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幻影師アイゼンハイム 

2008, 06. 02 (Mon) 00:26

edward_norton1THE ILLUSIONIST

19世紀末、ハプスブルク帝国末期のウィーン。
魅惑的なイリュージョンで天才と評され人気を集める幻影師アイゼンハイム(エドワード・ノートン)
評判を聞きつけた皇太子レオポルド(ルーファス・シーウェル)が、婚約者のソフィ(ジェシカ・ビール)を連れて観覧に訪れる。
偶然舞台上に招いたソフィを見て動揺するアイゼンハイム。
かつて2人は愛し合いながらも、身分の違いで引き離されてしまったのだった。

ピューリッツァー賞受賞作家スティーヴン・ミルハウザーの短編を映画化した幻想ミステリー・ロマンス。
06年全米公開時、51館スタートが次々と口コミで1438館まで拡大され、22週に渡る超ロングランヒットとなった話題作。
jessica_biel2THE ILLUSIONIST

脚本も手がけた監督のニール・バーガーは、
原作の短編を実在の人物や出来事を加えて新たものに仕上げたそう。
原作ではあまり大きく扱われていない警部ウール(ポール・ジアマッティ)の目を通させることで、
アイゼンハイムの神秘性や幻想的な世界、どこか謎めいて影のある人物像は、ウールが感じる戸惑いと同じように観る者に伝わってきます。

やはりこの映画も多くは語れませんし、ネタバレも厳禁ですね~!
すごく面白かったですよ!!
「ああ~~やられたぁ~!」と思いました♪
アイゼンハイムのイリュージョンにも、語られるセリフにも伏線がイッパイ!
警部の目線は観客の目線そのものです!
そして、彼はアイゼンハイムに取って不可欠で重要な駒なんです…♪
paul_giamatti3THE ILLUSIONIST15

エドワード・ノートン、好きなんです。
「真実の行方」は、頼りなさげな顔つきの中に怪しさも潜んいて好演でした。
どの作品も存在感があって上手だと思います。
本格的ラブストーリーが初出演だなんて、ちょっと意外!
どこかモノクロの香りがするこの時代、インテリな紳士風の雰囲気が似合っていました♪
ノートンは撮影前にマジシャンからパフォーマンスを学び、
そのイリュージョンは共演者も驚かされたとか。
theillusionist2Jessica Biel

はつらつとした現代劇のイメージのあるジェシカ・ビールは、
セクシーさを抑えてしっとりとした公爵令嬢の役も悪くは無かったです♪
「ネクスト」なんかより数段良かったと思いますし、
やはりニコちゃんとは似合わないと確信しました(笑)
illusionist1Paul Giamatti

警部のウールは皇太子に忠誠を誓い、公務としてソフィの監視を続け命令にも逆らえないのですが、
一方ではアイゼンハイムのイリュージョンにとても惹かれ始めていて、彼の才能を認める一人でもあります。
その狭間で迷い葛藤するポール・ジアマッティの眼の動きが良いです。
illusionist1THE ILLUSIONIST55

15年振りの再会でアイゼンハイムとソフィは当然のごとく恋心が燃え上がり、
ただでさえアイゼンハイムを疎ましく思う皇太子はそれを知り逆上…
皇太子を演じたルーファス・シーウェルは、こんな非情で感情的な役はピッタリです。
「ロック・ユー!」「レジェンド・オブ・ゾロ」でも嫌な伯爵だったし、
「ホリデイ」でも何だ?この男?!でした。
いつ本性表わすんだろう~と思いながら観た「トリスタンとイゾルデ」では最後まで良い王様でチョット意外でしたが(笑)
illusionist1THE ILLUSIONIST12

馬車や石畳の道、ガス灯など19世紀末のウィーンの風景も、
幻想的なイリュージョンに更なるテイストを加えています。
いくつかのマジックが披露されますが、当然タネ明かしはなくCGも使われています。
「これはトリックだ」とアイゼンハイムの言うとおりなんですが、
彼のパフォーマンスは超能力者であっても不思議ではないように思えてきてしまう。
ソフィも警部も(多分、全ての民衆が)格式ばった世界から抜け出し、何か新しい刺激を求めたいけどそれが叶うことはないと諦めている。
アイゼンハイムのイリュージョンは、それさえも変えてしまう魅力のあるようなものだったようです。

許されない愛の物語とイリュージョンは、
よく練られた脚本でただのラブ・サスペンスなんてものではありません。
ラストの数分で一気に謎が解き明かされ、
「あ、あ、そうか、そうだ、そうだよねぇーー♪」
と、警部ウールと同じく巻き戻し状態になりましたぁ~
上質のエンターテインメント作品になっていると思います。
「プレステージ」のような反則技もありません(笑)
単館で上映館も少ないようですが、お近くであれば是非ご覧下さい。

2008年 5/24公開 アメリカ/チェコ映画
監督 ニール・バーガー