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アラトリステ 

2008, 12. 27 (Sat) 10:10


無敵艦隊を大英帝国軍に撃破されて以来、その栄華に陰りが見え始めた17世紀のスペイン。
国王フェリペ4世に仕える兵士ディエゴ(ヴィゴ・モーテンセン)は、
フランドルで命を落とした友人の息子イニゴ(ウナクス・ウガルデ)を引き取る。
やがて、イギリスから来た異端者ふたりを殺すようにという依頼を受けたことから、思いもよらぬ陰謀の渦に巻き込まれていく…

架空の主人公、アラトリステの愛と冒険を描いたアルトゥーロ・ペレス=レベテの大河ロマン小説の映画化。
081107_alatriste_mainアラトリステ
歴史物は嫌いじゃないし、ヴィゴの主演だしと観て来ましたが、
これは小説のファンの人、スペインの歴史に詳しい人以外は予習が必要だと思いました。
全体の印象としたら、
1年かけて放送するNHKの大河ドラマを、2時間30分に詰め込んで観せられた感じ。
しかも原作5巻分というから、小説の世界に触れていないとこの尺の長さは辛かった…

16世紀末、イギリスに敗退した「太陽の沈まない国」スペインは、オランダ、ポルトガルと失い黄金時代が終結。
ヨーロッパの歴史は複雑な上に、流れが(繋ぎ)が唐突で、
いつの間にか見落としているんじゃ?と不安になるほど、ダイジェスト版のように飛び飛びでありました。
映像は、かつての栄華から徐々に衰退していく当時のスペインって空気は感じるのですが、
終始暗くて、埃っぽくて、少し観にくかったです。
331715view004アラトリステ
アラトリステと人妻女優のマリア、
イニゴとアンヘリカの恋物語もありますが、どちらも深みを感じれない。
アンヘリカって、始めは何か企んでいたんじゃないの?
他、実在の人物を絡めながらの人物相関図は、いささか複雑。
特にアラトリステに仕掛けられる陰謀が(首謀者が)ハッキリと理解できなかった。
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冒頭のフランドルの戦いなど決闘シーンより、どちらかと言えば、文学的な流れの方が印象に残りました。
貧乏で大した地位もないけど、誇り高いアラトリステがどう戦おうとスペインは衰退していく。
ヴィゴの衣装もくたびれていてどこか匂いそう(苦笑)
原作物語はきっと面白いのだろうけど、
映画は途切れ途切れで大まか急ぎ足で、全体のバランスは良くなかったです。
必要以上の派手さは要らないにしても、もう少しドラマチックに盛り上げた方が楽しめるのに。
081107_alatriste_sub1アラトリステ
ヴィゴは素敵でした♪
ベッドシーンに入浴シーンとサービスショットもあるし、孤高の剣の達人って配役にはピッタリ。
前編スペイン語なので、ヴィゴファンには美味しさ満開でしょう~♪
匂いそうでもセクシーです!

イニゴ役のウナクス・ウガルデは、
「コレラの愛の時代」でハビエル・バルデムの少年時代を演じていました。
「宮廷画家ゴヤは見た」にも出ていたみたい…

今年ラストの映画になりました。

2008年 12/13公開 スペイン映画
監督 アグスティン・ディアス・ヤネス