デス・レース
2008, 12. 02 (Tue) 11:16

2012年、経済が破綻、失業率も犯罪も増加をたどるアメリカ。
刑務所の運営は民間へ委託され、孤島の刑務所ターミナル・アイランドで繰り広げられる過激な「デス・レース」は人気番組となっていた。
殺人の濡れ衣を着せられた元レーサーのジャンセン・エイムズ(ジェイソン・ステイサム)は、
刑務所の所長ヘネシー(ジョアン・アレン)からレース出場を強要される。
特殊武装が施されたスーパーカーを武器に、流血と破壊が渦巻く非情なレース。
ロジャー・コーマン監督のカルト・ムービー「デス・レース2000年」(75)のリメイク版。

シルベスター・スタローンが出ていたという「デス・レース2000年」は観たことがありませんが、
そのオリジナルを活かしつつ、別物に仕上げられたそうです。
トム・クルーズ主演で動いていた企画だというお話もあるんですね。
武装を施した車で行なわれるレースは、ただ走るだけでなくマシンガンやロケット弾などで殺し合いながら3日間の行程でゴールを目指し、5回優勝した囚人は晴れて自由の身になれる。
刑務所はレースをインターネット放映することにより、巨額の利益を上げるという仕組み。
視聴率優先の女所長は、5勝を目前に死んでしまったフランケンの事を隠し、エイムズに彼の身代わりになりレースに出るよう言い渡す。
赤ん坊を残してきたエイムズは、優勝で保釈されるのならと引き受ける。

裏があるストーリーは早いうちに読めてしまい、ラストまでお決まりでした。
なので、何も考えず、カーアクションとタフで無敵なジェイソンを楽しむ映画。
刑務所で繰り広げられるレースは、踏むと武器や防御装置の使用が可能になるポイントが設けられ、ゲーム感覚で進んでいきます。
武装した車からの攻撃や防御策は激しいバトルで、ガンガン撃ちまくり、爆破、炎上、大破…とメンバーが減っていきます。
視聴率を上げる狙いで、助手席にはナビケーターのグラマーな女囚たち。

迫力はあるのですが、全体的にセピアな映像で、車もダークで薄汚れた鉄の塊みたいで識別しにくいし、
レースも3回だったかな~あるのですが、同じ繰り返しのようで次第に飽きてきました。
おまけに後半登場した“あれ”は、いささか非現実的過ぎて反則っぽい(苦笑)
あんなもの突然コース上に現れて攻撃したら、あなたの一人勝ちじゃん!?
返って視聴率下がるんじゃないない?
銃弾打ち込んで相手を殺す事に焦点がありすぎて、レースの順位も周回も、結局何を争っているのかもわからなくなってきた(汗)
メンテナンス中の車に爆弾を仕掛けたら、すぐバレるでしょうに。
ビデオ見て何に気付いたのかはっきりしないし(脱走の突破口?ルート?)
脱獄不可能の割には、簡単に橋を渡りきって~とツッコミも多々。
カーレースなら、運転技術やとっさの判断力で、抜きつ抜かれつ攻防戦の方が私は好みかな。
過激で迫力ありますが、残酷な死にかた描写なので、弱い方にはかなりハードかもしれません。
実写で撮ることにこだわったアンダーソン監督、スタントさん、撮影さんの命がけな熱意は伝わります。


ジェイソン・ステイサム、
お見事な筋肉を披露するサービスショットに、殴られても絞められても殆ど無傷で反撃は強い!!
でもイマイチ彼の魅力が引き出されないまま終了~な印象。
結局、私が一番楽しんだのは、超ドS所長のジョアン・アレンでした♪(笑)
冷酷で冷淡な悪女だよぉ~。
顔色ひとつ変えず指令を出し、ひとり、またひとりと、×が出るたびニンマリするお顔が凄い。
囚人から「デビル」と呼ばれるだけのことはある。
下品な言葉は大嫌いと、見るからにお上品な彼女がキレた途端、羅列したピーッ!
そのお言葉は、エンド・ロールに繰り返されたのがまた可笑しくて!
凛としたサディスティックなパメラ(ボーン・シリーズ)に楽しませてもらいました~♪
女目線の感想ですみません(苦笑)
2008年 11/29公開 アメリカ映画
監督 ポール・W・S・アンダーソン