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アイム・ノット・ゼア 

2008, 04. 28 (Mon) 23:55

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1959年、ギターを抱えたウディと名乗る黒人少年が貨物列車に飛び乗り、
病床の本物のウディに会いに行く。
社会派フォーク歌手として人気が出たジャックだが、
シーンから消えた20年後、牧師としてキリスト教の布教にいそしんでいた。
伝記映画の主役を演じ成功したロビーは、9年に及ぶ結婚生活に終止符を打とうとしている。
音楽性をフォークからロックへ転向したジュードは、
スターとしての生活を送る中、ドラッグに蝕まれていた(goo映画より)

ひとりの人物ボブ・ディランを、6人の俳優が時代ごとにさまざまな側面から演じる。
でもボブ・ディランそのものを演じるわけではなく、
複雑で色々な側面を持つ人だったから多方面(多人格)から描かれていくわけで、
少し混沌となるので整理すると…
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放浪する幼少時代は“ウディ”という黒人少年(マーカス・カール・フランクリン)
実際、ディランの少年時代とは違うようで、
1930年代の大恐慌時代に、旅をしながら社会批判を歌っていたウディ・ガスリーにかけられているようです。

天才詩人アルチュール・ランボーになぞられ、
きらめき溢れる才能を見せる青年時代“アルチュール”に(ベン・ウィショー)
ベン・ウィショーは「パフューム ある人殺しの物語」で無臭男子を鮮烈(笑)に演じましたが、
今回も独特な雰囲気で良かったです!
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プロテストソングを歌う伝道師的時代“ジャック/ジョン牧師”(クリスチャン・ベール)
その頃一緒に歌っていたのかしら?監督作品「エデンより彼方に」のジュリアン・ムーアも登場。
クリスチャン・ベールもカメレオン俳優ですね~!

ジョーン・バエズとおぼしき女性を愛した男は“ロビー”(ヒース・レジャー)
結婚して父親になるが女性関係は盛んな俳優。
ディランの妻クレアに、シャルロット・ゲンズブール。
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マスコミの寵児になりながらもフォークを捨てた“ジュード”(ケイト・ブランシェット)
裏切り者と言われても、最も創造性を発揮した時代のようです。

初老の“ビリー”(リチャード・ギア)は、
西部劇「ビリー・ザ・キッド/21才の生涯」に主演していたことからでしょうか。

と、こう書いてもまだ解らないことはあるのですが、
まあ、頭で解かろうとする映画ではなく、フィーリングが自分に合えばそれで良いのだと思います。
私は彼の歌を数曲と、何かブーイングされた、、、事ぐらいしか知らないのですが、
ケイト始め役者さん達が上手だったので、何となくだけど彼の人生と6人が繋がっていきました。
でもケイトとベン・ウィショー、クリスチャン・ベールはディランに見えるんだけど、後の3人は似ても似つかない外見なのと、皆さん役名が違うので、始めは誰?それ?と思ったり、
ヒースはディランだと思ってるのに役者って??、ギアさんも西部のおっちゃんみたいだし…飲み込むのに時間が掛かったぁ~あと136分はキツイかも…
この時代の事、もちろん、ボブ・ディランを良くご存知の方には理解でき満足いく作品だと思います。

最初この映画を聞いた時は想像も付かなかった。
戸惑うけど面白い描き方でした。
ボブ・ディランに限らず、人間誰でも色んな側面がありますし、
もちろん時代や年齢でも変わってくるわけで、、、
そう思うと誰にでも通じることでもありますね。
様々な役者さんが全く違う名前で同じ人物を描いて観せる。
内容は好みで左右されると感じますが…
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評判通り、ケイトは良かったです。
ちょっとかったるそうで、時に強く自己主張するアーティストです。
本当の男性のように見えてきました!
彼女だけで1本ディランを撮れそうです!

個人的にはこのギアさん、あまり好きじゃない。
くたびれたお爺ちゃんみたいで嫌だわ…

ヒースの奥さんを演じたシャルロット・ゲンズブール、これはとっても良かった!
二人のお話だけ、ディランから離れた感覚で観れたのも良かったのかもしれない。
ヒースとは絡んでないけど、ミシェル・ウィリアムズも出ています。
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ヒースの突然の死を聞いてから数ヶ月経ちますが、やはり彼が亡くなったなんて信じられなくて。
スクリーンでの彼は、これからもずっと私達に良い演技を観せてくれるに違いない…
やはりそう確信できる俳優さんです。

2008年 4/26日公開 アメリカ映画
監督 トッド・ヘインズ