奇跡のシンフォニー
2008, 06. 23 (Mon) 23:41

ニューヨークの孤児院で暮らす11歳のエヴァン(フレディ・ハイモア)は、
生まれつき類い希な音感を持ち豊かな音楽の才能が備わっていた。
いつか音楽を通じて両親と出逢えることを信じ、施設を抜け出しマンハッタンへと辿り着く。
11年前、新進チェリストのライラ(ケリー・ラッセル)と、
ロック・ミュージシャンのルイス(ジョナサン・リス=マイヤーズ)は運命的に出会うが、ライラの父によって仲を引き裂かれてしまった。
音楽によって両親とのきずなを取り戻す感動のファンタジードラマ。
監督は「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと」で脚本を手掛けたカーステン・シェリダン。


感動の涙が、、、泣ける、、、の宣伝文句より、
信じる者は救われる…
そんな事を感じてしまいました。
涙は、、、出ませんでした~(汗)
麦畑を風が流れるシーンに始まり、
電線が揺れる音、NYの人の声、足音、クラクションに工事音など、あらゆる音がエヴァンの耳に音楽として流れハーモニーとなっていく。
ライラとルイスの演奏シーンも含め、ステキな音楽場面がたくさんあり、眼と耳を楽しませてくれます。
エヴァンは音楽の才能があるなんて全く自覚してないし、楽譜も読めなければ楽器も弾けない。
耳にする様々な音が心の音となり、両親へと繋がっていくと信じている。
マンハッタンへやってきて、
元ストリートミュージシャンのウィザード(ロビン・ウィリアムズ)に才能を見出され、
“オーガスト・ラッシュ”と名付けられる。


施設でエヴァンを面接したことのある児童福祉局のリチャード(テレンス・ハワード)は、
子供を捜しているライラの依頼で、その子はエヴァンであると確信するが行方不明で見つからないまま。
両親に届けとばかり街角で演奏するエヴァンは、福祉局の調査から逃げる途中、
教会でゴスペルを歌うホープ(ジャマイア・シモーヌ・ナッシュ)に楽譜の読み方を教えてもらう。
彼の才能を感じた牧師は音楽学校に推薦し、コンサートで自身で作曲した「オーガスタのラブソティ」を指揮することになる。
その野外コンサートで奇跡がおこる…
音楽の才能に関しては、ありえない~?!と思うくらいトントン拍子に上手く運ばれていき、
嫌な奴はウィザードぐらい(この人の過去も想像できますが)
夢を諦め挫折していたライラとルイスは、それぞれ何かの力に惹かれるように11年ぶりに音楽の世界へと身を投じていく。
それはひとえに純粋で無垢なエヴァンの音のメッセージが、親子の糸を手繰るように伝わっていく波長のようなストーリーで、ある意味ファンタジーでした。
上手くまとめてあるけど、都合よく進む展開に乗れないと感動からは程遠くなるかもしれません。
演奏シーンも役者さんも映像も良いのだけれど、私はイマイチ乗り切れませんでした。

今回のフレディ君はいつもの優等生に加え、音楽の才能に満ち溢れた少年。
ひたすら両親に会える日を信じる一途さと、音を奏でる時の幸せそうな表情には観る者の心が洗われる。
彼の涙は説得力があるなぁ~(笑)
テレンスとの面談で流した無言の涙とぬぐう腕だけで少しウルっとなりそう(汗)
「ネバーランド」からは随分と大きくなったけど、あの一筋の涙は未だ変わらないのかも。
ジョナサン・リス=マイヤーズは孤児院で育った経験もあるそうです。
彼の歌声はセクシーでしたぁ~♪
ケリー・ラッセルも切なげでしっとりとして綺麗。
美男美女夫婦に可愛い息子と、この親子は傍目から見ても景色が良いでしょう~。
テレンス・ハワードはもう少し活躍して欲しかったなあ~ウィリアム爺様、チト出過ぎ。


劇中のゴスペル「レイズ・イット・アップ」は、
アカデミー賞オリジナル歌曲賞にノミネートされました。
エンドロールもステキな音楽の数々です♪
2008年 6/21公開 アメリカ映画
監督 カーステン・シェリダン