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スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ  

2008, 07. 03 (Thu) 23:59

GNBD1429_lジャンゴ

壇ノ浦の戦いから数百年後。
山あいの寒村“湯田(ユタ)”
そこに埋蔵金が隠されていると噂がたち、平清盛(佐藤浩市)率いる平家ギャング(赤軍)と、
源義経(伊勢谷友介)率いる源氏ギャング(白軍)が村人を巻き込み激しく対峙していた。
そこへ一人の凄腕ガンマン(伊藤英明)が流れ着き、どちらの用心棒につくのかとそれぞれの思惑がぶつかり合う…

全編英語セリフで繰り広げられる和製ウエスタン活劇。
07年ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品。
09スキヤキ

WOWOW放送で観ました。
今更ながら、マカロニ・ウエスタンって何ぞや?(苦笑)

こちら

そんな知識なしの私にはそれなりに楽しめたのですが、
本当の西部劇ファンにとったら、どうなんでしょう…

特別出演かな、ピリンゴ役のクエンティン・タランティーノ以外はみんな日本人なのに、
全員が全編英語のセリフで、チョット感心しちゃいました!
内容がどうこうより、まずそこに喰い付き(笑)
木村 佳乃のバイリンガルは知れてるけど、
伊勢谷 友介がモデルとして世界で活躍したから?凄い流暢な英語。
字幕は出るけど、日本人には解りやすい発音だったのか案外聞いてるだけでも理解できますね。
特別難しい単語も出てこなかったし…
03スキヤキ

オープニングにタランティーノと香取慎吾の絡み。
“祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり”って「平家物語」をタランティーノが語りだす(なんか、可笑しい)
慎吾の喋り方、悟空が入ってる(笑)
バックの富士山とかの絵が芝居小屋の背景画みたい♪

埋蔵金を巡り、と言うか、過去の因縁決着対決の方が重要みたいな両軍がにらみ合ってる村。
赤組、平清盛の佐藤浩市、平重盛に堺雅人、清盛の言いなりになってる保安官に香川照之。
清盛に夫アキラ(小栗旬)を殺されてから義経の女になったダンサーの静(木村佳乃)
アキラの母ルリ子(桃井かおり)
白組、源義経の伊勢谷友介、与一に安藤政信、弁慶に石橋貴明。
その他、石橋蓮司、松重豊、田中要次など。
血しぶきが飛び殺しあうバイオレンスと、ひたむきな愛も描き、程良く滑稽な笑いもある。
源氏と平家の争いに、用心棒を加えマカロニ・ウエスタン風にしたような作品。
好みは分かれそう~
07スキヤキ
10スキヤキ

私は清盛親分のおバカなんだけど、ちゃっかりしてるキャラが結構ツボで(笑)
危険と思えば子分の後ろに隠れるし、
「シェイクスピア」に感化され“ヘンリーと呼べ”と豪語するのはかなり笑えた…
この時の境さんの笑い声とかほんと、本心が出てるようで最高!
佐藤浩市が低い声で喋る英語も良かったです。

源義経を演じた伊勢谷友介は存在感がありました!
清盛親分のようにおちゃらけてません(笑)
義経は色白と言われてるけど、白い衣装をまといアゴピアスをして、にんまりする表情はクール!!
この義経は超美形でした♪
剣術やサムライの美学もお持ちでオーラたっぷり。
加えて英語も堪能なので、伊藤英明が本当は主役なのかな~
彼は私のカテゴリーの何処にも属しませんが(汗)完璧に喰われたと思いました。
01スキヤキ
11スキヤキ

弓の腕が達者で平家物語に扇の的を射抜く話が有名な那須与一。
ここでは“けだもの”と言われた程、狂気で気持ち悪かった。
安藤政信初めて見ました~人間以下の演技が衝撃的。
石橋貴明、弁慶ですか、、、(笑)たまに映画に出てきてもどれも同じ演技ですねえ~
最後にはおカマちゃんに?!
「保毛尾田保毛男」(漢字あってるかな)思いだした。

香川さん、ちょっと残念だったかな…
赤白どっちにつくかで迷ってるキャラでも二重人格者の一人芝居は、
器用だけどそんなに面白くなかったかも。
でもしぶとい人でした!
15スキヤキ
17スキヤキ

特記は女性陣かな。
木村佳乃は熱い演技だったです。
清純なイメージから夫の死で変わり果てる。
何だか最後まで不幸な役回り…
体張ってましたぁ~あんなにベロベロ舐められてぇ~嫌だろうなぁ…(泣)
ダンスのシーンはかなり妖艶でした!!
静ということでやはり静御前がベースになってるからでしょうか~あんな場所からあんなもの出しちゃうんですねぇ(汗)ちり~んって…
桃井かおりもカッコ良かったです!
英語でも喋りは特徴のあるのまま(笑)
ラストでは歳取ったキャッツ・アイみたかったです。

赤白のビジュアルも楽しめました。
Gジャンやパンツの上に、着物をコートのようにはおり、髪型や小物まで一目でどちら側かわかります。
和洋新古合体って感じでお洒落。
エンディングは北島三郎で締めて…
ウエスタンで時代劇で設定はめちゃくちゃだけど、個性的で斬新で不思議な映画でした。
こんな遊び心というのかな、奇想天外な映画が日本で作られるなんて、
これまたステキなんではないかなぁと思いました。

2007年 9/15公開 日本映画
監督 三池崇史