ミス・ポター
2007, 09. 07 (Fri) 21:58

1902年、ロンドン
上流階級の家庭に育ったビアトリクス(レニー・ゼルウィガー)は、
子供の頃からの夢であった絵本を出版しようとしていた。
その主人公は、青い上着をきた愛らしいうさぎのピーター。
担当編集者のノーマン(ユアン・マクレガー)は、ビアトリクスの絵に魅了され、二人で制作した絵本はたちまちイギリス中に知られるようになった。
いつしか愛し合うようになる二人だったが、ビアトリクスの両親は身分違いの結婚を許さなかった(goo映画)

ピーター・ラビットの作者として知られるビアトリクス・ポターTMの人生を描く。
実際のポターは湖水地方の保護活動に携わるまで、孤独な人生であったと伝える伝記が多いそう。
上流階級の女性が職業を持てなかった環境の中で、
夢の実現に情熱を燃やすポターは、とても生き生きとしていて温かく、自立した女性の先駆けとも感じられる。
子供の頃から湖水地方の自然と動物たちをテーマに創作を続け、
後にその湖水地方を開発から守るため、自らの資金で農地を買い取り自然を守った。
時代に束縛されず、自分が本当にやりたいことを自然体でやっていく。
彼女はとても決断力のある女性。

大きな盛り上がりには欠けるけど、
淡々と足早に過ぎていく流れと93分の上映時間が、
両親との確執、独身主義、ノーマンとの恋の結末などあっさりと描かれていて、返って新鮮な仕上がりだと感じました。
なにより、ポターが描くピーターや仲間達と交わす会話、
悪戯っぽく動き出すアニメーションとの融合など、楽しさが一杯で思わず微笑みたくなるのもこの作品の大きな魅力!

「シカゴ」 「コールド・マウンテン」 「シンデレラマン」
レニー・ゼルウィガーはこれぐらいしか観てないかもしれないけど、
この彼女は独特な雰囲気に溢れていて、当時の女性を見事に想像させられました。
とても良かったな~強さと可愛らしさが上手く共存していて、お顔のむっちり感も気にならなかった…
ユアン・マクレガーの美声も聞けたし♪
ノーマンの姉ミリーにはエミリー・ワトソン。
湖水地方で撮影された、のどかな田舎町や山々の美しい景色も楽しめます。
2007年 9/15公開 イギリス映画
監督 クリス・ヌーナン
ハッスル&フロウ
2007, 09. 07 (Fri) 17:11

メンフィスでぽん引き(ハッスル)として生計を立てているDジェイ(テレンス・ハワード)
売春婦の客引きに甘んじているが、かつてはラッパーとしてデビューする夢を持っていた。
偶然、昔のクラスメイトで音楽に携わっているキー(アンソニー・アンダーソン)と再会した事がきっかけで、一度あきらめた夢を追うことを決意。
同じ街の出身でラッパーとして成功したスキニー・ブラック(ルダクリス)が凱旋する事を知ったDジェイは、デモテープを製作し、スキニーに聞いてもらいチャンスをつかもうとする。

「クラッシュ」のテレンス・ハワードが吹き替えなしのラップを披露。
人気ラッパーのルダクリスも登場し、夢と現実の間でもがく人々の姿が描かれている。
Dジェイは3人の女性と同居。
車で稼ぐノラ(タリン・マニング)
ストリップ・パブで働くレックス(パーカー)とその子供
妊娠中のシャグ(ヘンソン)
稼がせて養ってる…奇妙な共同生活をDジェイが仕切っていた。
彼は常に偉ぶってる。
鈍感で自己中、人を傷つけていても気付かないタイプ。
普通ならこんな男、許せない感じだけど何故か憎めない。
女たちも彼に文句タラタラ、何だかんだ言いながらも尊重してる。
仕事をするには男の存在があったほうが身を守れるだろうし、彼の援護なしでは稼ぎもできないのだろう。
でもそんなDジェイが旧友の協力でデモテープを作りを始め、
周りの協力と彼女たちの励ましがあるからこそ、自分の夢の形が見えていく事に次第に気づき始める。
そんな夢を追いかける一人の男の物語。

ラップなんてよくわからない年代なんですが、とても良かったです~楽しめたし、ちょっと危なげでハラハラもしたし♪
自分のポン引き稼業の辛さや屈辱、不満などをビートに刻み、デモテープを作る過程は見事!
音が、そしてまた別の音が、そして声が…重なり合いながら、次第に出来上がる。
Dジェイ、キー、白人シェルビー(D. J. クオールズ)が、時に暑く時にクールにエネルギーをぶつけ、言葉を音楽に乗せていく。
妊婦のシャグは女性らしい心使いで、男達に軽い空気を与え発想を豊かにさせる。
その夢はもうDジェイだけのものではなく、
“それぞれができること”を全員でする。

教会でのゴスペル調の美しい歌声、テレンス・ハワードのラップ、
一味足りないと突然参加させられたシャグのコーラス。
彼女がおそるおそる歌い始め、次第に目覚めてくようすとか、とても純粋で可愛いらしく、
ノラはちょっと可哀想なこともあるんだけど、芯の強さと賢さが好感持てます。
夢を叶えられる人は幸せです。
それまでどんな苦労があったとしても…
でも夢は持つこと、諦めずに進むこと…
そしてたとえ叶えられないとしても、それまで歩んだ道がどれだけ素敵なものか…
音楽が興味ない方でも楽しめると思います。

「クラッシュ」では、成功した上品な黒人プロデューサーを演じたテレンス・ハワードとは一新、
ガサツで激しく男臭くどこか単純…とっても素敵でした♪
2006年 8/12公開 アメリカ映画
監督 クレイグ・ブリュワー