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デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~ 

2009, 05. 09 (Sat) 01:18


トイレタリー業界最大手の老舗メーカーB&R社CEOタリー(トム・ウィルキンソン)が、画期的な新製品を発売するという情報をキャッチしたライバル企業エクイクロムのCEOガーシック(ポール・ジアマッティ)。
彼は目前に控えた株主総会の前に、その技術を盗用し先行発表を目論んでいた。

元CIAのクレア(ジュリア・ロバーツ)は最高機密を守るためにB&R社に雇われていたが、
実はエクイクロム社が産業スパイとして送り込んだ二重スパイだった。
新たにエクイクロム社のスパイ・チームに加わることになった元MI6の諜報員レイ(クライヴ・オーウェン)は、5年前ドバイでクレアと出会い、散々な目に合っていた…。

業界のトップをめぐって激しく競うライバル会社と、産業スパイとして雇われた元CIAと元MI6の2人が、
思惑を秘めながら巧みに繰り広げる諜報合戦をユーモラスかつスリリングに描く。
監督は「フィクサー」のトニー・ギルロイ。
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「クローサー」で、私には訳の解らないカップルを演じてくれたジュリア・ロバーツとクライヴ・オーウェンが、
再び共演した作品はクライム・エンタテインメント。
ジュリアの復活作とのことで、特別二人には興味ないけれど、これはなかなか面白かったです!
ただ少し凝り過ぎていて、アクションなど派手な見せ場もないので、ノレた人だけ楽しめそうな映画かな~。

スパイと言う職業はいわば騙し合い…
派手なアクションとか企業の小難しい事情とかは一切なく、会話や行動のやり取りが一体どこに本音(真実)があるのか?!~こちらも騙されまいと脳ミソ回転(笑)


ネタバレあり
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冒頭、仕掛けた罠にまんまと掛かったレイがベットで口開けて爆睡している隙に、淡々と任務をこなすクレアや、
最高地位であるCEO同士が、空港で子供の言い合いのように(何を言ってるのか知らないけど)かなりヒート・アップして喧嘩するシーンが笑えた。
この時はスローモーションなので、怒りに震え揺れ動くトム・ウィルキンソンの顔肉や、ポール・ジアマッティの後頭部がリアル!(笑)
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物語の途中、レイとクレアの回想が何年前~何ヶ月前~何週間、何日~と観せられます。
同じセリフのやり取りが過去に別の国でも起こっていたり、いくつか違和感があったりするのだけれど、彼らの計画が次第に明らかになって謎解きが始まるとなるほど納得。
スパイである二人は果たしてそれが本心なのか?!
本当にお互いを信用しているのか?!本当に愛し合っているのか?!
と、こちらも疑心暗鬼で安心して観ていられない(笑)
ましてスパイ仲間の前でも一芝居するから、ますます予定通りかそれとも否か?!と。
職業柄、愛も複雑(苦笑)
スパイとしての有能さ(上手な嘘)をお互い認めているからこそ、いつか裏切るのではないかという疑惑が見え隠れする二人の会話は微笑ましくも見えてしまう。
仕事上レイと関係した女子社員を調査するクレア、レイの部屋にあった“ひもパン”を追求する場面なんか特に面白かった!
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常にレイの上をいくクレアの気の強さはジュリア・ロバーツには合っていたし、
クライヴ・オーウェンは「ザ・バンク」のようにハードな男臭さはなく、クールを装うけど心底クレアに惚れちゃってる男でした(笑)

で、やはりこの人!ポール・ジアマッティ!
これまで「サイドウェイ」「レディ・イン・ザ・ウォーター」など、善良で気の弱そうな情けないおっさんのイメージだったけど、
先日WOWOWでクライヴ・オーウェンとの「シューテム・アップ」観て、この人、こんな変な役もやるんだ!!と驚いたばかり。
今回の社長役も、一体どこに根拠があるか解らないけど、えらい自信家で感情的。
新興企業のトップにありがちな人物像はピッタリと嵌っていて、老舗のトップ、トム・ウィルキンソンの一筋縄ではいかないタヌキ親父と対照的でした!
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二転三転、どんでん返しのストーリーは、勘の良い方ならキャスティングからも想像できると思いますが、
観客をも騙されるように組まれたギルロイ監督の脚本は、ユーモアありスパイ行為のハラハラありと、スタイリッシュなサスペンスコメディでした。
「ボーン」シリーズは大好きで、「フィクサー」はイマイチ良く解らなかったけど、
これは遊び心を持ちながら、大企業って、会社(利益)のためならハッキングだろうがスパイだろうが盗用だろうが…何だってやっちゃうぞーって皮肉も効いていました。

トニー・ギルロイ、「消されたヘッドライン」の脚本にも関わってるんですね…

2009年 5/1公開 アメリカ映画
監督  トニー・ギルロイ