チャーリー・ウィルソンズ・ウォー
2008, 05. 20 (Tue) 23:55

テキサス選出の下院議員チャーリー・ウィルソン(トム・ハンクス)は、
美女とお酒をこよなく愛するお気楽議員。
ある日、テキサスの富豪で反共産主義者のジョアン(ジュリア・ロバーツ)から、パキスタン行きを薦められる。
ソ連の侵攻に苦しむアフガニスタンの難民たちの姿にショックを受けたチャーリーは、
CIAのはみ出し者、ガスト(フィリップ・シーモア・ホフマン)の協力を得ながら前代未聞の極秘作戦を開始する。
1980年代に実在したテキサス出身の下院議員チャーリー・ウィルソンが、世界情勢を劇的に変えた実話を映画化。

“アメリカン・パイ”の音楽に乗せ、軽いコメディタッチの予告はもう何度も観ました。
が、そんな娯楽作品を予想させないと、集客数が期待できないのでしょうかぁ?
それにしても、チョット違い過ぎだったのでは…
多分、殆ど事実に忠実な内容で、忠実であればあるほど映画としての見せ場もあまりなく、
ソ連にアフガニスタン、その近隣諸国の背景と会話劇が続く…
モスクワオリンピックのボイコットぐらいしか知らない私は、
字幕を追うものの、解かりにくい部分がありました。
決して嫌いな内容の映画ではないのに、そうならそうと最初からそんな予告にして欲しい!
それでも知る機会になったので、いつもながら映画は有難いと思うのですけど…
これから行かれる方は、ソ連のアフガン侵攻をおさらいしてから観た方が良いと思います。


トム・ハンクスとフィリップ・シーモア・ホフマンに救われた感はします。
いい加減な議員のようで、根は優しく大らかな人柄はトム・ハンクスならではだし、
いかにもはみ出し者っぽいフィリップ・シーモア・ホフマン。
ガサツだけど当然のように機転も効き、低音も良かった(笑)
ラストのベランダでの会話は、意味深くて…
ソ連がアフガニスタンの侵攻に成功していたら、今のロシアは無いのでしょう。
チャーリーから武器を手に入れたアフガニスタンからタリバンが生まれ、9.11が起こってしまったのも事実。
(アメリカ)チャーリーの行為は正しかったの?と問題定義があると思いますが、
「目には目を」の現実も残酷であるけどそれも仕方がなく、
「塞翁が馬」の例えも今となれば深く感じさせられます。
ラストにチャーリーの言葉がクレジットされますが、これは自国に向けての皮肉もあるんでしょうか。


チャーリーの秘書「魔法にかけられて」のエイミー・アダムスが良かったです。
アフガニスタンの地雷で犠牲を負った子供や母親と接し、彼女も何かが変わったと思いました。
可愛くて賢い女性でした。
ジュリア・ロバーツは、他の女優でも良かったのでは…
マスカラ、安全ピンで伸ばすのぉ~?
怖い!
ビキニ姿もご遠慮します(汗)
「プラダを着た悪魔」のエミリー・ブラント、チャーリーズ・エンジェルの筆頭かと思ったら、
あれだけなら特に彼女である必要がなかったでしょ(汗)
ジュリア・ロバーツのビキニより、スタイル抜群の下着姿はポイント高いですが(笑)
先日観た「ハンティング・パーティ」はこの逆で、娯楽の強い戦争背景映画だったけど、
どちらにしても争いの被害を受けるのは、武器を持たない一般市民。
その一般市民も武器を持つとどうなっていくのか…
政治の正義か矛盾か皮肉か、、、
予告を信じて観にいくと、覚悟(?)もないままチョット戸惑いも覚えてしまうかも。
2008年 5/17公開 アメリカ映画
監督 マイク・ニコルズ