インクレディブル・ハルク
2008, 08. 02 (Sat) 17:16

科学者のブルース・バナー(エドワード・ノートン)は、
ロス将軍(ウィリアム・ハート)の命令を受けて人体への放射線抵抗を研究していた。
ところが実験中に発生した事故で多量のガンマ線を浴び、
怒りを感じると巨大な緑色のモンスター=ハルクに変身する特殊体質となってしまった。
ブラジルに身を隠し細胞の解明をするブルースは、
特殊部隊員ブロンスキー(ティム・ロス)らに包囲されてしまう。
怒りや恐怖の感情が高まると、
緑色の巨人“ハルク”に変身する青年の苦悩と活躍を描くヒーロー・アクション。

2003年アン・リー監督、エリック・バナ主演の「ハルク」のリニューアルとのことだけど、
エドワード・ノートンが脚本にも関わったほど熱が入ったのか、とても良い出来だったと思います。
激しい感情でコントロールできなくなり全てを破壊してしまうハルクは、
スーパーマンやバットマンのように正義の為に戦っているわけではない。
変身するブルース・バナーが、いかに変身を防ぎたいか…
その苦悩が描かれていてシリアスでありスリルもあります。
他のアメコミ・ヒーローとは異質ですね~

オープニング・ロールでハルクとなってしまった経緯がザーッと描かれ、
ぐだぐだしたセリフやナレーションで観せられるより潔くカットしたのが返って良かった!!
前半ブラジルで潜伏中、心拍数の上昇を抑える精神鍛錬や呼吸法、
治療薬開発の為にネットでコンタクトを取る“ミスター・ブルー”。
感情を抑えながら暮らしているのに、将軍や周りに追い込まれ戦闘モードに変わっていくアクションは見もの。
巨大化しても破れないズボンの秘密(笑)
心拍数が上がらない為と選んだNYのタクシー運転手が凄く乱暴な運転だったり、チョット笑える場面も。


ヴァージニア大学内でのアクションシーンは、変身してただ暴れるだけのハルクではなく恋人ベティ(リヴ・タイラー)を守るという感情が激しさの中から切なく伝わる。
NYでのブロンスキーとの戦いなどどれも迫力満点!
人を傷つけたくないから本当はハルクになりたくないのに、周りがどんどん彼を追い込んでいく。
人と距離を置いて慎重で孤独。
ブルースの内面はとても知的で寡黙な感じがしました。
ハルクと戦うエミル・ブロンスキーは、肉体コンプレックスでもあったのか好奇心も強く、ハルクを負かしたいと自ら望み放射能を投与しハルクの様に巨大化する。
彼のキャラクターもとても印象が深く、ティム・ロスが好演。


テンポが良くてスピード感もあって、ハルクの緑色も抑え気味(笑)
心拍数の為に恋人達はそんなことも出来ないの…
最初は、線の細いノートンがハルク?なんて思っていたけど違和感なかったです。
科学者ブルースの哀愁や苦悩なんて、ノートンは凄く嵌っていた!
やはり何をさせてもお上手だわ!

リヴ・タイラーが良かったです!
何であなたがヒロインに?って思っちゃう女優が多いけど、今回のリヴはお顔の長さはあまり感じず、
穏やかな口調と心地よい声で、芯が強く優しくて母性的な愛を持つ素敵な女性でした。
この彼女なら救いたくなるのは当然!
逆切れするのも可愛かったです(笑)
彼女のお陰(?)で素敵なラブストーリーにもなりましたね♪
アン・リー作品は、どこかセンチメンタルで盛り上がりに欠けてたけど、
これはさすがの監督と脚本で、エンターテインメント性があって楽しめました。
「アイアンマン」とのコラボもあるみたいですね~ラストにあの方が意味ありげに登場・・・
ミスター・ブルーはどうなったのだろう?
続編、、、ってことなんですね。
2008年 8/1公開 アメリカ映画
監督 ルイ・レテリエ