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イタリア的、恋愛マニュアル 

2008, 09. 09 (Tue) 23:56

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イタリアを舞台に繰り広げられるオムニバス・タッチのロマンティック・ストーリー。
年齢ごとに変わる様々な恋愛の形を4組のカップルを通してユーモラスに綴ってゆく。
恋愛に臆病な人の背中をそっと押してくれるような温もりに満ちた作品。


「第一章:めぐり逢って」
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仕事もなく彼女もいない青年トンマーゾは、偶然出会ったジュリアに一目惚れ。
猛烈アタックを繰り返す。

若い男女のお話。
彼の行動、ひとつ間違えばストーカーにもなりかねないけど、強引に(笑)頑張った者の勝ちかな。
彼女のほうも嫌な相手ではなかったみたいから、愛が成就するのも時間の問題って感じでした。
イタリアの街並みを男女二人乗りのべスパ(かな)。
「ローマの休日」を何となく思い出しました。


「第二章:すれ違って」
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バルバラとマルコは、夫婦関係が上手く運ばない。
ある夜バルバラはパーティの場で酔いつぶれてしまう。

倦怠期の夫婦のお話。
何をやってもかみ合わない子供がいない夫婦。
夫は常にイライラしていて、男性の更年期って感じが(苦笑)
妻の不満など茶化し気味の口調で、真摯に受け止めようとしない。
面倒くさいんだろうなぁ~外で働く男の人には特にそんなことありますね。
家庭の中でまで面倒事はゴメンだって…
妻が「この人、いつからこんなに汚いご飯の食べ方になったんだろう」とか笑えた。
友人夫婦の赤ん坊の出産ビデオを仲間うちで見るなんて、とっても信じられないくらいゾッとしたので、
その後、妻から子供が欲しいと言われても「夫婦を繋ぐための道具か?」と口にする夫の気持ちは良くわかる。
結婚(恋愛)なんて確実に倦怠期を迎えるものだから、
妻が切実であればあるほど、この温度差に経験者なら苦笑の連続かも(笑)
でもねぇ~改めてゆっくりと真面目に向き合って妻の気持ちを考えたり努力しないと出口は見えないのに…
泥酔した妻を介抱している公園で、駐車違反切符を切られそうになる一件から少し彼の中で風向きが変わったかな~修復できるのかしら。


「第三章:よそ見して」
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婦人警官のオルネッラはある日、夫の浮気現場を目撃してしまう。
腹いせに交通違反のチェックで情け容赦ない取り締まりを始める。

浮気した(された)夫婦のお話。
イタリアでは夫の85%、妻の60%に浮気の経験があるそうで。
偶然に夫の浮気現場を目撃した妻の壊れっぷりが面白い!
別居した挙げ句、職権乱用で相手の女を追い詰めるのはやりすぎだろうと感じながらも小気味良かったりして(苦笑)
それがきっかけで、特に男には手厳しく取り締まり始める名物(?)婦警になったみたい。
ちょっとシニカルだけど、結局は元の鞘に納まった。
やはり、彼女も浮気したんだろうか~(あんなに泥酔していてもできるものなんだろうか~男って?)


「第四章:棄てられて」
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妻に逃げられた小児科医のゴッフレード。
ある日、書店でベストセラーの“恋愛マニュアル”を購入しその教えを実践しようとする。

妻に去られた男のお話。
理由も解からず妻に去られアタフタする中年男は、メタボで髪も薄いオジサンだけど真面目ゆえに哀れであり可愛くもある(笑)
妻の留守電に切々と愛を語るものの、番号間違いだったり、
好きだった同級生に久しぶりに会おうとレストランへ行くと、想像もできないくらいの豹変振りに逃げ出したり、
看護婦の同情に乗っかりベットへと向かうと、留守のはずの看護婦の夫が突然帰宅し、ベランダで一夜を明かしたりと、前向きになっても上手く運ばないコミカルなエピが笑える。
妻には別の男性がいると知り、義母から「あなたは良い人だからもう忘れなさい」と言われた帰り道、
浜辺で一夜を明かし、レストランの女性リヴィアと知り合う。
ひとつの別れの決意は、新たな出会いに繋がるのね♪

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浜辺のレストラン経営者リヴィアがレコーディングをした「恋愛マニュアル」のDVDに沿ったお話になっていて、4つのストーリーは少しだけ繋がりを持ちます。
1話のトンマーゾはリヴィアの弟で、4話の小児科医のゴッフレーは彼の働く本屋でDVDを購入。
トンマーゾの新婚祝い(?)のファイヤーダンスを見ているバルバラとマルコ夫婦。
3話の婦警オルネッラは2話のマルコの駐車違反は見逃すけど、
ゴッフレードには違反切符を取り、暴言を吐かれ裁判に持ち込む。
ラストには1話の二人のその後もチラッと解ります。

1話の若い二人以外は、多分30代後半から40代夫婦の話なので、酸いも甘いもある程度経験した人の方が深く観ることができると思います。
ゴッフレードの一途さというのかな~それは1話のトンマーゾにも同じことが言えるように感じたので、若い彼らもこれからこのような壁にぶつかりながら愛を見つめていくのだろうな~。

イタリアの景色が綺麗だし、物語もコミカルに流れていき、笑いあり身に覚えもありで(笑)
答えはひとつではなく、終わりあれば始まりもある…観終わった後の心地は良かったです。
モニカ・ベルッチの出演で2作目も作られたとか。

2007年 7/14公開 イタリア映画
監督 ジョヴァンニ・ヴェロネージ