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南極料理人 

2009, 09. 03 (Thu) 23:45

南極料理人
日本から14,000キロの彼方、平均気温マイナス57℃という過酷な場所に建つ南極ドームふじ基地。
西村淳(堺雅人)は、総勢8名の男たちの食事を用意する料理人として派遣される。

南極観測隊に料理人として参加した西村淳原作の「面白南極料理人」を映画化した人間ドラマ。
数々の料理とともに、8人の男性たちの喜怒哀楽を見せる。
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観る予定はなかったのですが、
“国際女性映画祭”とのことで、地元の映画館が(多分殆ど)女性に限り今週5日間は千円なので出かけてきました♪

ゆるくてまったりとした暖かな映画でした。
忙しい日常に疲れている時は癒されそうです。
あまりにも疲れすぎている時は睡魔に襲われそうですが、私は逆に家で見ると爆睡間違いなしだと思うので、劇場で観て正解でした(笑)
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1年半に及ぶ南極観測隊員の仕事は、言わば単身赴任です。
そこには家族との、恋人との、そんな距離間を持ちながら、過酷な気象状況の中で8人の男たちの共同生活がユーモアーに描かれます。
それは誰も気づかないけど西村クンが作る料理が大きな存在になっています。

極寒での食材は、缶詰や冷凍食品。
それでも西村クンが作る料理はどれも極上ですよぉ~!
オープニングの天ぷら、刺身などなど、その品数ったらもう凄いもの♪
お皿に付いた余分な照り焼きの煮汁をふき取り、和え物を山高に盛り付け、彩りにまで気を配っているのに、みんなぐっちゃぐちゃにして食べちゃうの(爆)
誰も「美味しい!!」とか言わないのよね~黙々と食べるだけ…(ま、それが美味しいって事なんだろうけど、作る者からは張り合いはないのよ…)
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具の種類が豊富なおにぎりと豚汁って、もうごちそうです(笑)
伊勢海老を相手に「海老フライ~海老フライ~!!」ってコール、、、(滝汗)
そんな食材の数々から、南極の空気が伝わってきます。
和食にフレンチ、中華、そして時にはとっても質素だったり、レパートリーは多彩です。
ラーメンのエピソードは良かったなあ~♪
食べたくて食べたくて仕方がないのに…でもどーしても食べれない、、、(切ない~)
それをやっと食べれた時、とてつもない感動が!!

「かもめ食堂」もそうだったけど、
人間の食は単なる空腹を満たすものではない力があるのだとまた思いました。
最後の方では長髪になった西村クンが割烹着姿で朝食をテーブルに並べ、本さん(生瀬勝久)が新聞片手にご飯を食べ、「おはよう」を言わない隊員を何度も注意する。
それをまあまあ、とタイチョー(きたろう)がなだめる…
まるでどこにでもある家庭の朝ごはんの風景そのもの。
言葉では現わせない穏やかさが良いのです。
333529view008南極料理人
映画は「非日常」を描くものが多く、私達もそれを望んで観に行くのですが、
非日常な南極が舞台であっても、食の在り方を通して日常として感じられるのがこの映画の面白さではないでしょうか。
娯楽のない場所でもちょっとの知恵と環境を受け入れたら、それなりに楽しく過ごせるものですね。 
333529view004南極料理人
役者さん達は皆さん持ち味があって、ゆるく笑えることが多々ありました。
西村クンの妻(西田尚美)と娘がノー天気でこれまたちょっとイラッともしましたが、これが西村クンの(不満があっても)家族の日常であり、離れて生活している温度差もうかがい知れます。
でもね、ある意味憎めない可愛い母娘じゃないかなぁ~。
娘役の子、上手でした!!(笑)
観測基地や自宅の様子とか、小物など細かい部分まで気が使われていたのも良かったです。

2009年 8/8公開 日本映画
監督 沖田修一