トリスタンとイゾルデ
2007, 07. 23 (Mon) 18:50

ローマ帝国崩壊後、アイルランドの支配下にあったイギリス。
戦いで両親を失い孤児となったトリスタン(ジェームズ・フランコ)は、コーンウォールの領主マーク(ルーファス・シーウェル)に育てられた。
成長し騎士となったトリスタンは戦闘の末に重傷を負い、敵国アイルランドに流れ着く。
アイルランド王の娘イゾルデ(ソフィア・マイルズ)に助けられ、献身的な介護を受けたトリスタンは彼女と恋に落ちる。
ワーグナーの傑作オペラやシェイクスピアの戯曲の基にもなり、アーサー王伝説の一部として語り継がれてきた悲恋の物語の映画化。
無難に面白かった♪
ラブばかりだったら絶対に飽きたけど、
戦闘シーンが結構あったので良かった。
ここ1番!!
というような派手な盛り上がりや大感動シーンはないので、
見方によっては重みがないかもしれない…
でもストーリーも展開も解かりやすいし、無駄なシーンも無いようなので物語りに入り込みやすい。

愛することの喜び、非情、運命…
裏切ることのできない忠誠、恩義…
その狭間のバランスも良く、心の揺れが伝わってくる。
トリスタンのジェームズ・フランコ。
イゾルデに向けられる視線や眼差しは、切なくて甘い雰囲気。
戦闘シーンでは、なかなか強い男だった!!

トリスタンの少年時代を演じたのは
『ラブ・アクチュアリー』 『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』 のトーマス・サングスター。
このコ、成長楽しみ♪
良き男子になるんじゃないかなあ!
領主マーク役のルーファス・シーウェル。
『ロック・ユー!』 『レジェンド・オブ・ゾロ』 の冷酷無情な役しか観たことないし、
『ホリデイ』 も嫌な奴だったけど、今回は期待を裏切って良い人だったわ!(笑)
イゾルデのソフィア・マイルズは 『フロム・ヘル』でジョニーの亡き妻役でしたよねえ~。
5~6年前位?
回想シーンだからあまり覚えてないけど、
殆ど変わってないような印象でした。
2006年 10/21日公開 アメリカ映画
監督 ケヴィン・レイノルズ
ベルリン、僕らの革命
2007, 07. 23 (Mon) 18:23

ベルリンで暮らすヤン(ダニエル・ブリュール)とピーター(スタイプ・エルツェッグ)
一見ごく普通の若者に見えるが、
裕福な者や権力者が優遇される不公平な社会に反逆している。
自らを“エデュケーターズ”と呼び、
金持ちの家に侵入しては家具や電化製品を動かして、メッセージを残していく。
ピーターの恋人ユール(ジュリア・ジェンチ)は自動車事故によって多大な損害賠償債務を負い、
ウェイトレスをしながら反グローバリゼーションの運動をしている。
ピーターの留守中、ユールの引越しを手伝う事になったヤンは、
急速に彼女と親しくなり“エデュケーターズ”である事を打ち明ける。
話しの流れから、彼女の事故相手の金持ち宅へ侵入することになるが…
タイトルに「革命」なんて言葉があるので難しい内容かと思えば、
意外とそうではなかった。
自分達の理想を世間に知らせようとして金持ち宅のセキュリティーをまんまと突破し、
椅子を積み上げてオブジェを作ったり、
高価で貴重なものをトイレに詰め込んだり、模様替えをしたり、
冷蔵庫の中にステレオを入れたり!
最後に“贅沢は終わり”“財産がありすぎ”などメッセージを置いて何ひとつ盗まない。
帰宅した我が家の変わり果てた様子を見て、
泥棒でもなく、破壊だらけでもない現状を目の当たりにする家主のあっけに取られてる様子は、
一応の彼らの目的達成を意味してるようで小気味良い(決して褒められることではないけれど…)
裕福層ばかりが優遇される社会へ対する彼らなりの革命ということかな。
そこにユールが自分の個人的な感情で加わってしまった事で、事態は一変。
侵入した家で、家主のハーデンベルク(ブルクハルト・クラウスナー)が帰宅、
しかもユールと面識があるためとりあえず誘拐し、4人は山荘で共同生活を始めることに。
ドイツは東西統合以来、貧富の差が社会問題となっていて、
ベルリンにはヤンのように疑問を抱き活動する若者も多くいるそう。
また、このハーデンベルクという大金持ちは若い頃は左翼運動家であったが、年齢を重ね仕事を持ち、結婚をし子供を持つ現実を生きると、
理想や主張ばかりでは生きられないのだと彼らに解く。
時に理想と現実をぶつけ合いながらも、若者達を包み込む包容力や、どこか父親のような暖かさもある。
3人の若者の感受性や恋愛、それを感じながら昔の恋愛や活動の思いを重ねるハーデンベルク…
美しい山々の自然の中、不思議な緊張感で物語りは進んでいく。
ラストもどちらにも解釈できるようだけど、それでも後味の悪さは残らないように思えた。
理想を追い求める気持ちはとても大切なのだけど、時の流れと言うものは知らず知らすのうちに自分の意思を変えてしまう。
若者の青春映画でもあり、大人が通って来た青春映画でもあるように感じた作品。
ヤンには 『グッバイ、レーニン!』 『ラヴェンダーの咲く庭で』
『青い棘』 『戦場のアリア』 のダニエル・ブリュール。
ユールには 『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』 のジュリア・ジェンチ。
彼女は何処かしら小雪に似てる…笑
2005年 4/29公開 ドイツ、オーストリア映画
監督 ハンス・ワインガルトナー