ごあいさつ
2008, 12. 30 (Tue) 09:07

こんなつたない所へ、TB、コメントたくさんいただきまして、嬉しく思っています

一つの映画を観てあれこれ感じたことを言葉にする難しさはありますが、
みなさまの感想を読ませて頂いたり、お話させて頂く事で、作品がより深いものとなった1年でありました

来年も素敵な映画に出会い、みなさまと楽しく語りたいなぁ~と願っております

残すところあと1日と何かと忙しいですが(これから大掃除です


体調に気をつけて、良いお年をお迎えください~


来年もどうぞ宜しくお願いします

2008年総まとめ
2008, 12. 28 (Sun) 00:08

今年は劇場で89本鑑賞できました

(洋画84本、邦画5本)
2回以上観た作品を入れたら97回劇場へ足を運んだことになります

忙しい時にぶつかってしまい、見逃してしまった作品も何本かあって残念でしたが、
数々の素敵な作品に出会えた1年でありました

DVD&WOWOWでは、119作品を観る事ができました。
マイ・ベスト作品

「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」

「ペネロピ」

「つぐない」

「ジェイン・オースティンの読書会」

「幻影師アイゼンハイム 」

「イースタン・プロミス」

「告発のとき」

「ダークナイト」

「宮廷画家ゴヤは見た」

「ゲット スマート」

「その土曜日、7時58分」

「ブーリン家の姉妹」

「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」

「WALL・E/ウォーリー」

「ラースと、その彼女」

順位はつけれないので、こんな感じで…

「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」
ジョニー作品の中でもかなり上位に食い込んできた好きな映画です

復讐だけにかられた男と、秘かな恋心を抱く女の狂気

シュッパシュッパと切りまくったので、苦手な方も多かったでしょうねぇ~

ソンドハイムの楽曲とティム・バートンの世界観が隅々まで感じられました。
ジョニーの歌声に惚れ

「宮廷画家ゴヤは見た」
ナタリーの迫真の演技は見もの

アカデミー受賞「ノーカントリー」も良かったけど、こちらのハビエルもまた凄かった

ドラマティックな展開で引き込まれました

「その土曜日、7時58分」
家族を巻き込んで、どんどん追い込まれていく兄弟の様子はとてもリアル

結末も衝撃…
ホフマン、イーサン、アルバート・フィニー、役者さんも上手だった

この3作品の登場人物は、ごく普通の人であったのに、どうしてこんな事に?!…と思う怖さがありました。
善良な市民トッドは判事の策略で、
心優しいイネスは、神父に目を付けられた事から、
アンディとハンク兄弟はお金に困り――
ちょっとした歯車の、ボタンの掛け違いから不幸の連鎖を生んでしまう。
救いのない物語には、人間の深い心の闇(病み)を感じました。

「ペネロピ」
ブタ鼻だけど、チャーミングで前向きなペネロピ

現代のお姫様物語は、
誰かに頼るだけではなく、自分を見つめありのままを受け入れる大切さを教えてくれました

「ジェイン・オースティンの読書会」
置かれている立場は違えど、
ごく普通の人達が普遍的な暮らしの中から、生活に輝きや潤いを見つけていく。
食事やお酒付きの読書会がとっても楽しそう~

映画感想会とかしてみたい

「ラースと、その彼女」
リアルドールを恋人と紹介された家族や町の人達、
トラウマに悩むラースの姿が、笑いの中に真摯に描かれる。
人形が人間に与えたものは…
壁を乗り越え変わる事を、心地の良い空気で伝えられました

どの作品もユーモアーと温かさがあり、人と関わり触れ合う事の大切さを感じます。
ひとりじゃないんだ!って

勇気が持てるハートフルな自己再生映画でした


「つぐない」
ベスト3を決めるなら、間違いなく入ります。
少女のたったひとつの嘘に人生を大きく変えられてしまった愛する二人。
“つぐなう”とは―
考えさせられた映画でした。
映像、音楽、タイプの効果音も全てが作風に合っていて、見応えがありました。
ガリのキーラですが、噴水のシーンもグリーンのドレスもとっても美しかった

マカちゃんの切ない瞳が目に焼きついてます


「ダークナイト」
1月に急死したヒースが演じたジョーカー。
アメコミ領域から脱したような「バットマン」は、色んな意味で特別な思いが残る作品となりました。
クリスチャン・ベールはもちろん、アーロン・エッカートのトューフェイスもとても良かった。
普通なら続編で期待がイッパイなんだけど、涙、涙のエンドロールでした







今年はダントツでマカちゃんです

公開映画も3本と多く、それぞれのジャンルできっちりとキャラを演じてました

「ウォンテッド」のアクションも良かったですが、私は「ペネロピ」のジョニーが一番好みかなぁ~

どの作品も魅力的で大満足です


去年に比べると、ミュージカルやラブコメは不発だったかなぁ~。
変わりにヒーローものは多かったですね~

「インクレディブル・ハルク」「アイアンマン」も良かったです

18年振りの「インディ・ジョーンズ」もわくわくさせられた作品でした

アニメーションでは、「カンフーパンダ」「WALL・E/ウォーリー」 と、
どちらも大切なメッセージーが描かれている内容で、子供もから大人まで一緒に楽しめる作品であったと思います。
来年も良作な映画に出会えることを楽しみにしています

アラトリステ
2008, 12. 27 (Sat) 10:10

無敵艦隊を大英帝国軍に撃破されて以来、その栄華に陰りが見え始めた17世紀のスペイン。
国王フェリペ4世に仕える兵士ディエゴ(ヴィゴ・モーテンセン)は、
フランドルで命を落とした友人の息子イニゴ(ウナクス・ウガルデ)を引き取る。
やがて、イギリスから来た異端者ふたりを殺すようにという依頼を受けたことから、思いもよらぬ陰謀の渦に巻き込まれていく…
架空の主人公、アラトリステの愛と冒険を描いたアルトゥーロ・ペレス=レベテの大河ロマン小説の映画化。

歴史物は嫌いじゃないし、ヴィゴの主演だしと観て来ましたが、
これは小説のファンの人、スペインの歴史に詳しい人以外は予習が必要だと思いました。
全体の印象としたら、
1年かけて放送するNHKの大河ドラマを、2時間30分に詰め込んで観せられた感じ。
しかも原作5巻分というから、小説の世界に触れていないとこの尺の長さは辛かった…
16世紀末、イギリスに敗退した「太陽の沈まない国」スペインは、オランダ、ポルトガルと失い黄金時代が終結。
ヨーロッパの歴史は複雑な上に、流れが(繋ぎ)が唐突で、
いつの間にか見落としているんじゃ?と不安になるほど、ダイジェスト版のように飛び飛びでありました。
映像は、かつての栄華から徐々に衰退していく当時のスペインって空気は感じるのですが、
終始暗くて、埃っぽくて、少し観にくかったです。

アラトリステと人妻女優のマリア、
イニゴとアンヘリカの恋物語もありますが、どちらも深みを感じれない。
アンヘリカって、始めは何か企んでいたんじゃないの?
他、実在の人物を絡めながらの人物相関図は、いささか複雑。
特にアラトリステに仕掛けられる陰謀が(首謀者が)ハッキリと理解できなかった。

冒頭のフランドルの戦いなど決闘シーンより、どちらかと言えば、文学的な流れの方が印象に残りました。
貧乏で大した地位もないけど、誇り高いアラトリステがどう戦おうとスペインは衰退していく。
ヴィゴの衣装もくたびれていてどこか匂いそう(苦笑)
原作物語はきっと面白いのだろうけど、
映画は途切れ途切れで大まか急ぎ足で、全体のバランスは良くなかったです。
必要以上の派手さは要らないにしても、もう少しドラマチックに盛り上げた方が楽しめるのに。

ヴィゴは素敵でした♪
ベッドシーンに入浴シーンとサービスショットもあるし、孤高の剣の達人って配役にはピッタリ。
前編スペイン語なので、ヴィゴファンには美味しさ満開でしょう~♪
匂いそうでもセクシーです!
イニゴ役のウナクス・ウガルデは、
「コレラの愛の時代」でハビエル・バルデムの少年時代を演じていました。
「宮廷画家ゴヤは見た」にも出ていたみたい…
今年ラストの映画になりました。
2008年 12/13公開 スペイン映画
監督 アグスティン・ディアス・ヤネス
Merry Christmas
2008, 12. 25 (Thu) 01:28
ラースと、その彼女
2008, 12. 23 (Tue) 23:22

雪に覆われた小さな田舎町。
町の人たちからMr.サンシャインと慕われている優しい青年、ラース(ライアン・ゴズリング)は、
幼い頃のトラウマから人との繋がりを避けて生活している。
ある日、ラースは兄夫婦ガス(ポール・シュナイダー)とカリン(エミリー・モーティマー)にガールフレンドを紹介する。
喜ぶ夫婦が紹介されたのは、インターネットで注文した等身大のリアルドール“ビアンカ”だった。
リアルドールを本物の彼女と思い込んでしまった青年と、当惑しながらも優しい眼差しを向ける周囲の人々との温かさ溢れるハートフル・コメディ。

良い映画でしたぁ~♪
色々書きたいけど、ご覧頂いた方が良いと思うので止めときます!
雪景色も時節にピッタリだったし、
何と言っても周りの人達の温かさが、じんわ~りと心に染み込んで来ます。
誰一人として悪い人間が出てこないのも、安心して楽しめます。

ラースは社会性コミュニケーション能力が少し低く、
加えて純粋すぎるが故、ちょっと変わったところがある男性。
普通に考えれば、リアルドールと過ごすなんてかなり深刻な状況ですね~。
現に、兄夫婦の戸惑いや驚きは説明がつかないほどです。
ところがそうした深刻さを、決してシリアスには描いていません。
この兄夫婦の戸惑いの数々は、傍から見るとなんとも言えない笑いが溢れてしまいます(ごめんなさい~笑)
ラースが会社の同僚マーゴ(ケリ・ガーナー)が大切にしているものを蘇生する場面もとても良かった♪
心地よいユーモアで流れていく物語の中に、人と人との温かな繋がりを感じます。

兄夫婦が相談したバーマン医師(パトリシア・クラークソン)は、暫くラースの妄想に付き合うようにと勧め、
偏見の目で見るだろう町の人々も協力して、皆でビアンカを生身の女性として扱うのです。
男性へのセクシャル目的で使用される等身大人形を、
町の人達がこれまた温かく接するのは、ほのぼのとした可笑しさがある。
社会性のないラースに対して、ビアンカがどんどん社会性を持ち始めていく過程も上手い脚本だな~と思いました。

ラースが人と触れ合う事が苦手になってしまったことなど、多くは語られないのですが
ビアンカを連れて両親の墓参りに行ったり、カリンに宿った新しい命、自分の生い立ちや自分の中にある恐れなど、中盤以降、バーマン医師との会話からさりげなく伝わってきます。
救急車がビアンカを運んだり、教会の儀式など、そこまでやってくれるの?とも思いますが、田舎町だからありえるのかな。
精神のバランスを崩した人への治療マニュアルもなく、押し付けも責めもなく、ただ受け入れることの大切さを感じました。
ラースが優しい人間性の持ち主であることを、町の人たちが知っているから自然と手を差し伸べたくなるのでしょう。
でもラースのような人物が大都会にいて、
ある日突然リアルドールを連れ歩いていたら、偏見を持ったり危険を感じたりするだろうから、
ある意味、田舎町を舞台にしたファンタジーな要素がある映画でもあると思います。

ライアン・ゴスリングがとっても良かったです。
ラースは決して人嫌いではないのですが、一人で居るほうが気が楽なんでしょうね。
他人に対して見て見ぬ振りできない心配り、戸惑いを隠せない表情や言動がまさに彼そのものだと思いました。
一見はどこからどう見ても立派な大人なのに、
ガスに「どんな時に大人になったと感じた?」と問うナイーブな様子など、他の色んな面からもラースと言う人物像をたくさん感じることができました。
兄嫁のエミリー・モーティマーも良かったです。
こんな義理の弟がいたら、一番に毛嫌いしそうな立場かもしれないけど、
ラースに対する愛情は家族以上のものがあるようにも思えるし、兄嫁と言うワンクッションがあるから、兄弟の間で上手く仕切れるんだな~とも感じました。
お近くで上映あれば、是非お出かけください♪
2008年 12/20公開 アメリカ映画
監督 クレイグ・ギレスピー
ブロークン・イングリッシュ
2008, 12. 22 (Mon) 00:08

ニューヨークのホテルで、VIP対応係を務める30代独身のキャリアウーマン、ノラ(パーカー・ポージー)は、
母親のヴィヴィアン(ジーナ・ローランズ)に結婚のことを心配されるものの、
男運が悪いのか、ますます縁遠くなっていく日々。
ある日、気分転換に出席したパーティで、フランス人男性のジュリアン(メルヴィル・プポー)と出会う。
結婚適齢期を迎えた30代ヒロインのロマンスを描くラブストーリー。
“インディペンデント映画の雄”ジョン・カサヴェテスと、女優ジーナ・ローランズを両親に持つサラブレット、ゾーイ・カサヴェテスの監督デビュー作品。

純愛が大の苦手な私が泣けた映画、「きみに読む物語」の監督ニック・カサヴェテスがお兄さんとのこともあり、少し期待はしたのだけれど、正直、詰まらない内容でした。
ホテルのお客の俳優に誘われ、食事に出掛け意気投合の挙句、そのままベッドイン。
相思相愛かと思ったら、その俳優が恋人の女優とラブラブだと語るテレビ番組を見て撃沈――
クスッとなるラブコメかと思いきや、
ジュリアンと出会った辺りからドンドン退屈で面白くないものになってしまいました。
特別な盛り上がりもなく、淡々と過ぎていった感じです。

ジュリアンは魅力的でイケメンだし、出会いからたった数日であろうが恋に落ちるのも良いのですが、
ノラという適齢期の女性は、自暴自棄なタイプであまり好きになれなかったです。
突然情緒不安定になったり、愛されたいから結婚したいとか、繊細でどこかしらイタイ。
それが等身大なのかもしれないし、
傷ついたり絶望したり、不安になったり慎重になったりするのは解かるけど、
今、アラフォー(アラサー)と言われる人達は、もっと前向きで楽しみを持ち、生き生きと暮らしていると思う。
ノラの不安定さにはあまり共感できませんでした。
一緒にいると楽しいからパリに来て欲しいと言うジュリアンにも、そこまでのノラへの思いが伝わってこなかったなあ。

イタイほど深刻な女性だと思ったら、後半は急にロマンチックにパリに向かう。
見ず知らずの人にお届け物を持って親友オードリーと出掛けるけど、その経緯を見逃したのかよく解からなかった(汗)
わざわざそんなエピが必要かしら?と疑問…
ノラが自分を変えようとしていくのは良いけれど、
大切な電話番号を無くしてしまい、帰国寸前、偶然に地下鉄で再会するのはこじつけた感じ。
あの終わり方は「ビフォアーサンセット」ぽかった。
ジーナ・ローランズが「今の若者たちは選択肢が多い分、混乱していて気の毒」みたいなセリフなど、登場する年配者のさまざまな言葉には重みがありました。

ノラを演じている40歳のパーカー・ポージー。
キアヌの恋人との噂もあるけど、
落ち込んでくたびれてブチャイクな時は、ヒラリー・スワンク、
バッチリとメイクして綺麗な時は、サンドラ・ブロックに似ていました(苦笑)
2008年 12/13公開 アメリカ・日本・フランス映画
監督 ゾエ・カサヴェテス
ワールド・オブ・ライズ
2008, 12. 21 (Sun) 17:20

危険な現場で任務を遂行するCIAの工作員ロジャー・フェリス(レオナルド・ディカプリオ)と、
安全なアメリカから指示をするエド・ホフマン(ラッセル・クロウ)は、ある国際的テロ組織のリーダーを捕獲するという重要任務にあたっていた。
大規模なテロを計画する首謀者の手がかりを得たロジャーは、
ヨルダンの諜報機関のトップ、ハニ・サラーム(マーク・ストロング)と接触する。
対照的な2人のCIAエージェントを軸に、
それぞれの“嘘”の頭脳戦を繰り広げていく社会派サスペンス・ドラマ。
原作は、ワシントン・ポスト紙のコラムニスト、デヴィッド・イグネイシャス。

ネタバレしてます
それなりには面白かったけど、
どうだろう…
拷問シーン、上空からのハイテク技術、自爆テロの爆破シーンなど、
中東、対テロを舞台にしたこの手の作品ではこれまでも描かれてきてるので、映画として珍しさやスリリングなものを感じなくなってしまったのかもしれない。
「嘘」についても、
嘘をつく男エド、嘘を許さない男ハニ、嘘に翻弄される男フェリスとそれは明確だけど、
CIAだのスパイだの潜入捜査ならこれぐらいの嘘は当然と思うし、嘘の重要性があまり感じなかった。
フェリスが仕掛けた偽テロリストが一番スゴイ嘘?!
あの建築家、気の毒だわ!

そんな嘘のことより、
テロ組織のリーダーを捕獲したのはアメリカの最新テクノロジーではなく、ハニによるアラブ流の勝利って事が、やはりここでもアメリカの驕りや放漫さを皮肉っている印象を持ちました。
エドが子供の世話をしながら、何か食べながらとプライベートな日常で、
淡々と冷酷な指令をするのは、どこか神経が麻痺してしまってるようで、今のアメリカを象徴するかのように感じます。
レオがメタボなラッセル・クロウに、
「デブ、ダイエットしろ!」と蹴飛ばしてひっくり返したのは笑えた!

「ブラッド・ダイアモンド」の演技が光っていたレオ君。
今回もアクションこなし熱演でしたが、個人的には「ブラッド・ダイアモンド」の方が良かったかな。
最近は社会派なアクション映画が続いているから、
次回作の「レボリューショナリー・ロード」は、ラブストーリードラマになるのかなぁ~楽しみです♪
王族の一人で、国王に次ぐ権力を持つハニはヨルダン情報局のトップ。
クールでスマート、上品で優雅。
断固とした信念の持ち主で、この方が一番カッコ良かったかも♪

2008年 12/20公開 アメリカ映画
監督 リドリー・スコット
地球が静止する日
2008, 12. 19 (Fri) 23:38

生物学者のヘレン(ジェニファー・コネリー)は、
亡き夫の連れ子ジェイコブ(ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス)と2人暮らし。
ある日、アメリカ政府の厳戒態勢に強制的に招集される。
それは地球に向かって飛んでくる謎の巨大な球体の謎を解き明かすべく、科学者たちが集められたのだった。
球体はセントラルパーク上空で静止し、
人間の姿をした宇宙からの使者クラトゥ(キアヌ・リーヴス)が現われた。
「ウエスト・サイド物語」「サウンド・オブ・ミュージック」の巨匠、ロバート・ワイズ監督が1951年に発表した「地球の静止する日」をベースにしたSFアクション。
監督は「エミリー・ローズ」のスコット・デリクソン。

ネタバレしてます
球体や砂?虫?が舞うシーンなどのCGは綺麗でしたし、
宇宙人キアヌはニコリともせず、終始無表情だったので、やはりこの方は外見は人間、中身は別モノって役が嵌ってるんだな~と思いました。
でも納得いかないというか、ツッコミたいトコもありましたねぇ…
使者クラトゥの指名は、オリジナルでは核戦争などへの警告だったそうですが、今作は環境破壊などへの警告。
何十年も地球に潜伏していた別の使者は、何の役割も果たしてないし、
亡くなった父を忘れられないジェイデンと継母ヘレン親子のエピソードが、クラトゥの気持ちを動かすことになったみたいだけど、どうやって納得して地球を去ったのか希薄だったかなぁ。

現れた球体やロボットに対する攻撃は、
地球上で権力を振るう人間の驕りや放漫な態度を強く感じました。
これではクラトゥの使命は当然だな~と思います。
大統領と副大統領が隠れている間、
代役となるレジーナ・ジャクソン(キャシー・ベイツ)の意見を無視した大統領。
「私たちは変われる」
ヘレンのセリフはまさにタイムリーなんですが、本当に大丈夫?なんて思いましたけど…
全体的にはもう少し掘り下げていれば良かったのになあ~と感じました。

キアヌの雰囲気は良かったし、ジェニファーコネリーも美しかったです。
昨日のプレミアでは、ご機嫌なキアヌでしたね~♪
ウィル・スミスの息子、ジェイデン君の演技が光ってました。
チョット憎たらしかったり不安だったりと、子供らしい感情が自然体でした。
あっ、虫ですが、やっぱり“あれ”みたいなモノですよね(苦笑)
分裂しながら増えていって、気持ち悪かったです(汗)
☆劇場に忘れ物をしてすぐ戻ったんですが、
明るくなった館内後方で、映画の終了も気付ず男性二人が爆睡してましたぁ~
2008年 12/19公開 アメリカ映画
監督 スコット・デリクソン
バンク・ジョブ
2008, 12. 18 (Thu) 23:50

1971年、イースト・ロンドン。
中古車店を営むテリー(ジェイソン・ステイサム)は、資金繰りに頭を悩ませていた。
ある日、昔なじみのマルティーヌ(サフロン・バロウズ)から、銀行強盗の話を持ちかけられる。
仲間のケヴィン(スティーヴン・キャンベル・ムーア)とデイヴ(ダニエル・メイズ)に相談し、実行することを決めた。
英国最大の実在の銀行強盗事件が映画化。
思いも寄らぬ“秘密”を手にした素人強盗団の運命を描き出すクライム・サスペンス。
監督は「13デイズ」「世界最速のインディアン」のロジャー・ドナルドソン。


黒人活動家マイケルXは、マーガレット王女のスキャンダル写真をたてにして刑を逃れていた。
麻薬の持ち込みで空港税関で逮捕されたマルティーヌは、
助けを求めたMI-5のエヴェレット(リチャード・リンターン)に、身柄の引き換えに銀行強奪の話を持ちかけられる。
エヴェレットは、事実を伏せたまま、マルティーヌに写真を持ち帰らせる計画だった。
何も知らないテリーたちは、銀行の二軒隣の空家から、地下を掘り強盗に入るが…
今回のジェイソン・ステイサム、
過去、裏社会で生きてきたが、今は妻と二人の娘を愛するごく普通の男。
借金が返せず、くたびれた感じも。
「トランスポーター」のように渋い超人ではないけれど、
これが案外とはまっていて、新たな彼の魅力を発見です。
物語は、展開もテンポも良い仕上がりでとても面白かったです♪
強盗に入るまでとその後、全く別の緊迫感ある山場が2度やってくるって感じでした。

当初、トップ・ニュースとして報じられた強盗事件は、
英国史上数回しか発令されたことのないD通告(国防機密報道禁止令)による報道規制がなされたため、マスコミも警察も沈黙を守り通した。
その背景には、英国全土を揺るがす一大スキャンダルがあったという。
強盗に入った貸金庫で見つけた王室スキャンダルが、テリーや仲間達の運命を変えることになる。
70年代、素人の集まりが起こした銀行強盗なので、
地下を掘ったり無線の通信など、ちょっと間抜け?に見えるんだけど、そこはプロの完璧さがなく返ってリアルに感じました。
が、地下室までたどり着いたのに、煙で中が見えないからって一休みなんてのんびりしてるし、
銀行のセキュリティーもまだまだ甘い。
7~8割が事実らしですが、スキャンダルの王女が実名なんて、日本では考えられない?!


情報局保安部MI-5、裏帳簿を盗まれたポルノ王、汚職警官と議員の秘密など、
持っているだけで相当ヤバイ物を手にしたテリーたちは、窮地に立たされる。
当然犠牲者も出るのですが、
MI-5やポルノ王と複雑に絡み合う駆け引き、スリルと頭脳戦は緊張感がありました。
登場人物は多いので多少混乱しましたが、
それぞれ立場の思惑が見え隠れるする心理も面白かったです。
MI-5とロンドン市警察の関係、警察の汚職など呆れるくらいアホっぽく小気味も良いです。
「トロイ」「再会の街で」のサフロン・バロウズのセクシーな女性と、
テリーの妻ウェンディ(キーリー・ホウズ)の家庭的な女性。
どちらの女性も魅力的で素敵でした。
2008年 11/22公開 イギリス映画
監督 ロジャー・ドナルドソン
アカデミー賞の司会者にヒュー・ジャックマン!
2008, 12. 17 (Wed) 00:21


こちら
こちら
こちら

アカデミー賞授賞式の司会者といえば、
TVコメディーショーのホストやコメディアン俳優が務めることが多かっただけに、
今回ヒュー・ジャックマンの起用は、イメージ一新をはかるものとなる…とのこと。
授賞式をプロデュースするのは、「ドリームガールズ」の監督・製作ビル・コンドンとローレンス・マーク。
歌とダンスが盛り込まれた授賞式になるのでしょうか~



ヒューの新作「オーストラリア」は、アカデミー賞では作品が不評らしく、
主演男優賞でもノミネートは、ほぼゼロに等しいらしい…
それでもアカデミー賞のホストは、毎年注目される顔でもあるし、
ヒューの抜擢(?)と起用は、この数年とは違ったものになることは間違いないでしょう~

スラリとした長身の容姿はバッチリ、タキシード姿もバッチリ

個人的にもますます楽しみなものになりましたぁ~

第81回アカデミー賞は、来年2月22日に開催されます

ヴィーナス
2008, 12. 16 (Tue) 14:03

70代の俳優・モーリス(ピーター・オトゥール)。
若い頃は浮き名を流した人気スターは、いまや仕事は死に役などばかりで、人生の輝きはすっかり過去のものとなっていた。
ある日、役者仲間イアン(レスリー・フィリップス)の姪の娘ジェシー(ジョディ・ウィッテカー)が、田舎町からやって来る。
モーリスは、自由奔放で無愛想なジェシーに心ときめかせてしまう。
20代の奔放な女性と出会い、人生を見つめ直す70代の男性が描かれるヒューマンドラマ。
監督は「ノッティングヒルの恋人」「Jの悲劇」のロジャー・ミッシェル。

老い先短いちょいエロ爺さんが、若い女性に恋心を抱く。
ユーモアある内容で性と死が描かれ、映像や洒落たセリフなどセンスが感じられる映画でした。
コミカルな展開なので、クスッとなる場面も。
若い娘を手なずけようと、あの手この手と尽くすモーリスの姿は、どこか哀れで滑稽。
老人に本気になるわけないのに、そんな娘を“ヴィーナス”と呼び、彼女を崇拝しているかのような彼の恋心は甘酸っぱくもあり哀愁もありました。

わがままで生意気、無教養で可愛くもないジェシーは、かなりイラつく子。
モーリスの下心をうまく利用しては貢がせたりするのに、「汚い、汗ダラダラ、ベタベタ!!」とか酷い事を平気で言うし、
過去に辛い思いをしたらしいけど、学習能力も向上心もない自堕落な娘。
終盤には少しずつ彼女の中で何かが変わり始め、
イアンに対しても謝罪や優しい心使いが出来るようになったラスト喫茶店のシーンは良かった。


老いても老いたなり、老人たちの生き方に生命力を感じました。
モーリス、イアン、ドナルドの仲間が毎日喫茶店で交わす会話や、細かい日常に笑いがあります。
元妻(ヴァネッサ・レッドグレーヴ )との関係も、しっとりとしていて良かったです。
モーリスを演じたピーター・オトゥールが、恋にときめき、エロっぽい想像したり、すっぽかされたり肘鉄くらったりと、そんな老人を見事に演じています。
モーリスそのもののように思えました。
美術館で「鏡のビーナス」を見せたモーリスの気持ちが実るような映画のラストシーンが印象的。
地味なストーリーですが、優しい作品に仕上がっていると思います。
2007年 10/27公開 イギリス映画
監督 ロジャー・ミッシェル
第66回ゴールデン・グローブ賞 ノミネート発表
2008, 12. 12 (Fri) 11:17

12月11日カリフォルニアのビバリー・ ヒルトン・ホテルで、
第66回ゴールデン・グローブ賞のノミネート発表が行われました。
こちら
こちら

助演男優賞ジョン・トラボルタ(Philip Seymour Hoffman)--『ダウト』
って、どうしたらこんなミステイクが…(苦笑)

こちら

テレンス・ハワード

注目のゴールデン・グローブ賞ノミネーションの発表です

作品賞(ドラマ部門)
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
「フロスト×ニクソン」
「愛をよむひと」原題「ザ・リーダー」
「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」
「スラムドッグ・ミリオネア」
「ダークナイト」はダメでしたか…

今回は、コメディ・ミュージカル部門よりドラマ部門の方が充実してるのかな

主演男優賞(ドラマ)では、ブラピとレオ君。
イーストウッドはダメだったんだ…
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」は作品も評価高いし、ブラピの演技には期待ですね

主演女優賞(ドラマ)では、アン・ハサウェイ、メリル・ストリープの「プラダ」コンビに、
アンジェリーナ・ジョリー、ケイト・ウィンスレットと豪華メンバー

メリル・ストリープとケイト・ウィンスレットは、ミュージカル・コメディ部門でも主演、助演のWノミネート

ケイト・ウィンスレットは、妊娠で降板したニコール・キッドマンに代わり「愛をよむひと」に出演。
母親ほど年の離れた女性と恋に落ちた少年ミヒャエルが主人公。
成人後のミヒャエル役にはレイフ・ファインズ。
メリル・ストリープが修道院長役の「ダウト」は、フィリップ・シーモア・ホフマンとの重厚な競演で話題を呼んでいるそう。
この作品も主演、助演と俳優さんのノミネートが多いです

ケイト・ブランシェット、入らなかったですね…
ミュージカル/コメディ部門
「ヴィッキー・クリスティーナ・バルセロナ」は作品賞他、レベッカ・ホール、ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルスが主演、助演とノミネートされていて、
「マンマ・ミーア!」同様、ますます楽しみな作品になりました

助演男優部門では、
なんと、「トロピック・サンダー 史上最低の作戦」で怪演のトムちんにサプライズがぁ~(笑)

あのトムちんには賞をあげたいけど、まさか、ヒースの強敵に…


ロバート・ダウニー・Jrもノミネート

アニメーション映画賞は、
「ボルト」
「カンフー・パンダ」
「ウォーリー」
「ボルト」もディズニー作品ですが、
パンダ


どちらが受賞しても納得かな

去年はせっかくジョニーが受賞したのに、受賞式がなくて残念無念だった

プレゼンターでは登場してくれるだろうけど、ジョニーの壇上スピーチが聞きたかったので、
今回は去年の分まで何かやってくれないのでしょうかぁ~

ゴールデングローブ授賞式は、2009年1月11日に発表です

動画がみれます
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WALL・E/ウォーリー
2008, 12. 06 (Sat) 00:34

西暦2700年の地球。
宇宙に逃れた人間が残したゴミを、
700年もの間片付け続ける“地球型ゴミ処理型ロボット”WALL・E(ウォーリー)。
ある日、イヴという名のロボットが現れ、ずっと孤独だったウォーリーは彼女に恋をする。
ところがイヴは宇宙船にさらわれてしまい、
ウォーリーは彼女を救うため、未知なる宇宙へ旅立つのだが…。
人類に見捨てられた地球で、
コツコツと働き続ける孤独なゴミ処理ロボット“WALL・E(ウォーリー)”の健気で純粋な姿が、
ディズニー/ピクサー製作で描かれるファンタジー・アニメ。
監督は「ファインディング・ニモ」のアンドリュー・スタントン。

ウォーリーの使命は、ゴミを集め、圧縮積み上げの単純な作業。
そのゴミの中から宝物を見つけてコレクションする。
長い年月の繰り返しは、ウォーリーに感情を芽生えさせた。
彼の最も大切なコレクションは、
1969年のミュージカル映画「ハロー・ドーリー!」のVHSテープ。
錆びた身体のウォーリーは、自分の部品のストックも集めて保存。
ソーラーシステムで充電し、家(?)に帰るとキャタピラを靴のように脱いだりする(笑)
ほとんど無言の彼の行動には、笑いどころがイッパイ♪
唯一の友達?(ペット?)は、ゴキブリとコオロギのハーフみたいな虫(苦笑)

片言しか発しないウォーリーに、どこか「E.T」を思い出しました。
感情を動きや表情で描く技は、さすがピクサーの表現力です!
ロボットなのに、動きが可愛らしいく、とにかく、献身で無垢で純粋なんです。
特に前半、無声映画のようにセリフが無いのに、これだけ多彩に感じさせてくれる映画も珍しいのではないかと思います。
そんなある日イヴが現われます。
ピッカピカでキラキラ~すべすべしてるイヴとウォーリーは、さながら「美女と野獣」?!(笑)
ウォーリーは彼女に一目惚れし、色々とアプローチします。
この辺りのコミュニケーションも面白いですよぉ♪
彼女は重大な任務で地球にやってきた――そんな秘密が隠されていますが…
「カーズ」の車も見事でしたが、このイヴの質感というのか、これもまた素晴らしいものです。


廃虚となった地球の姿は実に切ないです。
無駄な消費やエコの視点から、誰もが考えさせられるところがあるのではないでしょうか。

後半では、地球を捨てた人間の姿を見せ付けられます。
宇宙でデジタル化され過ぎた環境の中、
現在、様々な問題定義されている事に甘んじている姿(の末路)が描かれます。
痛い……
人間は不要なゴミの山から逃れて、遠くでのうのうと暮らし、ウォーリーは残されたその山から人間的な温もりを見つけた。
一番人間らしいのはロボットのウォーリーであり、そんな感情を忘れてしまった人間は、どこか奥底に眠っていた感情を再び呼び起こすことになります。
この映画はウォーリーの純粋な愛であり、地球環境と人類再生であり、
それは現在ここに住む私達に、こうなる前に今のうちにできる事をしよう…と呼びかけられてるものでもあると思います。
面倒でも小さなひとつを繰り返す…
たったそれだけでも、世の中は大きく変わる…そんなメッセージも感じました。

クオリティが高く美しい映像、
後半、人間も登場し、いろんな種類のロボットが出てきます。
私は几帳面で潔癖な“コロコロ”ロボット(勝手に命名)が我が家にも居て欲しい!!と思いました(笑)
音楽も聴きなれた曲で、いかにもウォーリーの純粋な気持ちを表していました。
「レミーのおいしいレストラン」に続いて、アカデミー候補は間違いないのでしょう。
比べたくはないのですが、
「カンフー・パンダ」を観に来てイッパイ笑っていた小さなお子様の年齢層では、少しだけですが難しいかな~と思いました。
それでもウォーリーの人間性(ロボット性)には、大切なメッセージが込められています♪
私の感想としては、泣けたとか感動したとか言うより、
人間として当然のことをごく当たり前にすること、、、
そんな簡単なようで実は大変(かもしれない)そんなメッセージを感じました。
でも、最後はウルウルでしたぁ~
★オープニング前、お馴染みの短編も楽しんでくださいね♪
☆このアニメは、字幕と吹き替えは大差ないかも知れません。
いつものシネコンは、吹き替えしか上映がありませんでしたが、殆ど無声なので…
一番語る船長は、草刈正雄さんでした。
2008年 12/05公開 アメリカ映画
監督 アンドリュー・スタントン
そろそろ、そんな季節
2008, 12. 05 (Fri) 00:18

これから多くの作品がノミネートされていきますね~
こちら
こちら
こちら
「スラムドッグ・ミリオネア」
ムンバイの街の貧しい少年が、
「クイズ・ミリオネア」で10億ルピーを手にするまで、あと1問というところから始まるドラマな展開だそうで、
記事にはどれも“アカデミー賞有力作”の文字が並んでいます

大絶賛のようですね

「08年度ナショナル・ボード・オブ・レビュー」の作品賞も受賞したようなので、アカデミー主要部門でのノミネートも確実でしょうか

ブラピとケイト・ブランシェット
「ベンジャミン・バトン/数奇な人生」 (日本 09 2/7公開予定)
クリント・イーストウッド監督 アンジー主演
「チェンジリング」
タイタニック」から11年振りの共演、レオとケイト・ウィンスレット
「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」 (日本 09 1/24公開予定)
などなど、キリがないです~楽しみです

前哨戦と言われる映画賞も、ノミネートや受賞発表されていきますね

こちら
こちら
ペネロぺ・クルスとアン・ハサウェイ、注目かな

「ミルク」
同性愛者の活動家として活躍したハーベイ・ミルクの一生を描いた伝記映画。
批評家からの評価が高く、ショーン・ペンの主演男優賞ノミネートは、確率が高いらしい…
共演のジョシュ・ブローリン、ジェームズ・フランコも注目されているようです。
「第66回ゴールデン・グローブ賞」は、12月11日にミネーション発表です。
勇者たちの戦場
2008, 12. 04 (Thu) 21:13

イラク駐留中の軍医ウィル・マーシャル(サミュエル・L・ジャクソン)は、帰国の日が近いことを知らされる。
彼は若い兵士トミー(ブライアン・プレスリー)、ジョーダン(チャド・マイケル・マーレイ)
ヴァネッサ(ジェシカ・ビール)らと、人道支援物資を運ぶ任務に就く。
彼らの車が市街地に到着すると、いきなり攻撃され激しい戦闘に発展した。
イラクの戦場を体験し、心に深い傷を負ったアメリカ人兵士たちが、帰還後も日常生活への順応に苦慮する姿を描いたドラマ。

マーシャルや兵士たちは、帰国直前、現地の武装ゲリラに襲われる。
仲間は次々と撃ち殺され、ジャマール(カーティス・ジャクソン)は混乱の中、非武装の女性を射殺、
トミーは親友のジョーダンを目の前で射殺され、ヴァネッサは爆破で右手を失う。
市街地での突然の戦闘から生き残り、
アメリカへ帰国した彼らには、新たな困難が待ち受けていた。

イラク帰還兵に広くリサーチを行い、
実際に元兵士たちが体験したエピソードを基に制作されたそうです。
マーシャルは戦地の体験が脳裏に焼きつき、
「反戦」の姿勢を明確にする息子の反抗や、夫を心配し家族を守ってきたと言う妻とも距離感を隠せず、次第に家族はバラバラになる。
失った右腕に義手をつけたヴァネッサは、これまで当たり前だった事ができなくなり、
優しく接してくれる恋人にも素直になれず拒否してしまう。
その焦りと苛立ちは、次第に人間関係に影響を及ぼすようになっていく。
親友のジョーダンを助けることができなかった負い目を背負うトミーは、
以前の職場も失い、父親には厳しい言葉をつきつけられる。
黒人兵のジャマールは、セラピー治療に通うものの、素直に悩みを吐き出せない。
恋人には心変わりされイライラがつのるばかり。
家族や恋人たちに暖かく迎えられても、戦場で地獄を経験した帰還兵と、他人事のように平和に暮らしている民間人との間には越えられない壁がある。
辛い記憶を持って生きなければならない彼らには、毎日がイラ立って仕方がない。

映画館で偶然出逢ったバネッサとトミーが、戦友フーア(同志)と呼び合い、精神安定剤の話や「イラクにいる方が良かった」と語るシーンは、身内であろうが平和ボケの人たちには解かってもらえない大きなギャップを抱えている姿が痛々しい。
眠れないトミーは夜中に車を走らせ、気に入らない運転の車を追い詰めていく様子は、知らず知らずに戦場の兵士に戻ったようで、我に返った様子はとても説得力があり現実的だった。
そんなトミーの最終的な決断もまた現実的でした。
「告発のとき」でも、帰還兵士の10%ほどがいざ戻ってみると「イラク症候群」と呼ばれるPTSDになっているとあり、「イラクへ戻りたいと思う」とのセリフもありましたが、
この映画でも戦争のトラウマと言う新たな「戦場」は、アメリカ本土であると痛烈に感じます。

マーシャルは医師と言う立場上、気持ちを誰にも吐露できませんが、
父親と息子が「歴史を学べ」「新聞を読め」など対立したり、少しずつ立ち直りのキッカケをつかみ始め、
頑だったヴァネッサも、新たな1歩を踏み出します。
立ち直りのきっかけは、やはり家族への愛情であり、恋愛であり、戦死した友人や仲間を裏切れないという気持ちから。
ラストにナレーションされるトミーの言葉が、戦争を物語っていると思いました。

ジェシカ・ビールは、セクシー系なイメージがありましたが骨太な演技ができますね。
「NEXT -ネクスト- 」「幻影師アイゼンハイム」も上手だと思いましたが、これもとても良かったです。
ジョーダンの恋人役でクリスティーナ・リッチも少しですが登場。
でもこのような戦争映画、アメリカ人は見たがらないんでしょうか…
いつまでも兵士を駐留させるブッシュ大統領や政府関係者なんて、観ないんでしょうね(汗)
戦地の人間はこんなにも追い詰められ、罪の無い民間人も殺され、
自分たちが何をしたかとか、反省もなく幕引きなのかしら(苦笑)
2008年 1/5公開 アメリカ映画
監督 アーウィン・ウィンクラー