から」
*マウリー・イェストン "Take It All"「NINE」
*ライアン・ビンガム、Tボーン・バーネット "The Weary Kind"「Crazy Heart」


*イル・ディーヴォ
*スター・トレック

*ヴィクトリア女王 世紀の愛

*アバター
*ハート・ロッカー

*イングロリアス・バスターズ
*スター・トレック
*トランスフォーマー リベンジ

*アバター
*ハート・ロッカー

*イングロリアス・バスターズ
*スター・トレック
*カールじいさんの空飛ぶ家

*アバター

*第9地区
*スター・トレック

*Ajami(イスラエル)
*瞳の奥の秘密(アルゼンチン)

*The Milk of Sorrow(ペルー)
*A Prophet(フランス)
*白いリボン(ドイツ)

*コララインとボタンの魔女 3D
*Fantastic Mr. Fox
*プリンセスと魔法のキス
*The Secret of Kells
*カールじいさんの空飛ぶ家

短編アニメーション映画賞
*French Roast
*Granny O'Grimm's Sleeping Beauty
*The Lady and the Reaper (La Dama y la Muerte)
*Logorama

*ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢

*ビルマVJ 消された革命
*ザ・コーヴ

*Food, Inc.
*The Most Dangerous Man in America: Daniel Ellsberg and the Pentagon Papers
*Which Way Home

*China's Unnatural Disaster: The Tears of Sichuan Province
*The Last Campaign of Governor Booth Gardner
*The Last Truck: Closing of a GM Plant
*Music by Prudence

*Rabbit à la Berlin

*The Door
*Instead of Abracadabra
*Kavi
*Miracle Fish
*The New Tenants

ニューヨーク、アイラブユー
2010, 03. 07 (Sun) 23:02

眠らない大都会ニューヨーク。
今日も無数の出会いが生まれ、愛のドラマが繰り広げられていた。
スリの青年ベン(ヘイデン・クリステンセン)は、チャイナタウンで目にした女性モリー(レイチェル・ビルソン)の後を追う…。
ニューヨークを舞台に、さまざまな愛の物語が展開するアンサンブル・ムービー。
豪華キャストが結集し、各国の多彩な監督11人があらゆる形の愛のドラマを作り上げる。
ニューヨークが味わえる短編集{★★★㊦3/5}
「バレンタインデー」も豪華なキャストでしたが、こちらも負けず劣らずのキャストです。
*チアン・ウェン監督「チャイナタウン」
ヘイデン・クリステンセン、「ジャンパー」のレイチェル・ビルソン、アンディ・ガルシア
*「その名にちなんで」のミーラー・ナーイル監督「ダイヤモンド街」
「スラムドッグ$ミリオネア」のイルファン・カーン、ナタリー・ポートマン。
*岩井俊二監督「アッパー・ウェスト・サイド」
オーランド・ブルーム、クリスティナ・リッチ。
*「フレンチなしあわせのみつけ方」イヴァン・アタル監督「ソーホー」
マギー・Q、イーサン・ホーク。
ロビン・ライト・ペン、クリス・クーパー。
*「X-MEN:ファイナル ディシジョン」ブレット・ラトナー監督「セントラル・パーク」
「スター・トレック」のアントン・イェルチン、「JUNO/ジュノ」のオリヴィア・サールビー、「50歳の恋愛白書」ブレイク・ライヴリー、ジェームズ・カーン。
*「フロム・ヘル」のアレン・ヒューズ監督「グリニッチ・ヴィレッジ」
ドレア・ド・マッテオ、「そんな彼なら捨てちゃえば?」のブラッドリー・クーパー。
*「エリザベス:ゴールデン・エイジ」のシェーカル・カプール監督「アッパー・イースト・サイド」
シャイア・ラブーフ、ジュリー・クリスティ、ジョン・ハート。
*ナタリー・ポートマン監督「セントラル・パーク」
カルロス・アコスタ、ジャシンダ・バレット
*ファティ・アキン監督「チャイナタウン」
ウグル・ユーセル、「トランスポーター」のスー・チー。
*「そして、ひと粒のひかり」のジョシュア・マーストン監督「ブライトン・ビーチ」
イーライ・ウォラック、クロリス・リーチマン
他、エミリー・オハナ、「ダイアナの選択」のエヴァ・アムリ、ジャスティン・バーサ。
ランディ・バルスマイヤーが繋ぎのストーリーを担当。
ちょっと期待し過ぎたかなぁ~
「パリ、ジュテーム」もあまり好みではなかったのだけど、こちらは作品の調和をメインにしたのか、多国籍で多彩な監督を集めたわりにはそれぞれの特色が生かされていなかったようでメリハリがなかったです。
周りではスヤスヤしている方が多かったし、私も珍しくあくびに数回悩まされました。
見応えあるエピソードとそうではないのの差があり過ぎて、バラエティー豊かなのだろうけど全体的にまとまりがない印象です。
先の「バレンタインデー」の方が群像劇として分かりやすいし、コミカルな点でもこちらよりは幅広く受け入れられそうです。
それでも描かれるさまざまな愛の群像劇が、NYの街並みと共に観光気分も味わえます。
後は好みの問題でしょうか。
気に入ったお話はこちらです。
「セントラル・パーク」

ガールフレンドにフラれ、車椅子の少女とプロムに出かけることになった少年が体験するのは…。
「スター・トレック」から出演作の公開が相次くアントン・イェルチンが、軟弱そうだけど優しく純粋な青年を好演。
次回は「誰かが私にキスをした」日本映画に出演。
「JUNO/ジュノ」のオリヴィア・サールビー、「~旅するジーンズ」「50歳の恋愛白書」ブレイク・ライヴリーと注目の若手が若者の一夜を描く。
目新しい流れでオチが愉快♪
「アッパー・イースト・サイド」

元オペラ歌手とホテルのボーイの不思議なストーリー。
ジュリー・クリスティはお年を召しても上品でしっとりとして美しい。
シャイア・ラブーフも落ち着いた感じで良かった。
映画らしい雰囲気のある物語だった。
「ソーホー」

タバコの火から始まる大人の男女のお話。
イーサンがNGワードのオンパレードでセクシーなマギーを口説く。
顔色一つ変えずクールに聞くマギーのオチが最高♪
クリス・クーパーからタバコの火をもらったロビン・ライト・ペン。
こちらのオチはあえなく想像できたけど、何だかホッとできたお話でした。
シャルロット・ゲンズブールのご主人イヴァン・アタル監督が、二通りの大人を洒落たタッチで描いていました。
「ブライトン・ビーチ」

長年連れ添ってきた老夫婦の結婚記念日。
「ホリデイ」でもケイトに介添えしてもらっていたイーライ・ウォラックとクロリス・リーチマンが、まるで夫婦漫才のような掛け合いが笑えます!
山あり谷ありの人生を共に歩んできた姿が微笑ましく羨ましい!
ラストに相応しいストーリーでした♪
岩井俊二監督のオーリーとクリスティナ・リッチの物語りは、今の時代のコミュニケーションに必須アイテムである携帯のやり取りから、次第に絆が結ばれていきドアを開けると同時に世界が変わったような瞬間が良かったです。
どれも7分程度の物語と言うことなので、
簡潔で分かりやすい方が観ていて楽しめるし、何を伝えたいのか感じ取ることも出来ますね。
2010年 2/27公開 アメリカ/フランス映画
ハート・ロッカー
2010, 03. 06 (Sat) 23:57

2004年、イラク・バグダッド郊外。
アメリカ軍爆発物処理班・ブラボー中隊のリーダーに、ウィリアム・ジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)が就任する。
死の恐怖などないかのように遂行されるジェームズの爆発物処理の様子に、仲間のサンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)らは不安を抱くようになる。
イラクに駐留するアメリカ軍の中でも、最大の危険を伴う爆発物処理班の兵士たちの緊張感ある現場をリアルに描き出す戦争アクション。
疲れを感じたけど力作{★★★★㊤4/5}
「アバター」と同じくアカデミー賞最多ノミネートとなり、マスコミには元夫婦対決などと言われ、ここへ来て何やら関係者の宜しくないニュースも出てきましたが、
真意は置いといて、イラク戦場で任務に付く兵士達の極限状態をリアリティに観せられ緊迫感のある作品でした。
“ハート・ロッカー”は、行きたくない場所“棺おけ”の表現で、劇中でも箱型のそれが出てきます。
いつ自分がその中へ…
冒頭、地面を這うロボットからの映像と、それを操りながら他愛のない日常会話で兵士たちが爆発物の解体に当たります。
ホコリっぽくガランとした道路、周りの建物から作業を眺める見物人、どこかで起爆装置を操る人物がいるのかもしれない…
ほんのわずかなミスや油断がとんでもない被害をもたらしてしまう生死の狭間は、観るものに気持ちの緩みなどは与えない凄い緊迫感がありました。
すぐにジェームズ二等軍曹が赴任してからの物語になりますが、更にその緊迫感は輪を掛けるように続きます。
800以上もの爆弾を処理して来たと言う彼は、時に爆発から身を守る40キロもの重さがあるボディスーツを脱ぎ捨てながらも恐れを感じず爆弾を処理していきます。
そんなシーンがいくつもあるのですが、
例えばこのメイン役者さんが有名どころだったりしたら、それだけで「あー、、、多分やられないなぁ~」と想像ついたりしますが、そんな安心感は全く与えられず、もうダメかも…いよいよダメかも~と、その度に良からぬ想像でドキドキです。
キャリアがあり凄腕ではあるけれど、かなり無謀なジェームズに、同じ班のサンボーンとエルドリッジ技術兵(ブライアン・ジェラティ)は、不安を抱えながら行動を共にします。
真面目なサンボーンはジェームズを認めながらもライバル意識があり、エルドリッジはこの場にいる自分に強いストレスを感じています。
ジェームズは独りよがりで淡々と危険な任務をこなしていくけれど、基地で海賊版DVDを売る少年ベッカムや、本国にいる(離婚したけれど同居している)妻や子供に思いを持つ普通の人間らしい一面もあります。

レイフ・ファインズ、ガイ・ピアース、デヴィッド・モースなどがほんのわずかで登場しますが、
特にレイフ・ファインズとのシーンは、ホッとするのも許されない展開になり、爆発物処理班3人がお互い歩み寄れたと思える印象に残る場面ではありました。
クールなジェームズを中心にした彼らの日常や心理状態は、
「告発のとき」でも描かれていた帰還兵士の抱える苦悩も含め、マーク・ボールの取材と脚本でリアリティに描かれ、身体に力が入ってどっぷりと疲れる(良い意味で)映画でした。
戦場では命の保障はなく安堵するのもつかの間、次の瞬間どうなるか分からないが全力で任務に当たるしかない。
それが次第に中毒化していき、本国に帰ったところで自分の能力に適応した場所がない。
危険な任務に付いている兵士たちは、銃で撃ち合うだけの戦いではなく、心身ともにどれだけも犠牲を払わなければならないことを見せつけられたような、そんな気持ちにさせられました。
映画としてのストーリー性や娯楽性は薄いのかも知れませんが、あらゆる側面からスリリングな映画だったと思います。
2010年 3/6公開 アメリカ映画
監督 キャスリン・ビグロー
シャネル&ストラヴィンスキー
2010, 03. 04 (Thu) 18:14

1913年のパリ、シャンゼリゼ劇場。
新作「春の祭典」の初日を迎えるイゴール・ストラヴィンスキー(マッツ・ミケルセン)だが、観客は斬新な内容についていけず、激しいブーイングが起きる。
7年後、デザイナーとして成功したココ・シャネル(アナ・ムグラリス)は、ストラヴィンスキーの才能にほれ込み、自分の別荘に彼とその家族を滞在させる。
芸術家として互いを刺激し合った、シャネルとストラヴィンスキーの秘められた愛憎の行方を描くラブストーリー。
イマジネーションで作られたシャネル物語{★★★㊤3/5}
1920年代のパリで芸術家たちと交流があったココは、
ストラヴィンスキーのパトロンとなって、彼と家族を別荘に住まわせていた。
その史実を基にした小説を映画化したフィクションですが、そうとは思えないほどリアルに感じる面白い作品でした。
2人の恋愛関係については意見が分かれているそうですが、いずれにしてもストラヴィンスキーとの愛の物語に焦点を置くことで、シャネルの本質を見せられたような気がします。
逆にこうであって欲しいと思いました(笑)
あえなくふたりは不倫関係になりますが(R指定なのは納得の描写あり)一度そうなってしまうと止めどなく、
奥さんも子供も一緒に住んでいる家の中や敷地内でなんと図々しいこと(汗)
病弱なイゴールの妻・カーチャは、ストラヴィンスキーの写譜でもあるので、ベットの上でピアノのメロディーを聞きながら楽譜に書き写しています。
妻としてだけではなく彼を支えているカーチャには全てがお見通し。
彼女とココの会話や、ストラヴィンスキーに「寝たの…」と問うシーンはぞくぞくしました。
妻の嫉妬、女として魅力的なココの嫌らしさ、妻と言う立場の強さと自信、ココの腹のくくり方、こんな怖くてドロッドロしたスリリングなラブもの大好きです!

でもただの不倫と言うのではなく、
クリエイティブな世界に身を置いているふたりに取って、
シャネルは「No.5」を、ストラヴィンスキーは作曲の意欲やヒントとなり、お互いの感性が掻き立てられるように描かれているのが良いと思いました。
近代音楽への始まりとなるストラヴィンスキー、
開放的な洋服作りのパイオニアであるシャネルも、時代の変わり目を受け入れて来た人なので、恋も挫折も成功に変えるたくましさを感じます。
ボーイ亡き後は、ファッションに身を捧げたように語られていた先の「ココ・シャネル」「ココ・アヴァン・シャネル」ですが、こちらの作品では自立した女性の女の部分が描かれていて、それがより一層デザイナーとしてのポジションを確立していった説得力があると思いました。
シャネルの別荘はモロ、シャネル調の色彩です。
ここにも彼女のこだわりや趣味の良さが感じられます。
アナ・ムグラリスもさすが、どの服も着こなし満点で雰囲気があってとても美しい!
成功してからのココですが、3作品の中では一番合っていたのではないでしょうか。
劇中ではブーイングでしたが、オープニングの「春の祭典」私は好きだったし、楽曲イメージもシャネルの雰囲気とどこか重なるようでした。
毛皮や刺繍など取り入れたココの感性は、ストラヴィンスキーやロシア出身者の影響だったのかな。
奥さんのドレッサーの衣装も最後の舞台衣装に使っていました。
やはり製品開発やアイディアに関してこれと言うものはないのだけれど、ストーリーも雰囲気もシャネルならではの映画だったと思います。
2010年 1/16公開 フランス映画
監督 ヤン・クーネン