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リリィ、はちみつ色の秘密 

2009, 03. 30 (Mon) 00:54

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1964年、アメリカ南部サウスカロライナ州。
14歳の少女リリィ(ダコタ・ファニング)は、4歳の時に誤って拳銃で母親を殺してしまった。
薄情な父T・レイ・オーウェンズ(ポール・ベタニー)との暮らしに疲れたリリィは、黒人家政婦のロザリン(ジェニファー・ハドソン)と一緒に家を出ることにした。
ティブロンの町で、養蜂場を経営する黒人三姉妹ボートライト家にたどりつく…

スー・モンク・キッドの全米ベストセラー「リリィ、はちみつ色の夏」を映画化したヒューマン・ドラマ。
差別が色濃く残る60年代のアメリカ南部を舞台に、幼少期の悲劇が原因で家族の愛を知らずに育った14歳の白人少女リリィが黒人三姉妹との交流を通じて成長していくひと夏の物語を綴る。
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10代の少女は傷つきやすい…
ましてや母の死に悩み、誰かに愛されたいと願うリリィに、
「ママはお前を捨てた」とぬかす父親は愛情のカケラさえない。

法の下では平等が保障されても、黒人に対する差別は根強く残る60年代。
家政婦のロザリンは白人に楯突き暴行を受ける。
そんなロザリンと一緒に転がり込んだ先には、養蜂業を営む寛容な長女オーガスト(クイーン・ラティファ)、
進歩的な考えで冷静な音楽教師次女ジューン(アリシア・キーズ)、
優しくて傷つきやすく心を病んだ繊細な三女メイ(ソフィー・オコネドー)が住んでいた。

オーガストの仕事を手伝いながら、3姉妹との暮らしの中で次第に癒されていくリリィ。
「大切なのは蜂に愛を送ること」というオーガスト。
時に躓きながら、人の優しさや強さ、本当の愛の意味を学びリリィは成長していく。
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090204_lily_bees_sub1リリィ、はちみつ色の秘密
この映画には、心に傷を持ち厳しい現実に直面する女性が多く登場します。
主人公のリリィをはじめ、結婚生活に疲れ切って家を出てしまった彼女の母親デボラ。
黒人家政婦のロザリンは、袋叩きにあって命の危険にさらされ、
養蜂場のメイは、双子の姉妹が死んでしまった悲しみから心に傷を負っている。

原作者、監督も女性で、全編通して女性目線で展開されていきます。
愛情溢れた生き方を望む女性の人生観は、たくましくもあり切なくもあり、また現実とのギャップに苦しんだりしてしまう。
「完璧な愛はない」というオーガストのセリフは心に染みました。
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オーガストの蜂蜜は品質が良く、貧困にあえぐ黒人の姿はここにはなく一家はとても裕福そう。
ビジネスが成功しているだけではなく、リリィとロザリンに対しても寛容な心で受け入れる母性があり、人々の精神的な支えとなっている。
そんなオーガスタを演じるクイーン・ラティファの存在感は、優しい笑顔と全身から溢れ出るような大らかさで安心できます。
ジェニファー・ハドソン、アリシア・キーズとチョットだけ歌ってくれます♪

ダコタ・ファニングは、相変わらずお上手でした。
14歳にもなれば、そろそろ大人の女性へと成長する年頃。
身体つきはまだ子供っぽいですが、手足の長さ、どことなくしなやかな身のこなしなど、もう大人の彼女は目の前ですね(笑)

家族の死や人種差別など問題を描いていますが、その部分は柔らかくオブラートに包んだ描き方だったと思うので、少女の心の成長を綴る暖かな物語でありました。

2009年 3/20公開 アメリカ映画
監督 ジーナ・プリンス=バイスウッド