ブラックサイト
2008, 04. 14 (Mon) 16:40

オレゴン州ポートランド。
サイバー犯罪専門FBI特別捜査官ジェニファー(ダイアン・レイン)は、インターネット上のあらゆる犯罪を取り締まっていた。
ある日、身動きのとれない子猫が命尽きるまでをライブ中継した“killwithme.com”というサイトの情報が入る。
発信元を特定してサイトを強制閉鎖するが、無限コピーを繰り返し立ち上げられる。
犯人の使うサーバーは、FBIの管轄外であるロシア。
次に公開されたのは、縛り付けにされ傷を負った男性。
画面上に掲示されるアクセス数が増えるごとに、
薬物が増量され死に至る状況を中継するという犯行だった。
残酷な殺人映像を中継するウェブサイトと、FBIネット犯罪捜査官の攻防を描くサイバー・スリラー。

12日公開作品は多いので、取りあえず近場のシネコンでの上映作品から。
現代のネット社会を脅かすサイコ・サスペンスでした~あらゆる意味で怖かったです!!
善悪は別として(これが一番の問題ですが)話題になるサイトは閲覧したいと思う大衆心理を利用して、
そのアクセスカウントが上昇することによって人を死に至らしめるという公開殺人サイト。
その何気ない好奇心が殺人の加担になるということに。
FBIによってアクセスしないようにと記者会見されても(されたことによって)
ますます急激に上昇するアクセス数。
結果、公開された犠牲者は命を落としてしまう。
犯人はかなりの頭脳明晰、コンピューターに関する高度な知識を持っていて、殺害も科学的でかなり残虐な方法…

ネタバレ
現場となる地下室や数台のPC、ビデオカメラ、そして犯人の手足がちらりと映し出されたりと、
その異常な様子に緊迫感を与えられます。
ジェニファーは警官だった夫亡き後、母親と幼い娘と暮らしていますが、彼女のプライベートな部分も描かれるので、この家族にも何か危害が加わるのだろう~と恐々してしまう…
サイトの情報をFBIに流したのも犯人自ら注目を集めるためであり、
またFBIへの挑戦状だったようで、その魔の手はやはりFBI関係へと…
犠牲者は最後の力を振り絞り、メッセージを残します。
残虐な犯行を目の当たりにしながら、解明するジェニファーたち。

愉快犯の犯行かと思っていたのですが、
犠牲者の繋がりや何故ネットでの公開殺人を選んだのか犯人なりの理由がありました。
サスペンスとしては犯人登場が少し早く、もう少し見えない恐怖が続いても良かったのでは…
コンピューター詳しく解らないし、強制終了出来ない云々は最初語ってたけど、
FBIの組織や技術を持ってまで、ただ殺人サイトを黙って見ている事しかできないのか?
自宅のPCや車のハッキングって、簡単にできるの?
最後のターゲットも予想通りだったので、勿体無い展開にはなりましたが、
もしやジェニファーの母親や娘さんに危害が加えられ、
彼女が奮闘するのか~と思ったのですが、個人的にはそうでなくて良かったです。
誰かに覗かれている様なカメラワークは、恐怖や不安感が煽られ効果的だったと思います。
死を弄ぶようなサイコなサイトを作る犯人の異常心理は恐ろしい。
でも同じように怖いのは、
野次馬的にアクセスした人間が、被害者の死を早めてしまい共犯者になる可能性があるということ。
劇中では字幕も付かないけど、どんどんと書き込みされていく様子も怖い。
フィクション映画とは片づけられない現実的なテーマがあり、ネット社会への警告であると強く感じました。

「ジャンパー」では、一体何だったの?ぐらいあまり登場しなかったし良く解らない役柄でしたが、
このダイアン・レインは好演でした!
誰にも弱みを見せないタフで家族を愛する女性、でも耐え切れない時もあるのです。
バスルームで一人シャワーを浴びながら涙きじゃくる姿は切なかったです。

ジェニファーのFBIの同僚グリフィン・ダウドにトム・ハンクスの息子、コリン・ハンクス。
「キングコング」の時より全然良かった~
飄々とした中にも優しさと正義感があり上手でした。
刑事役のビリー・バーク他、ちょっと地味な俳優さんが多かったのか…
もう少し、一目でこの人知ってる~なメジャーな方が数人いたら良かったかも。
2008年 4/12日公開 アメリカ映画
監督 グレゴリー・ホブリット