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スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 

2008, 01. 19 (Sat) 11:01


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19世紀ロンドン。
妻ルーシーと幼い娘と幸せに暮らす理髪師のベンジャミン・バーカー(ジョニー・デップ)は、
妻に恋心を抱いたターピン判事(アラン・リックマン)によって無実の罪をきせられ、
オーストラリアに投獄される。

15年後、脱獄に成功したベンジャミンは、水夫アンソニー(ジェイミー・キャンベル・バウアー)に助けられ、ロンドンに戻ってきた。
かつての住み家フリート街に戻り、大家のパイ屋ミセス・ラベット(ヘレナ・ボナム=カーター)から、
妻はターピンに追いつめられた末に毒を飲み、娘ジョアンナは幽閉されているという事実を知らされる。
復讐のみに生きることを決意したベンジャミンは、
“スウィーニー・トッド”と名前を変え、理髪店を再開する。

ブロードウェイの巨匠スティーヴン・ソンドハイムのトニー賞受賞ミュージカルを映画化。
伝説の殺人鬼スウィーニー・トッドを、
ティム・バートンとジョニー・デップの6度目のコラボレートで描くミュージカル作品。

At last!
My arm is complete again!
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“ミュージカル映画” “悲劇” “スプラッター”苦手な方には、多分受け入れにくい作品であると思います。
そうでない方にも賛否は分かれると感じます。

復讐にだけ燃えてしまい何も見えなくなった男と、
彼に抱いた恋心の為に、とんでもない秘密を持つことになった女の末路…
復讐の連鎖で救われないラスト…

…それでも私には、これぞジョニー!!
と思える演技の連続で、満足のいく作品になりました。

以下…
個人的なジョニー・ファンの意見です(苦笑)
ネタバレもしていますので、
未見の方はスルーして下さい!
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初めて聞くジョニーの(長い)歌声は…
散々、歌は下手?!と自身が言ってたような記憶があるけど、
何で?凄く上手じゃない?!
舞台版でのソンドハイム楽曲は、オペラ調であるが、
ジョニーの歌はロック調と何かで読みましたが、まさにその通りでした。
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オープニングの船上から、いきなり歌うトッド(ジョニー)が登場。
(当然ミュージカルですから)今までの簡単なあらすじが歌で語られます♪
すぐさま以前の住み家、ラベットの店に向かいます。
19世紀のロンドンは、産業革命で発展途上の中、
人口の増加や下水不備、貧困の拡大、大気汚染なども深刻し、
ラベットのパイ店もゴキブリが走りまわり到底清潔とは言えません。
材料の肉も高騰で、思うように客も来ない、、、ロンドンで一番不味い店のようです。
その差し出されたパイを一口含んだトッドの表情は…
「シザーハンズ」のエドワードがレモネードに、
「チョコレート工場」のウォンカがウンパ族に差し出された芋虫(?)の食べ物に、
“おえっ!!”っとなったのが思い出されてしまいました(笑)
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訪問してきた客が元の借主、ベンジャミン・バーカーと解かっていたラベットは、
その後の妻や子供の事を話し、仕事道具であった剃刀を隠していた場所から彼に差し出します。
復讐にかられ名前まで変えようとする彼は、その懐かしい友(剃刀)と再会し、
これで自分は完璧になった!と宣言します。
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街には定期的に訪れる自称(?)皇室御用達のイタリア人理髪師のピレリ(サシャ・バロン・コーエン)のパフォーマンスがあるようです。
ピレリに半ば奴隷の様に使われる子供トビーに、ラベットは同情し、
トッドは彼のいかさまを暴くため、勝負をいどみ見事勝利を収めます。
ある日ピレリの訪問を受け、彼から本当の正体を知っていると言われ…
さあ、これから、始まります!
彼の凶行が……
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本当に待っていたのはピレリではなく、
彼とのジャッジを依頼したタービン判事の右腕バムフォード(ティモシー・スポール)から噂をきくだろうタービンを待っていたのです…
どころがそのタービンが、若い娘にプロポーズをしたいために、
お髭云々、すっきりとしたいとやってきたのです。
トッドは、焦らず、ゆっくりと“その時”を待ちます。
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幽門されているジョアンナを窓辺から見て一目惚れしたアンソニーが、
助けを求めてトッドの店へと飛び込んできます。
タービンは、アンソニーとトッドに怒りをあらわにしてその場を立ち去ります。
トッドは待ちに待ったその一瞬を逃がしてしまうのです…
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もう少しでタービンの喉元を…それをさえぎられたトッドの怒りは収まりません。
死体の処理をどうするか…と思案の果て、
猫の肉より量は多いし美味しいしと、ラベット夫人の提案で、
“Johanna ”を歌いながら、
理髪店に訪れる客を“ズバッッーーーー!!”
さて、トッドは軽く歌いながら一体何人殺したのでしょう?
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ラべット夫人の妄想は、
海沿いの軽快なポップカラーのような幸せな風景での多少現実離れしたようなシーン。
トッドの妄想シーンは、
まさに現実での一場面で、どうにもならない自問自答が彼の中で現れたかのよう。
その対比が、後の2人の心情が現されているように感じます。
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結果、トッドは見事に復讐を達することになります。
ターピン判事の首筋に何度となく刃を突き刺します…
その返り血を浴びたトッドの達成感にも思えるような狂気に満ちた表情と、
初めて知らされた真実が、どんなに彼に取って辛い結末であったのかと…
悲しいかな、この復讐劇は矛盾など云々が残る結果にはなりましたが、
夫々が、夫々の立場で何らかの決着を付けたと言えるのではないのか、とも思えます。
誰が正しいとか、そうでないとか…
狂気に転じてしまったけれども、その代償はキッチリと付ける、、、
それがあのラストにあったようにも思いました。
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「スリーピー・ホロウ」の雰囲気もありました。
ダークな映像とポップな色彩は、ティムならでは手法。
ラベット夫人が下水道でトビーを探す時「Where are you~?」のセリフは、
「コープスブライド」でビクターを探す時の言い回しと同じだった(笑)
ヘレナの歌も上手だったし、チャーミングな声♪
アラン・リックマンの低音も素晴しかったですね~♪
娘ジョアンナ役の女優さんは、ヴァネッサに似てる…

ラストに向けては、飛び散る飛び散る!!
返り血を浴びて、ますます狂気をおびたジョニーの表情がとても良かったです!
全てを知り、ラベット夫人に「さあ、おいでぇーー!!」と、誘う指先の動きが実にしなやか♪
このジョニーはポイント高いっ♪♪

人と人の間で起こる深い根のある出来事が、どんどん加速してしていく…
でも、あの一瞬だけでも、トッドが真実に気付く眼があったのなら。。。
復讐とは我をも忘れ、そこにある大切な物も見落とし、その後に何も生まれない…
そんな悲しい物語でもありました。

2008年 1/19公開 アメリカ映画
監督 ティム・バートン