旅するジーンズと19歳の旅立ち
2008, 08. 13 (Wed) 23:52

カルメン(アメリカ・フェレーラ)
リーナ(アレクシス・ブレデル)
ティビー(アンバー・タンブリン)
ブリジット(ブレイク・ライヴリー)幼馴染の4人は大学生となり、
生活環境もバラバラですれ違いが多くなった。
16歳の時に出合った1本の不思議なジーンズを、この19歳の夏にまた交替で持つことにする。
それぞれが未来の夢へと向かい、ジーンズとひと夏を過ごすことにするが…
幼なじみの4人の少女の夏を描いた「旅するジーンズと16歳の夏」の3年後。
不思議な出来事をもたらしてくれるジーンズと、19歳になった彼女たちが大人への成長を綴る青春ドラマ。

前作から引き続きのキャストに、登場は少ないけどショーレ・アグダシュルー、ブライス・ダナーのベテラン女優さんも。
別の大学に進んだ4人は久しぶりに再開。
夏休みを皆で過ごそうと楽しみにしていたカーメンは、
魔法のジーンズをまわす儀式を始めようとするが、3人にはそれぞれ予定があり気持ちも何となくかみ合わなくなったように感じてしまう。
仕方なく一度は断った演劇の合宿へ裏方の仕事をしに行くことにした。
カーメンの母は再婚し、臨月を控えている。

他の3人には目的や居場所があるが、カーメンは今だ目的が定まらない。
再婚した母親すら遠い存在に感じるようにもなってしまっている。
この夏休み、彼女なりのプランはあったのだろうしそんな悩みも聞いて欲しかったのだろうが、
言葉では言えないようなズレを感じ、寂しさを覚える。
参加した合宿で裏方から少しずつ表舞台へと踏み出すカーメン。
彼女の戸惑いは手に取るように解るし持ち前のユーモアも清々しい。
3人も決して順調なわけではない。
リーナはギリシャの恋人コスタスと破局し、ブリジットは長い間隠されていた自分宛の祖母からの手紙を見つけ、ティビーは恋愛でちょっと躓き始めます。


ブリジットは家族のデリケートな問題にどう向き合うべきかを人生の年長者から教えられます。
過去は変えれない受け止めて進むしかない。
そう悟った彼女は精神的に随分と成長したように思えました。
彼女が旅から戻り父親と抱き合うシーンは良かったです。

ティビーの心境は“それまで”をどう過ごしていいのやら…
これは女性なら誰でも一度や二度思い当たることはあるのではないかしら(苦笑)
レンタル店での強気な接客の反面、魔法のジーンズでおまじないをする彼女はごく普通の女の子だし、
喧嘩したカーメンからの電話で、彼女の変わりに即座に母親の出産へ立ち会ったり、DVDを送ってあげたりと、きっとカーメンのもやもやとしてるものが言わなくても解るのでしょう…

前回と違うのは、皆が悩みをすぐ打ち明けれなかったりタイミングを逃がしたりしてしまうこと。
仲が良いからこそ、信頼してるからこそ、心配をかけたくない、自分で何とかしなくては…と頑張る姿が大人になるってそんなだよね~と思いました。
今回もそれぞれのエピソードが心温まるし展開のバランスも良いです。
魔法のジーンズは前回同様順番に廻されて、思い出を入れる刺繍なども増えていたようだけど、
少し残念なのはジーンズのカリスマな部分がなかったのと、彼女達の扱いもあまり丁寧ではなかったかな。
カーメンは多分穿かなかったと思うし。
最後はリーナの妹のお陰で紛失(苦笑)
大切な友情の証だったけど、目に見える何かだったりおまじない的な力を借りなくても道は開けると確信できたのだろう。
それだけ彼女達が大人になったのだろうし、
何より友情はまた強いものになったので、役目を終えたって感じでしょうか。
でもせっかく思い出が詰まっているのだから、見つかると良いのですが。

学生時代からの友達はいくつになっても本当に有難いものです。
笑ったり泣いたり喧嘩もしたり…と同じように時を過ごした気の合う友達。
セーラー服姿から今ではしわが増えてしまっても「昔とちっとも変わらない!」と平気で言い合える(笑)
(外見じゃなくて中身なんだろうけど…)
たまにしか会えなくなっても、細かい説明などしなくても顔みて話してれば何となく様子がわかる。
彼女達もきっとそんな素敵な友情関係をずーっと継続していけるでしょう。
Eメールに頼るなっ!
って耳が痛かったです(笑)
ギリシャの風景も綺麗でした。
それにしても全国で公開劇場が6館なんて、少なすぎです…
2008年 8/6公開 アメリカ映画
監督 サナー・ハムリ