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今宵、フィッツジェラルド劇場で 

2007, 04. 19 (Thu) 01:08



ミネソタ州セントポールのフィッツジェラルド劇場では、ラジオの公開生放送が始まろうとしていた。
司会者のギャリソン・キーラー(ギャリソン・キーラー)、姉妹のカントリー歌手ロンダ(リリー・トムリン)とヨランダ(メリル・ストリープ)らおなじみのメンバーが、続々と楽屋入りする(シネマトゥデイ)

私立探偵風?劇場の用心棒ノワール(ケビン・クライン)の語りから始まるストーリー。
フィッツジェラルド劇場で、30年もの間親しまれてきたラジオショーの
「プレイリー・ホーム・コンパニオン」
劇場が大企業に買収され、番組も今回が最後の公開生放送。
スタッフ、出演者はそのことには触れず、いつもと同じように放送をこなそうとします。
そこに、謎めいた白いコートの美女(ヴァージニア・マドセン)が現れ、生放送中の劇場にも入って来たりと怪しい行動が。

この映画は、カントリー・ミュージックと共に“死”がテーマとされています。
ステージの出演者や関係者は老若男女。
尽きる命があれば、産まれる命もある。
普段、カントリー・ミュージックなんてあまり馴染みがないけれど、
これが何だかとても心に響いてくる。
ロンダとヨランダが亡き母を思い歌う曲は、軽快な音の中に喪った人への思いと、残された人の前向きな生き方を歌い上げ、
そうかと思えば、カウボーイデュオ、ダスティ(ウディ・ハレルソン)とレフティ(ジョン・C・ライリー)は、下品で悪ふざけの下ネタがオンパレードなんだけど憎めない!
一見、キメている風貌でもコミカルに見えるノワール、
ヨランダとロンダの姉妹、ダスティ&レフティ、チャック、ヨランダの娘ローラ(リンジー・ローハン)、そして司会者のギャリソンと、
まるで、本当に生番組の裏側を観ているように、時にアドリブやおふざけを挟みながら、進行していく。
生放送のハプニングやアドリブ、CMすらも彼らがその場でコメントするのも楽しいです。
何とかテープのCM…
夫婦の溝?亀裂?は貼れないけれど、それ以外は大丈夫~みたいな!!
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メリル・ストリープの歌声は素敵です~。
ジョン・C・ライリーは『シカゴ』でうだつの上がらない亭主を演じていましたが、
歌は上手ですねえぇ~低音が良いです!
先日のアカデミー賞のプレゼンターでも、ウィル・フィレルやジャック・ブラックとのパフォーマンスも楽しかったです♪

昨年の11月20日に亡くなった、ロバート・アルトマン監督の遺作。
劇中の天使の言葉…“老人の死は悲劇ではない”
天寿を全うし、去る者がいれば、新しく登場する者もいる。
別れがあれば、新しい出会いがある。
ただ別れを悲しむのではなく、その後の出会いを大切に育てていこうとする思いが、暖かく伝わってきます。
どんなに長く続いても、いつかは終わりが来ます。
でもそれに嘆く事はない。
そこから始まる事もあるのだから…

私事ですが、
先週、小さい頃から可愛がってくれた叔父を亡くしました。
まさに“老人の死は悲劇ではない”最後です。
観たいと思う映画の内容は、特に詳しく調べず出かけるので、
チョット楽しいミュージカル風…と思ってました。
今日この映画を観たのは、とてもリアル…
ああ、そうなのだ~と、劇中の楽曲に涙せずにはいれませんでした。
後に残る者たちへのメッセージのように感じられ、
私にとっては、とても心に残る作品になりました。

2007年 3/3公開 アメリカ映画
監督 ロバート・アルトマン