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ラースと、その彼女 

2008, 12. 23 (Tue) 23:22

larsandtherealgirl_galleryposterLARS AND THE REAL GIRL
雪に覆われた小さな田舎町。
町の人たちからMr.サンシャインと慕われている優しい青年、ラース(ライアン・ゴズリング)は、
幼い頃のトラウマから人との繋がりを避けて生活している。
ある日、ラースは兄夫婦ガス(ポール・シュナイダー)とカリン(エミリー・モーティマー)にガールフレンドを紹介する。
喜ぶ夫婦が紹介されたのは、インターネットで注文した等身大のリアルドール“ビアンカ”だった。

リアルドールを本物の彼女と思い込んでしまった青年と、当惑しながらも優しい眼差しを向ける周囲の人々との温かさ溢れるハートフル・コメディ。
329674view002ラースと、その彼女
良い映画でしたぁ~♪
色々書きたいけど、ご覧頂いた方が良いと思うので止めときます!

雪景色も時節にピッタリだったし、
何と言っても周りの人達の温かさが、じんわ~りと心に染み込んで来ます。
誰一人として悪い人間が出てこないのも、安心して楽しめます。
329674view005ラースと、その彼女
ラースは社会性コミュニケーション能力が少し低く、
加えて純粋すぎるが故、ちょっと変わったところがある男性。
普通に考えれば、リアルドールと過ごすなんてかなり深刻な状況ですね~。
現に、兄夫婦の戸惑いや驚きは説明がつかないほどです。
ところがそうした深刻さを、決してシリアスには描いていません。
この兄夫婦の戸惑いの数々は、傍から見るとなんとも言えない笑いが溢れてしまいます(ごめんなさい~笑)
ラースが会社の同僚マーゴ(ケリ・ガーナー)が大切にしているものを蘇生する場面もとても良かった♪
心地よいユーモアで流れていく物語の中に、人と人との温かな繋がりを感じます。
photo_12_hiresLARS AND THE REAL GIRL
兄夫婦が相談したバーマン医師(パトリシア・クラークソン)は、暫くラースの妄想に付き合うようにと勧め、
偏見の目で見るだろう町の人々も協力して、皆でビアンカを生身の女性として扱うのです。

男性へのセクシャル目的で使用される等身大人形を、
町の人達がこれまた温かく接するのは、ほのぼのとした可笑しさがある。
社会性のないラースに対して、ビアンカがどんどん社会性を持ち始めていく過程も上手い脚本だな~と思いました。
329674view004ラースと、その彼女
ラースが人と触れ合う事が苦手になってしまったことなど、多くは語られないのですが
ビアンカを連れて両親の墓参りに行ったり、カリンに宿った新しい命、自分の生い立ちや自分の中にある恐れなど、中盤以降、バーマン医師との会話からさりげなく伝わってきます。
救急車がビアンカを運んだり、教会の儀式など、そこまでやってくれるの?とも思いますが、田舎町だからありえるのかな。

精神のバランスを崩した人への治療マニュアルもなく、押し付けも責めもなく、ただ受け入れることの大切さを感じました。
ラースが優しい人間性の持ち主であることを、町の人たちが知っているから自然と手を差し伸べたくなるのでしょう。

でもラースのような人物が大都会にいて、
ある日突然リアルドールを連れ歩いていたら、偏見を持ったり危険を感じたりするだろうから、
ある意味、田舎町を舞台にしたファンタジーな要素がある映画でもあると思います。
329674view003ラースと、その彼女
ライアン・ゴスリングがとっても良かったです。
ラースは決して人嫌いではないのですが、一人で居るほうが気が楽なんでしょうね。
他人に対して見て見ぬ振りできない心配り、戸惑いを隠せない表情や言動がまさに彼そのものだと思いました。
一見はどこからどう見ても立派な大人なのに、
ガスに「どんな時に大人になったと感じた?」と問うナイーブな様子など、他の色んな面からもラースと言う人物像をたくさん感じることができました。

兄嫁のエミリー・モーティマーも良かったです。
こんな義理の弟がいたら、一番に毛嫌いしそうな立場かもしれないけど、
ラースに対する愛情は家族以上のものがあるようにも思えるし、兄嫁と言うワンクッションがあるから、兄弟の間で上手く仕切れるんだな~とも感じました。

お近くで上映あれば、是非お出かけください♪

2008年 12/20公開 アメリカ映画
監督  クレイグ・ギレスピー