バンク・ジョブ
2008, 12. 18 (Thu) 23:50

1971年、イースト・ロンドン。
中古車店を営むテリー(ジェイソン・ステイサム)は、資金繰りに頭を悩ませていた。
ある日、昔なじみのマルティーヌ(サフロン・バロウズ)から、銀行強盗の話を持ちかけられる。
仲間のケヴィン(スティーヴン・キャンベル・ムーア)とデイヴ(ダニエル・メイズ)に相談し、実行することを決めた。
英国最大の実在の銀行強盗事件が映画化。
思いも寄らぬ“秘密”を手にした素人強盗団の運命を描き出すクライム・サスペンス。
監督は「13デイズ」「世界最速のインディアン」のロジャー・ドナルドソン。


黒人活動家マイケルXは、マーガレット王女のスキャンダル写真をたてにして刑を逃れていた。
麻薬の持ち込みで空港税関で逮捕されたマルティーヌは、
助けを求めたMI-5のエヴェレット(リチャード・リンターン)に、身柄の引き換えに銀行強奪の話を持ちかけられる。
エヴェレットは、事実を伏せたまま、マルティーヌに写真を持ち帰らせる計画だった。
何も知らないテリーたちは、銀行の二軒隣の空家から、地下を掘り強盗に入るが…
今回のジェイソン・ステイサム、
過去、裏社会で生きてきたが、今は妻と二人の娘を愛するごく普通の男。
借金が返せず、くたびれた感じも。
「トランスポーター」のように渋い超人ではないけれど、
これが案外とはまっていて、新たな彼の魅力を発見です。
物語は、展開もテンポも良い仕上がりでとても面白かったです♪
強盗に入るまでとその後、全く別の緊迫感ある山場が2度やってくるって感じでした。

当初、トップ・ニュースとして報じられた強盗事件は、
英国史上数回しか発令されたことのないD通告(国防機密報道禁止令)による報道規制がなされたため、マスコミも警察も沈黙を守り通した。
その背景には、英国全土を揺るがす一大スキャンダルがあったという。
強盗に入った貸金庫で見つけた王室スキャンダルが、テリーや仲間達の運命を変えることになる。
70年代、素人の集まりが起こした銀行強盗なので、
地下を掘ったり無線の通信など、ちょっと間抜け?に見えるんだけど、そこはプロの完璧さがなく返ってリアルに感じました。
が、地下室までたどり着いたのに、煙で中が見えないからって一休みなんてのんびりしてるし、
銀行のセキュリティーもまだまだ甘い。
7~8割が事実らしですが、スキャンダルの王女が実名なんて、日本では考えられない?!


情報局保安部MI-5、裏帳簿を盗まれたポルノ王、汚職警官と議員の秘密など、
持っているだけで相当ヤバイ物を手にしたテリーたちは、窮地に立たされる。
当然犠牲者も出るのですが、
MI-5やポルノ王と複雑に絡み合う駆け引き、スリルと頭脳戦は緊張感がありました。
登場人物は多いので多少混乱しましたが、
それぞれ立場の思惑が見え隠れるする心理も面白かったです。
MI-5とロンドン市警察の関係、警察の汚職など呆れるくらいアホっぽく小気味も良いです。
「トロイ」「再会の街で」のサフロン・バロウズのセクシーな女性と、
テリーの妻ウェンディ(キーリー・ホウズ)の家庭的な女性。
どちらの女性も魅力的で素敵でした。
2008年 11/22公開 イギリス映画
監督 ロジャー・ドナルドソン