ハンティング・パーティ
2008, 05. 15 (Thu) 23:15

紛争地域のレポーター、サイモン(リチャード・ギア)は、
内戦のサラエボからの生放送中にキレてしまい表舞台から姿を消した。
彼と共に戦火をくぐったカメラマンのダック(テレンス・ハワード)は、本国に戻り出世する。
紛争から5年、未だ危険地帯にある2000年のサラエボで二人は再会。
虐殺事件の首謀者であり、戦争犯罪人フォックスの情報を持つサイモンは、
ダックと新米テレビプロデューサーのベン(ジェシー・アイゼンバーグ)と、危険地帯へ足を踏み入れる…。

内戦を背景にし、
ハラハラあり当然ながら戦争の残した傷跡の惨さも伝わるのだけど、
シニカルでコミカルな笑いも同居する社会派サスペンスでしょうか。
実話を基にしたフィクションで面白かったです。
冒頭の戦闘シーンでは、
サイモンとダックの息の合った連携プレーと戦火の中でのやり取りとナレーション、
中盤からはお坊ちゃまのベンが加わり3人のやり取りに重さは救われます。
サイモンは強気で自分勝手、
いい加減で無茶を承知でやってのけようとするちょっと嫌な男にも見えるけど、
彼にも辛い過去があり、そこまでになってしまう理由がある。

ダックはサイモンとは逆に出世し不自由ない生活だけど、
現場を味わえずどこか虚しさも感じている。
数々の修羅場(?)を共にしたサイモンを上手くコントロールする。
ベンはハーバード大学卒の副社長の息子。
父親に認められたいと考える彼はこの二人に付いて行く…
もしや、それだけでも大物の素質があるのかもしれないけど(笑)
意外と役に立ったりして良いポジションだったと思います。

ドキュメンタリーの雰囲気もありながら、
実在する戦争犯罪人の潜伏、それを保護する取り巻きたち、
国連やCIAなど、一般人には計り知れないものが見え隠れしています。
ラストはスッキリしましたね~!!
何でもかんでも武器で決着つけようとしないのが好感もてます。
彼らはあくまでもジャーナリストなんですから。

リチャード・ギアは、癖のある中年のオヤジを上手く演じていました。
クールで良い男も歳を取ればこんな役が似合ってきて私は好きだわ。
ジェシー・アイゼンバーグは、「イカとクジラ」のお兄ちゃんの子か!
この子も上手でした~いかにもいそうですよ~マスコミ関係に(笑)
そしてやっぱりテレンス・ハワード♪
「やれやれ、、、」って言うような目の表情が好きなんです!
先にギリシャへ行ってる恋人のことで取り乱すのが可愛かったぁ!!
正義感もあるし優しいしなだめ方もお上手です。
彼のファッション、白いパンツにカラーシャツ、白いセーター!
業界って感じがしました(笑)
カメオ出演になるのかな…
マルヤナと言う女性を演じたダイアン・クルーガーも。
エンドロールで劇中の真実とそうでない部分が説明されます。
これも目新しかったし、曖昧さを残さなくて気持ちの良い終わりでした。
チョット、皮肉も込めたりしてね~
2008年5月10日公開 アメリカ/クロアチア/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ映画
監督 リチャード・シェパード