フラガール
2007, 04. 28 (Sat) 23:24

昭和40年、時代の波で危機的な状況に追い込まれたある炭坑の村に、町おこしとしてレジャーランド建設の話が持ち上がる。
娘たちをフラガールに育てるため、
東京から元売れっ子ダンサーの平山まどか(松雪泰子)が先生としてやって来る。
それをよく思わない炭坑の男たちと、
村のため、家族のため、自分のためとひたむきに踊りを練習する娘たちの姿を描く。
大人たちはフラダンスに猛反対!
紀美子(蒼井優)をはじめ村の娘達は、新しい世界への憧れと同時に、家族や村の助けになりたいなどそれぞれの想いを抱えてる。
事情ありで都落ちしてきたまどか先生、
最初は村人や娘たちを軽蔑の眼差しでみることもあったが、彼女たちに教えることによって、自身にも大きな気持ちの変化が…
本当の踊りの歓びを、彼女達と共有することができる。
盆踊りぐらいしか踊れなかった娘たちが、厳しいレッスンに耐えプロのフラダンサーになっていく過程や、ラストのフラダンスは最高潮!
それぞれの年代の立場や想い、生き方がとても丁寧に描かれていて、
母娘だったり、友人だったり、先生と生徒だったりとその絆の深さや、別れには何度も泣かされます。
フラは手話の要素があるので、ホームでの別れのシーンは特に泣けました。
そして、逆境から立ち上がっていく力強さも感じます。
若い子たちが変化を求めて、悩み挫折しながらのサクセス・ストーリーと違うのは、
時代の新旧、事情や葛藤、対立、田舎と都会…
そんな対比のようなものが、笑いと涙で描かれていて感動させられるのかもしれない。

松雪泰子はとても美しく、東京からやってきた強い女性を見事に演じています。
ダンスシーンは迫力あるし、、生徒の為に男湯に乗り込んでく姿はかっこいい♪
40年代、彼女のファッションやヘアースタイル、とっても似合っていてステキ。
フラガールのリーダー蒼井優の演技も見事。
東北なまりにも違和感がなく、自然な感じ。
可愛いい田舎娘の部分と芯の強さを上手に演じ、凛とした感じがとても良かったです。
ラストのフラダンスには拍手を送りました。
岸部一徳、富司純子、豊川悦司も重要な役で、素晴しい演技でした。
そしてしずちゃん、アナタに泣かされるとは…(笑)
どの人物にもドラマがあり、感動があります。
上映時からとても評判の高い作品で、DVDを楽しみにしていましたが、こんなに泣かされるとは思わなかった…!!
泣ける映画だから良い映画ではないのですが、この作品は本当に素晴しい!
温泉レジャー施設「常磐ハワイアンセンター」(現・スパリゾートハワイアンズ)誕生の裏話を描いた実話。
この炭鉱の特色は、石炭を掘り出すのに、温泉を処理しなければいけなかったほどの豊富な湯量だそう。
この湯量を利用して一大リゾート施設をつくり、失業者を吸収したという。
日本アカデミー賞受賞したのも納得だし、
今年度アカデミー賞外国語映画賞に選出されたのも肯けますね!
2006年 9/23公開 日本映画
監督 李 相日
THE QUEEN クィーン
2007, 04. 26 (Thu) 17:23

1997年8月31日“英国の薔薇”とうたわれた英国王室のダイアナ元皇太子妃が、
パリで交通事故に遭い逝去してしまう衝撃的なニュースが全世界に流れた。
ダイアナ元妃の訃報を悼み、その日から全世界は悲しみに包まれる。
しかし、なかなか公式声明文を発表しない英国王室のエリザベス女王(ヘレン・ミレン)の対応へ批判が集中する。 (シネマトゥデイ)
本年度、第79回アカデミー賞主演女優賞でオスカーを手にしたヘレン・ミレン。
彼女のエリザベス女王の演技が大きな話題となって、楽しみにしていた作品。
イギリス総選挙の当日、肖像画を描かせるエリザベス女王がテレビを見ながら画家に選挙の愚痴をこぼすシーンから始まる。
トニー・ブレア(マイケル・シーン)が勝利を収め、夫妻が宮殿に招かれる。
ブレアー夫人の挨拶の仕方など、女王や側近の皮肉混じりなセリフや表情はクスッと笑えた。
ダイアナの事故からの7日間は、生前のダイアナの映像や事故の映像を挿みながら展開されてゆく。
この映画の内容が事実なのかフィクションなのかは解らないけど、
王室は多少の動揺は隠せないにしても、その反応は冷たい。
チャールズ(アレックス・ジェニングス)は、王室のチャーター機でダイアナの遺体を引き取りに行きたいと願うが、女王は税金の無駄使いだと国民に非難されると言い、
葬儀もダイアナの実家、スペンサー家が取り仕切るべきだと主張する。
未来の王、ウイリアムとヘンリーの母親であると主張するチャールズに、
民間人に戻ったダイアナに、王室として出来る事は何もないと他人事のように言い放つ。
バルモラル城に滞在中で、森で鹿狩りをしたり、バーベキューしたりと哀悼の意を表すつもりがない。
ダイアナの死を無視する王室に対して、国民の不満の声が日に日に増し、
国民との溝を埋めるようにと、ブレア首相と女王とのやり取りが始まる。
女王はバッキンガム宮殿の花やカードに目を通し、ダイアナの死について声明を発表する。
国民の信頼を回復し、国民に歩み寄った。

やはり、ヘレン・ミレンは素晴らしかったです。
顔だけでなく、体型、歩き方までそっくり!
女王の生活は、執務に追われる日々。
「執務が第一、自分は二の次」 と若い頃から叩き込まれた。
品格と威厳、そして一匹の鹿と出会う時に見せる涙。
遠い存在でありながらも、身近に感じるシーンでした。
ダイアナとの確執など、過去の出来事での感情や守るべき伝統、
国民の反応などで苦悩する姿は見事。
その他の皇族メンバーもそっくり!!
チャールズは最初、どうかなあ?と思ったけど、
物語が進むに連れて違和感もなくなったし、
宮殿前の献花を見る一族の姿は、ニュースで観た覚えがある光景と同じだった。
エジンバラ公はダイアナに対してかなり批判的でした。
死んでも迷惑かけるとか、葬儀参列者にはセレブ(ハリウッド俳優)やホモが来るとか…!!
でも、ベッドに入る時、“お休み~キャベツちゃん”と女王に言ってたけど(笑)
ネグリジェやガウン姿やヘアピンした髪とか、見た事ないけど、きっとこんな感じなんだろうなあ。

ブレアを演じたマイケル・シーン、とても良かったです。
新しいイギリスを…と意気込むブレア首相と、
君主制度を守っていかなければならない女王とのやりとりは見もの。
ラストで、親子のような二人の姿は印象的。
映画の中で描かれる鹿狩りのエピソード。
鹿の存在はダイアナだったんだろう~と観終わって感じた。
最後の「苦しまないで…」の女王のセリフは印象的。
2007年 4/14公開 イギリス/フランス/イタリア
監督 スティーヴン・フリアーズ
ラブソングができるまで
2007, 04. 24 (Tue) 18:38

すっかり人気のなくなった80年代のポップスター、アレックス(ヒュー・グラント)
そんな彼のもとに、人気絶頂の歌姫からデュエット曲の作曲と収録のオファーが舞い込む。
絶好のカムバック・チャンスを得るアレックスだったが、彼に作詞の経験はない。
そんな時、植木の世話係ソフィ(ドリュー・バリモア)が、アレックスの家にやって来る。
実はソフィは元作家の卵。
ソフィの言葉のセンスに、アレックスは作詞を頼む(シネマトゥデイ)
カリスマ的スーパースターのコーラ・コーマンから、新曲を提供してほしい…というオファーに、ビック・チャンスと偶然出会った才能。
元人気ポップスターのアレックスと、失恋の痛手から書くことを止めてしまった元作家の卵ソフィ。
この“元”つきから、二人は変われるのか。

良かったです~ストーリーはシンプルなラブストーリーで、
ラストの流れまで想像はついても、
こんなラブコメは観た後で、暖かな気持ちになれます♪
あれこれと試行錯誤、時にはお互い過去の辛い経験を打ち明けながらも、二人でラブソングを作っていく過程は、ホノボノとしてるし、
出来上がったフレーズを聞かされる管理人(?)は、音感ゼロと言いながらもかなり的の得たアドバイス(だったと思う)
当時からアレックスの大ファンというソフィの姉や、
マネージャーのクリスなど、脇の人たちの暖かさも十分に感じられる作品。
結構笑えてハッピーになれる…そんな映画でした。

元ポップスター役のヒュー・グラント、最高♪
腰の振り方や、ちょっとダサく感じる当時の踊りや歌い方が上手い!
このような恋愛映画、彼には絶品ですね。
ドリューも本当、可愛い!
いつもながら、チョット素が出てるのでは?と思える自然な演技と笑顔や仕草がチャーミング。
音楽も懐かしいフレーズで、劇中で2人が作る曲は耳に残りました♪
劇場出てからも口ずさんだり…♪
カリスマ・アーティスト、かなーーりセクシーで怪しげ?!
だって、ブッダ崇拝してる!? なんでぇ?(笑)
2007年 4/21公開 アメリカ映画
監督 マーク・ローレンス
デスパレートな妻たち/シーズン2
2007, 04. 24 (Tue) 12:02

「デスパレート」とは、せっぱ詰まった、がけっぷちの、絶望的な、という意味。
美しく閑静な住宅街、ウィステリア通り。
ある朝、一発の銃声から物語が始まりまるシーズン1
この街に暮らす5人の主婦と、彼女らと関係する人達が繰り広げるコメディータッチなミステリアスドラマ。
■ブリー/マーシャ・クロス(声:渡辺 美佐)
完ぺきに家事をこなす主婦。
何事にも一所懸命すぎて、家族は窒息寸前。
■リネット/フェリシティ・ハフマン(声:唐沢 潤)
キャリアウーマンだったが、妊娠をきっかけに家庭に。
気付けば双子の男の子を頭に4人の子供を持つ母親。
夫は出張が多く不在がちで、ストレスはたまる一方。
■スーザン/テリー・ハッチャー(声:萬田 久子)
一人娘ジュリーと暮らすバツイチの童話挿絵作家。
そそっかしくてノー天気。
料理センスの悪さは超ど級。
最近越してきた独身男性マイクと恋に落ちる。
■ガブリエル/エヴァ・ロンゴリア (声:日野 由利加)
超リッチな夫を持つ、美人でスタイル抜群の元モデル。
多忙な夫の留守中に、庭師のアルバイトと浮気を楽しんでいる。
'04年10月にアメリカで放送されるやいなや、
多くの女性の共感を呼び、社会現象となったドラマシリーズ。
ブッシュ大統領夫人も「観ている」と発言し話題にもなった。
DVDは全巻(23話)揃っていますが、
去年の秋にNHK-BSで放送されていたシーズン1が、
4/14から毎週土曜(日曜午前)深夜0:55~1:40、NHK総合で放送されています。
海外ドラマは、もう果てしなく続くので、
嵌りだすとキリがなくなる恐れから、今まで何も見てませんでしたが、
何気にシーズン1をレンタルしたら、ヤッパリ…ハマッテシマッタ!
一気に見れる!
文化の違いなどから、えーー?と思うこともありますが、
それがまたスッゴク笑えます♪
主婦として、母として、
夫や子供との関わり、家族のあり方など、
誰でも何かしら覚えがあったり、共通点があったりするのではないかと思います。
そんなのあり?それでいいの?と感じる事もしばしば…でもそんな事件やエピソードが物語の流れに重要に絡んでくる。
個性派揃いの女優さん達が、もう色々と見せてくれます!
笑えます、悩めます、腹も立ちます、時に涙も流れます。
自分はどのタイプか?~と見るのも楽しいかも(笑)
「トランス・アメリカ」で性同一障害を演じたフェリシティ・ハフマンが、ここでは4人の子持ちの主婦。
腕白な子を抱えて、もう、クッチャクチャでグッチャグチャ(爆)
とっても身近に感じます(*^^)

ただ、残念なのは吹き替え。
特にスーザンの声の萬田久子は酷い(苦笑)
テリー・ハッチャーは、高くて綺麗な声。
必死になって喋るシーンが多いのに、
萬田さん、低くてモゴモゴと根暗な声…!
ゴールデングローブ賞TVミュージカル&コメディー部門の作品賞を2年連続で受賞。
'04年度のゴールデングローブ賞主演女優賞は、テリー・ハッチャー(スーザン役)が、
エミー賞コメディー部門主演女優賞は、フェリシティ・ハフマン(リネット役)が獲得するなど、数多くの栄冠に輝く。
第2シリーズ目にしてノミネート常連作品となり、名実ともに注目度NO.1ドラマとなっています。

シーズン2は3月NHK-BSで終了しました。
DVDは4/18から随時レンタル開始!!
新しくやって来た住人や、去る人…
更にリアルになって、時に重く、また新たな秘密など…もう眼が離せない!
“シーズン3”は秋に放送予定でしょうか。
ああ~~楽しみぃ♪
美しき運命の傷痕
2007, 04. 23 (Mon) 23:58

パリに住む三姉妹とその母親の愛の物語。
夫の浮気に悩み、情緒不安定な長女ソフィ(エマニュエル・ベアール)、
体の不自由な母(キャロル・ブーケ)の看病に通う、男性に奥手の次女セリーヌ(カリン・ヴィアール)
大学生の三女アンヌ(マリー・ジラン)は、歳の離れた大学教授のフレデリック(ジャック・ベラン)と不倫中。
この三姉妹、愛の形も哀しみも違うけれど、22年前のある事件が発端となって、何かしらのトラウマを抱え成長したよう。
その事件とは何だったのか…
ソフィは夫の行動を調べたり、後を付けたり、おまけに愛人の部屋に忍び込み、眠っている女の匂いを嗅いだりとチョット異様。
セリーヌは、突然話し掛けられた男セバスチャン(ギョーム・カネ)に、不審を抱きながらも次第に気になり始める。
フレデリックから別れを告げられ困惑するアンヌは、相談があると友達を訪ねるが、そこへ帰宅したのはフレデリック。
彼は同じ大学の教授で、しかも友達の父親。
この男女二人の図々しさは、観ていて少し嫌悪感が…
そして母は、過去に夫の不義を告発して家から追放。
今は言葉を失い、車椅子で療養中。
愛に迷う女性達のアンサンブルストーリー。
それぞれのエピソードがそれぞれの個性を現すかのように、
暗闇に浮かぶ赤い色や、光りに透かして逆さ読みするミネラルウォーターのラベル、万華鏡など、色彩やカメラワークで世界観が表されてるよう。
こんなところは、フランス映画ならではの雰囲気。
この姉妹の愛のストリーが、今まで心のどこかに抱えてきただろう、父親の不幸な出来事が影響しているとわかってきます。
そしてラストにやっと絡む三姉妹と母親。
アンヌの試験テーマとなった『王女メディア』は、まさに母親とオーバーラップして、彼女の怒り、嫉妬、復讐、それは娘たちにトラウマとなって現われてしまった。
母親の冷酷とも思えるラストのセリフは、自身が選択した人生や、
娘達のこの生き方をも受け入れる、女の情念みたいなのを感じてしまった。
個人的に思うのは、当事者同士もう少し冷静に向き合う姿勢はなかったのだろうか?
少なくても夫の方は、頼むから話しを聞いてくれ~のアプローチだったのに…
母にしてもソフィにしても、自分に対して不義な夫を追い出したからと言って、子供もいるのに本当の解決になるのだろうか?
強さもしたたかさも、使い方次第なのでは~と。
そう思うのは、なるべくなら離婚を避けたいと考える日本人的な発想なのか~それとも私の勝手な見解かな?
好き嫌いと観れば、微妙な作品なんだけど、
愛を失う女の怖さと、愛憎の深さ、危なげで、もろくて、
でも実は強い“女”を描いた作品のように感じる。
“愛”と“憎”は背中合わせ~紙一重…
愛情が深ければ深いほど、憎しみもまた深いもの…?!
母親役のキャロル・ブーケはじめ、女優達の演技はとても上手い。
アメリカ映画ならチョットしらけそうな場面でも、フランス女優さんとあの色気ある(?)言葉でそれなりの雰囲気に。
冒頭のタイトル・バック…他の卵を巣から落とすカッコウのヒナドリ、
この自然の摂理といえる強烈な始まりから、物語に引き込まれました。
2005年 4/8公開 フランス=イタリア=ベルギー=日本
監督 ダニス・タノヴィッチ
ニコラス・ケイジのウェザーマン
2007, 04. 22 (Sun) 15:15

シカゴのローカル・テレビ局で活躍するお天気キャスターのデイヴ(ニコラス・ケイジ)は、
私生活では妻と別れ、有名作家の父親との関係もギクシャクと悩み多き日々。
自分のキャリアと家族との間で揺れ動きながら、人生を見つめ直していく姿を描く作品。
デイヴは、その天気予報の的中率(?)から、街を歩いていると心無い視聴者からファースト・フードなど投げつけられる事も度々!
離婚した妻と子、自分の父親との関係など、
チョット情けない中年男性の悲哀を描いたシニカルなコメディです。
特別大きな盛り上がりもなく、時々クスッと笑え、淡々とまったりと流れていくので、 好き嫌いはあるかもしれません。
私は、結構良い映画だと思いました。
ニコのあの顔が情けなさを更に強調し、この役柄の雰囲気に合っていたし、
父親役のマイケル・ケインがとても良い。
何をしても上手く事が運ばない息子に、
“どうせ、クソみたいな人生”と言う父親のセリフなど、
開き直って生きていくのも、時には必要なんだ…
人生、いつでも努力は必要…でもどうにもならないとか、諦めざる終えない時はある。
そんな時はもうジタバタせず、身を任す~そんな踏ん切りになるような心に残るセリフでした。
デイヴとファットな娘のシーンは、ほのぼのとしてクスッとなります。
まるでファッション・ショーのように、父娘のショッピングはとても楽しそう♪
それぞれが何かしら成長したのでは、と思える作品でした。
2005年 日本未公開作品 アメリカ映画
監督 ゴア・ヴァービンスキー
タイムリミット
2007, 04. 22 (Sun) 14:55

フロリダの小島、バニアン・キーの警察署長マット(デンゼル・ワシントン)は、住民の信望が厚い警察官。
彼の秘密は、高校時代の後輩アン(サナ・レイサン)と不倫関係にあること。
ある日マットはアンの通院に付き添い、
彼女が末期ガンで余命僅かということを知る。
マットは署に保管された証拠品の現金を持ち出し、
最後の望みをかけた高額な治療を受けるよう、アンに現金を手渡す。
その晩アンの自宅が火災で焼失し、アンと夫の遺体が見つかる。
呆然とするマットの前に現れたのは、殺人課の刑事でマットの別居中の妻アレックス(エヴァ・メンデス)だった…
取調べの担当刑事が、なんと別居中の妻であることから、
彼は自分の行動が疑われないよう、慌てふためきながらも何とかごまかし続けます。
証拠隠滅と改ざんをしながら、マットの慌てぶりがもうギリギリで!!
観てる方もハラハラ…
サスペンス映画なのに、
彼が窮地に陥るほど何故か笑えてしまう(苦笑)
デンゼル・ワシントンと言えば、正義感溢れる強い警察官のイメージがある中、
この慌てぶりは、なかなか観れないモノを観たようで逆に面白かったです♪
マットの友人で検死医のチェイ。
もう、この方が最高!
終始すっとぼけた表情を見せながら、なんとか機転も利く。
存在感がありました。
大掛かりなアクションシーンがあるわけどもなく、
サスペンスとしてもそれほど凝った内容ではないですが、
緊張感はありました!
ああーーーもう、ダメ、
ダメだよぉぉーーー!!みたいな?!
不倫して疑われたら、こんなふうに逃げ切らなきゃダメなのよねえ~
奥さんと一緒に鑑賞したら、ついつい疑いの眼でみられてしまうかも?
男性の方、、、やはり、不倫はいけない…ということで(笑)
エヴァ・メンデスは 『トレーニングデイ』でもデンゼルと共演。
『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』で警察の女捜査官を演じたり、
『最後の恋のはじめ方』ではセクシー&コミカルに~この女優さんは色気があります。
2004年 4/10公開 アメリカ映画
監督 カール・フランクリン
今宵、フィッツジェラルド劇場で
2007, 04. 19 (Thu) 01:08

ミネソタ州セントポールのフィッツジェラルド劇場では、ラジオの公開生放送が始まろうとしていた。
司会者のギャリソン・キーラー(ギャリソン・キーラー)、姉妹のカントリー歌手ロンダ(リリー・トムリン)とヨランダ(メリル・ストリープ)らおなじみのメンバーが、続々と楽屋入りする(シネマトゥデイ)
私立探偵風?劇場の用心棒ノワール(ケビン・クライン)の語りから始まるストーリー。
フィッツジェラルド劇場で、30年もの間親しまれてきたラジオショーの
「プレイリー・ホーム・コンパニオン」
劇場が大企業に買収され、番組も今回が最後の公開生放送。
スタッフ、出演者はそのことには触れず、いつもと同じように放送をこなそうとします。
そこに、謎めいた白いコートの美女(ヴァージニア・マドセン)が現れ、生放送中の劇場にも入って来たりと怪しい行動が。
この映画は、カントリー・ミュージックと共に“死”がテーマとされています。
ステージの出演者や関係者は老若男女。
尽きる命があれば、産まれる命もある。
普段、カントリー・ミュージックなんてあまり馴染みがないけれど、
これが何だかとても心に響いてくる。
ロンダとヨランダが亡き母を思い歌う曲は、軽快な音の中に喪った人への思いと、残された人の前向きな生き方を歌い上げ、
そうかと思えば、カウボーイデュオ、ダスティ(ウディ・ハレルソン)とレフティ(ジョン・C・ライリー)は、下品で悪ふざけの下ネタがオンパレードなんだけど憎めない!
一見、キメている風貌でもコミカルに見えるノワール、
ヨランダとロンダの姉妹、ダスティ&レフティ、チャック、ヨランダの娘ローラ(リンジー・ローハン)、そして司会者のギャリソンと、
まるで、本当に生番組の裏側を観ているように、時にアドリブやおふざけを挟みながら、進行していく。
生放送のハプニングやアドリブ、CMすらも彼らがその場でコメントするのも楽しいです。
何とかテープのCM…
夫婦の溝?亀裂?は貼れないけれど、それ以外は大丈夫~みたいな!!

メリル・ストリープの歌声は素敵です~。
ジョン・C・ライリーは『シカゴ』でうだつの上がらない亭主を演じていましたが、
歌は上手ですねえぇ~低音が良いです!
先日のアカデミー賞のプレゼンターでも、ウィル・フィレルやジャック・ブラックとのパフォーマンスも楽しかったです♪
昨年の11月20日に亡くなった、ロバート・アルトマン監督の遺作。
劇中の天使の言葉…“老人の死は悲劇ではない”
天寿を全うし、去る者がいれば、新しく登場する者もいる。
別れがあれば、新しい出会いがある。
ただ別れを悲しむのではなく、その後の出会いを大切に育てていこうとする思いが、暖かく伝わってきます。
どんなに長く続いても、いつかは終わりが来ます。
でもそれに嘆く事はない。
そこから始まる事もあるのだから…
私事ですが、
先週、小さい頃から可愛がってくれた叔父を亡くしました。
まさに“老人の死は悲劇ではない”最後です。
観たいと思う映画の内容は、特に詳しく調べず出かけるので、
チョット楽しいミュージカル風…と思ってました。
今日この映画を観たのは、とてもリアル…
ああ、そうなのだ~と、劇中の楽曲に涙せずにはいれませんでした。
後に残る者たちへのメッセージのように感じられ、
私にとっては、とても心に残る作品になりました。
2007年 3/3公開 アメリカ映画
監督 ロバート・アルトマン
大いなる休暇
2007, 04. 15 (Sun) 17:59

カナダ・ケベック州のサントマリ・ラモデルヌ島は、人口120人ほどのかつて漁業が栄えた島。
だが今の島民たちは、失業手当に頼る生活を余儀なくされていた。
そんな島に、大規模なプラスチック工場誘致の話が持ち上がる(シネマトゥデイ)
工場誘致の条件は、200人以上の人口と、定住した医師がいること。
人口はその数に達してないのに、なんとか上手く誤魔化した新任町長のジェルマン(レイモン・ブシャール)
次の問題は定住医師…。
その医師獲得のために、奮闘する島民たちの騒動を描くコメディ。
片っ端から州の医師たちに手紙を書くが、一向に返事がなく落胆気味。
ひょんなことから、ルイス(デイヴィッド・ブータン)という整形外科医が1ヶ月という限定つきで島に来てもらえることになった。
この期間に、なんとか彼に島での生活を気に入ってもらえるよう、
あらゆることを試みる、島民のおじさんやおばさんたち。
中には~そんな事までするの??と、
本当ならあまり感心できないこともあるけど、
どこか間抜けで、悪気のない純粋な気持ちは十分に感じられてきます。
過疎の問題、生活保護、医者を切望している島民の姿も描かれていて、ただのコメディだけではありませんでした。
この島民達、チョット浮世離れしたような個性が素晴らしい♪
ルイスに気に入ってもらえるよう張り切っちゃう数々のエピソードは、思わず笑わずにはいられない!
まあ~いいかっ、笑って許そう…そう思えるのは人徳かな?!
仕方なく都会からやってきたルイスも、だんだんその気になるのもわかります。
何しろ海は青くて綺麗だし、魚はおいしそうだし、モチロン島民たちと過ごすのも楽しそう?!
この緩やかな時の流れは、何よりの宝なのでしょうね~。
カナダはアメリカと陸続きですが、舞台がケベック州のこの映画は、フランス語。
それがまたホノボノとした感じと、ゆったり~のんびり過ぎていく時間の流れを強調するかのよう…
後味の良い作品でした。
2005年 6/4日公開 カナダ映画
監督 ジャン=フランソワ・プリオ
ブラック・ブック
2007, 04. 11 (Wed) 11:02

1944年、ナチス占領下のオランダ。
農家の屋根裏にかくまわれていた、美しいユダヤ人歌手のラヘル(カリス・ファン・ハウテン)は、逃亡中に家族を殺され、オランダ人レジスタンスに救われる。
ラヘルはその後エリスというオランダ人になりすまし、ドイツ軍将校ムンツェ(セバスチャン・コッホ)に近づいて情報をレジスタンスに流す。
第二次世界大戦のレジスタンス運動を背景に、運命に翻弄されながらもたくましく生きるユダヤ人女性の、波乱の半生をドラマティックに描く(goo映画)
戦争を背景に、家族やユダヤ人を目の前で殺されてしまった女性の復讐のお話。
彼女はその美貌を武器に、ドイツ人将校ムンツェに近づいていくが、
次第に彼を愛するようになってしまう。
この映画はナチスのオランダ占領とユダヤ人迫害という背景ですが、
戦争の悲惨だけを描くのではなく、ミステリアスなサスペンス娯楽映画として楽しむことができると思います。

行く手には裏切りや罠が待っている。
敵はナチスだけでなく、レジスタンス内でも裏切り者がいるのでは?
密告や裏取引の中で誰を信用できるのか…
レジスタンスの仲間も誰もが一癖ありそうで、その偽装は巧妙。
そしてブラック・ブックに、その真実が隠されている。
スパイ、裏切り、禁じられた愛と盛りだくさんな内容で、
生き残るために選択を迫らた人々の姿が、緊張感たっぷりに描かれています。
2時間20分ほどですが、最後まで飽きさせない!
そして時にユーモラスに。
エリスはかくまってもらっている家主に「ユダヤ人がイエスに従えば、トラブルに巻き込まれなかったのだ」と言われると、
自分のオートミールにシロップで十字架を書き、混ぜて消します。
レジスタンス仲間のハンスのヒトラーのモノマネはそっくり!
場面に登場する小道具やエピソードなど、さり気なく散りばめられた伏線も見事で、最後にはすっきりする!!
とても上手くできてます。
チョコレートが重要なんですねぇ~。
ちょっとリアルな描写で、びっくりするシーンもあったけど…
レジスタンスとドイツ軍、たとえ敵同士であっても利害関係が一致すれば手を結び、仲間を平気で売る。
裕福なユダヤ人を罠にかけ殺害し、彼らが身に隠した現金や宝石をすべて奪っていきます。
このようなナチスの残忍さを伝える反面、ムンツェ大尉は妻と子供を空爆で失った悲しい男。
1944年という戦争も終わりに向けて、ムンツェのようなドイツ人がいたのも事実。
たくさんの人間の死を通して、伝わってくるのはやはり戦争の空しさです。
ラストでは平和な暮らしに戻ったかのようだけど、切なさも残りました。

『インビジブル』『氷の微笑』『トータルリコール』などのポール・バーホーベン監督が23年ぶりに母国オランダで制作。
カリス・ファン・ハウテンは、美しいだけでなく、毅然としたヒロインを見事に演じ魅力的。
ドイツ将校でありながら良心を持つムンツェを『善き人のためのソナタ』のセバスチャン・コッホが演じる。
それにしても、ハンス役のトム・ホフマンがラッセル・クロウに見えて…!
2007年 3/24 公開 オランダ・ドイツ・イギリス・ベルギー映画
監督 ポール・バーホーベン
近日公開~恋愛睡眠のすすめ
2007, 04. 11 (Wed) 09:52

『エターナル・サンシャイン』で数々の賞に輝いたゴンドリー監督の最新作、『恋愛睡眠のすすめ』 原題 『SCIENCE OF SLEEP』 4月28日から全国順次公開。
『モーターサイクル・ダイアリーズ』 『バベル』のガエル・ガルシア・ベルナルと、
『21グラム』 『フレンチなしあわせのみつけ方』のシャルロット・ゲンズブールが共演。
*ストーリー
メキシコ人の父とフランス人の母を持ち、両親の離婚で父とメキシコへ。
父の死によってパリの母の元にやってきたステファン(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、内気な性格で冴えない青年。
ある日、隣に引っ越してきたステファニー(シャルロット・ゲーンズブール)に次第に惹かれていくステファンだったが、なかなか上手く事が運ばず、
せめて眠っている間だけでも彼女に会うため、理想的な夢ばかり見るようになる。
夢の中でのステファニーとの恋愛は完璧な形で展開していき、いつしかステファンは夢と現実の区別がつかなくなっていく…。
“睡眠中”に“恋愛”するロマンチック・ムービー。

まるでアニメや人形劇の中に迷い込んだようなセットで、
馬の着ぐるみや綿の雲、セロファンの海、紙で出来た家など、
CG映像ではなく、アナログなアイテムは楽しそう♪
危なそうな役、セクシーな役、全裸シーンなどでお馴染み(?)のガエル君が、今回は情けないダメダメ君。
今までにない彼なのでファンは必見ですね。
「エターナル・サンシャイン」と同じように、“睡眠中の夢”と現実を
ゴチャゴチャにしていく手法はゴンドリー監督ならでは!
公開が待ち遠しい作品です♪(わが生息地~5/19より)

シャルロット・ゲーンズブールはちょっと好みじゃなんですよね~
雰囲気はあるし着こなしとかも上手だけど、長くて薄っぺらい(顔)とか…!
★捜査の手が近づき、少し小奇麗にしてパリに逃げてきたモート・レイニー。
CDショップでシャルロットに出会い、後に偶然、部屋を仲介してもらう事になる。
シャルロットはモートを覚えていたが、
彼には記憶はない様子。(そうよねぇ~もう、色々とやっちゃったから、疲れたのよ)
エレベーターの中で、どちらともなく抱き合いキスをする…
…あれって結局、彼女の妄想なのよね?
あっ、じゃあ、彼女も妄想癖だったのか(関係ない?!)
【謎の男をモートふうで…】
もしも昨日が選べたら
2007, 04. 09 (Mon) 14:15

仕事優先で家族を顧みない建築士のマイケル(アダム・サンドラー)は、妻ドナ(ケイト・ベッキンセール)と口論の絶えない毎日。
子供達には仕事の邪魔をされ、飼い犬はほえまくり、イライラがつのる。
使い勝手の悪いリモコンを買い変えるため街に出て、怪しげな店員モーティ(クリストファー・ウォーケン)から最新型の万能リモコンを手に入れる。
それは人生をコントロールできる“万能リモコン”だった。
早速使い始めたマイケルは、吠える犬の声を消したり、妻の口うるさい小言を早送りしたりと、面倒なことを回避。
人生を早送りできる不思議なリモコンを手に入れた男が、
時間の大切さや家族の愛について考えるファンタスティック・ドラマ。
アダム・サンドラーの映画は殆どがコメディで、笑いあり涙ありで面白い作品が多いですね♪
これもそんな笑えるところが満載!
最初は、生意気な隣の子供に一時停止で仕返ししたり、
渋滞を早送りしたり、 嫌な上司にイタズラしたり…
まあ~チョット大人気ないけど、クスッと笑えるものだったのに、
それがどんどんエスカレートして、早送りが増えていく。
しかもこの万能リモコンは、一度飛ばしたシーンはまた勝手に早送りされる!!
自分の人生が早送りされてしまうんですよおぉ~~~!
おまけに自分が知らない事がいつの間にか起きていて、もう、取り返しが付かない状態へ…
気付いた時は、もう遅い…!!
でもその時の状況に必死に合わせようとするマイケルが、健気で涙を誘う~。

アダム・サンドラーは太ったり、緑色になったり、老けたり。
本年度アカデミーのメイクアップ賞に、辻一弘氏がこの作品でノミネートされたのでしたね。
ケイト・ベッキンセールは、相変わらず綺麗~♪
クリストファー・ウォーケンは、やっぱ、怪しくて、不思議なオーラーで存在感たっぷり。
この方は、私の中ではいつも「スリーピー・ホロウ」の首なし騎士!!
ワンちゃんも立派な役者さん♪


美人な妻と可愛いい子供。
マイケルは今の生活に幸せは感じてるけど、満足はしてないのね。
そんな日常の幸せに気付かず、周りに不満ばかり抱いているのは私達も同じかも!
休日はのんびり~ゆったり~と、テレビ見たり、DVD見たりするのが楽しみだったりするもの。
軽い下ネタはありますが、“家族”のあり方を基にした、思わずホロリと涙してしまう~そんな心温まる映画です。
ひとつ残念なのは…英語解る方はもっと笑えたのでしょうねえーーー!!
字幕だけでは、笑いのツボも少なかったかも。
2006年 9/23公開 アメリカ映画
監督 フランク・コラチ
セックス・アンド・マネー
2007, 04. 09 (Mon) 14:01

昔から仲の良い4人の女友達。
ジェーン(フランシス・マクドーマンド)は更年期突入で、終始イライラと過ごすデザイナー。
クリスティーン(キャサリン・キーナー)は、夫と共同で小説を書いているが、冷めた夫婦関係に苦しむ。
フラニー(ジョーン・キューザック)は、リッチで生活面に問題がない。
この3人はキャリアを積み、結婚して一応は順風満帆。
だが、オリヴィエ(ジェニファー・アニストン)だけは失業中、メイドでなんとか生計を立てている。
しかもまだ独身で、別れた恋人が忘れられない。
そんな彼女の為に新しい男性を紹介するフラニー。
誠実で素敵に見えたその彼は、二股をかけていた。
4人の40代女性~等身大の姿を描いた映画。
結局、人間ってこんなものなのかも…という感じ。
映画を観てるというより、そこら辺の日常で起きていそうな~そんな感じ。
古くからの友情なんだけど、お互いに比較したり、陰口言ったりするんですよ~!
女って、学生時代仲良くしてても、結婚して生活が変わると、疎遠になったり、やっかんだり…てことはありますね。
経済状況で大きく差が無いことが、まずは友情を保つ秘訣かもしれない。

オリヴィエがねえ~酷いんです…酷いという表現が正しいか解らないけど…
メイドで行く家で、家主の留守中に色々やるんです!!
化粧品使ったり、冷蔵庫から軽く飲んだり、しかも紹介された彼氏同伴でベットまで使っちゃう!!
嫌だ~~~あぁ!!こんなキーパーさん!!
別れた彼氏に無言電話をかけ、挙句の果てに電話に出た奥さんに罵声あびせたり、
フラニーに金持ちなんだから、少しぐらい貸してくれてもいいじゃない!とお金せびったりする。
まだ化粧品コーナーでサンプルをかき集めるのは、女としては解らなくもなく可愛いんですが…
そんなオリヴィエをジェニファー・アニストンが演じます。
好感のある女優さんですが、わりとワンパターンだったりしますね。
ラブコメではその表情の可愛らしさは引き立ちますが、この3人の演技派女優の中ではチョット見劣り気味でした。
あと、設定では4人が同級生かそれに近いと思いますが、
実年齢ジェニファーが38歳ぐらいで、フランシス・マクドーマンドは50歳、キーナーは47歳、キューザック45歳。
少々視覚的に違和感がありました。なんてったって、ジェニファーが一番シワが少ない♪

ジェーンは、誰に対しても腹がたつ。
子供を預かったのに礼がないと怒鳴り、順番抜かしたとレジで怒鳴り、
最近おっくうで、髪の毛すら何日も洗っていない。
この先ドラマチックなことも無く、女として人間としても衰えていくだけ…それが自分をこうさせるんだと…
私も同じ年代なので、このような更年期に差し掛かる女性の心理は共感を得るよな~と思いました。
フランシス・マクドーマンドの演技は、やっぱり凄い!!
特に今回の怒りは迫力ある。
ここまで、怒れるとスッキリするの?いいえ、返ってドップリと落ち込むのです。
そんな静と動の表情は、演技だけでなく人生を重ねてきたキャリアからも十分見応えがあります。
ほんと、こんなオバサン、いるのよね!!
自分もこうはならないようにと思うのだけど…
“自分達夫婦が上手くいってないから、他の夫婦も問題があるんだと思いたいのよ”と言われてしまうクリスティーンは、自宅で夫と共同作業で小説を書いています。
彼女の希望で、自宅にペントハウスを建設中。
日頃から仕事上でも言い争いが耐えないので、プライベートも延長戦があるよう。
彼女もそんな現状にイライラをつのらせています。
ここの旦那さんは、一番身勝手な印象を受けました。
結構ストレートに文句言う妻を操縦できないし、歩み寄ろうともしない。
最近『40歳の童貞男』でお歳のわりにはナイス・ボディーだったキャサリン・キーナー。
旦那さまとの関係を修復したいけれど、やはり自分に取って嫌な事は我慢できないのでしょう。
そんな不安定な感情と、ラストにひっそりと泣く姿は、切ないものがありました。
いちばん裕福で悩みのなさそうなフラニー。
と言っても、旦那さまが子供に高価な靴を与えたり、内心は色々あるようですが、言い出せばキリが無くなるのか、相手に不満を覚えたら自分が辛くなるんでしょうね。
リッチな暮らしをしているので、ある程度の我慢は必要なのか。
彼女がオリヴィエについて旦那さまに“今知り合っていたら友達になっているかしら”と言いますが、いや、私なら…なってないな!
女の友情は結構強くて頑丈そうなものだけど、あんな事~こんな事があったよねえ~と同じ時を共有してるからこそ、深い繋がりになるのもの。
4人の中では、いたって普通~まとめ役、お姉さんタイプな感じがジョーン・キューザックの雰囲気からよく感じられた。
でも、空虚な毎日を過ごしている自覚も十分あって、
お金も健康も、自分を大切にしてくれる夫も必要。
それと引き換えるわけではないにしても、自分のスタイルを壊さない芯の強さや争いごとを避ける、ある意味賢い雰囲気は上手です。
でも一番キツかったりして…
この方、老けて見えるぅ~!
夫婦がうまくやっていくコツは、お互い、何かは諦める。
不満ばかりをぶつけても、結局自分が苦しむだけ。
この年代になると、それが案外スンナリとできるのも不思議!
こんな豪華な女優人で、演技もかなり良かったのに…
なんか詰まらない!!
面白くないわけじゃないし、それぞれのエピソードも悪くないんだけど、なんかダルイ。
脚本が悪いの?
観終わって残るのは、役者さんの演技の良さだけ♪
日本では未公開(その基準がイマイチ解らないんだけど)
確かにインパクトは弱いかも。
2006年 アメリカ映画 日本未公開
監督 ニコール・ホーロブセンナー
ブロークバック・マウンテン
2007, 04. 09 (Mon) 13:31

1963年の夏。
ワイオミング州のブロークバック・マウンテンで、
イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)は、農牧場に季節労働者として雇われる。
過酷な仕事をこなし、他に頼る人間のいない場で、信頼関係や絆を作りあげていく。
二人に友情が芽生えるが、それはいつしか愛情へと変わっていく…
ひと夏の仕事を終え、イニスはアルマ(ミシェル・ウィリアムズ)とジャックはラリーン(アン・ハサウェイ)と結婚し、それぞれの生活が始まるが。
保守的なアメリカの西部で、20年以上にも渡って男同士の愛を貫いた2人の“普遍の愛”を描く人間ドラマ。
2005年のヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞したほか、数々の映画賞にノミネートされている話題作(シネマトゥデイ)
原作はアニー・プルーの同名短編。

話題になった同性愛者のラブストーリー。
でもそれだけではなく、登場人物それぞれの人間の繋がりがテーマになっている感じがします。
そして観終わった後、人が人を愛するって…どういうことなんだろう?と考えてしまいました。
自分には同姓愛というのがよく理解できないので、どうしても妻の立場~特にアルマの立場で観てしまいます。
アルマにすれば、夫とジャックのキス現場を目撃し、
これが女性とであれば、彼女の心中や次の行動は想像できるけれど、
夫が不倫、しかもゲイである!!と、二重のショックは想像の範囲を超える…
それでも事実を知ったことを隠し、イニスとジャックの逢瀬に耐え続けるアルマ。
そんなアルマの気持ちも知らずに「俺の子供を産むのが嫌なら、おまえとは寝ない!」とか言ってしまう!
そ、そんな、、、酷すぎる!!
人を傷つけず、家族は大切に、夫婦は愛し合い、子供はきちんと育て…なんて社会的に責任や義務を果さなければならない、という道徳的なルールが、どうなっちゃうのか解らなくなる。
こんなストーリーは、男女の恋愛ではよくありがちだけど、
男同士の恋愛はいくら“純愛”と言われても、やはり違和感があってなじめない。
(そもそも私は“純愛”って言うものが、良く解らないのかもしれないんですが)
でもそんな道徳観、善悪、好き嫌いは別として、
これも一つの愛の形なのだろうという事は伝わります。
男同士のそれは想像したほど嫌悪感はなかったし、イニスと一緒に暮らしたがるジャックの気持ちも、同性愛は迫害されていた時代を恐れて、そうできないイニスの気持ちも解るような気がした。
ラストに向けてのイニスの心情は、深い愛と切なさを感じたし、
結婚を報告しにきた娘とのやり取りも、愛する人を大切にすることの重要さを知ったのだと思う。
これ以上、イニスは後悔せず生きていくのだろう。
自然の山々の美しい映像が、また割り切れない気持ちにさせられました。

寡黙で、心を閉ざしているかのようなイニスをヒースは好演です。
私の好みは3枚目な彼ですが、こんなシリアスな演技もまた彼ならでは。
無邪気で明るいジャックを演じるジェイク、もう、ほんとっ、この頃から彼の株は右肩上がりっ♪
スクリーン前方に映し出されるジェイクの顔にピントを合わせ、
背後で全裸(に、ブーツだったよね)で身体を拭いているヒース。
その時のうつむきかげんのジェイクの瞳と睫毛の多さ!
愛に苦悩する姿を、とても繊細に演じて、二人とも若手演技派男優さんですねえ。

その愛の犠牲のようになる二人の妻、
ミシェル・ウィリアムスとアン・ハサウェイも、困惑する表情など細かい部分の演技も素晴らしく、彼女たちの怒りや哀しみの感情が伝わりました。
プリンセス・アンは、想像以上の爆乳でしたあ!!
アン・リー監督の言葉
「自分自身のブロークバック・マウンテン(心のどこかで戻りたいと願ってる場所)を見つけてほしい」
人は大切なものを失っていくが、心の中に帰る場所を持っていたいのだと感じました。
余談ですが~旦那さんに観に行くかと聞いたら、
これは興味がないとの事で、多少不安な気持ちでひとり出かけましたが、
案外と女性客が多く(いや~旦那さんと一緒でなくて返って良かった!)気にせず鑑賞できました。
が…退場する時、杖をついて歩いて行かれるお婆さんが…
あのテントのシーンや、お髭がじょりじょり痛そうなシーンをどう見たのだろう?!
2005年 3/4公開 アメリカ映画
監督 アン・リー
ブラッド・ダイアモンド
2007, 04. 08 (Sun) 00:27

内戦が続くアフリカ。
漁師のソロモン・バンディー(ジャイモン・フンスー)は、村を襲撃してきた“RUF”によってダイヤモンド採掘場へと連れていかれる。
離れてしまった家族を思いながら、ダイヤモンドを採掘する日々。
ある日、彼はめったに採掘されないというピンク・ダイヤモンドを見つける。
地中に埋めたダイヤモンドの存在が、
ダイヤの密売人であるダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)の知ることとなる。
ジャーナリストのマディー(ジェニファー・コネリー)は、
反政府組織“RUF”の資金源となっている“ブラッド・ダイヤモンド”の真相を探っていた。
ピンク・ダイヤモンドをめぐって、それぞれの思惑が動き出す。
1990年代後半のアフリカ、シエラレオネでの激しい内戦を描いた社会派アクション映画。
“ブラッド・ダイヤモンド”と言われる不正な取引をめぐる争いを、サスペンスフルに描く。
地域紛争が激化する“ブラッド・ダイヤモンド”の現実問題に言及した内容について、
米国務省が批判したことでも話題となった問題作(goo映画より)

記念や感謝の気持ちへの贈り物だったり、婚約指輪だったり~その永遠の輝きに、人は何を求めているのか。
その原石がどこで採掘され、どんな経過をたどって自分の手元に落ち着いたのか…
そんなことは1度も考えたことはなかった。
しかも“紛争ダイヤ”という怪しげな名称のダイヤモンドが存在するなんて!
エピソードは別としても、背景は全て事実なんだろう。
シエラレオネで内戦が激化し、RUFが村人を襲い、体力のある男はダイヤ採掘、子供は洗脳して兵士にし、見せしめの為に凶行の数々を繰り返した。
採掘したダイヤはRUFの資金源として、密売人によって隣国に持ち込まれる。
その後ある方法で、正規のルートに紛れ、磨かれた希少な高級品として流通されてくる。
私達がダイヤの輝きに胸を躍らせても、
それは決して幸せの象徴のようなものではないのかも知れない…。

銃撃戦あり、悲惨な場面も多々あり、そのショッキングな出来事に目を覆いたくもなりますが、
貴重な資源が国民の生活を潤すどころか、戦争の道具になり、
先進国がそれを煽り国民は苦しんでいる。
採掘での過酷な労働や、テロリストへの資金源になるという闇の部分は、恐ろしい事に今も確実に存在するという事なんです。
これは、石油や金等をめぐって起きている事も同じ。
そういう意味でも、是非多くの人に見てもらいたいと感じました。
女性ならひとつは持っているだろうそのダイヤは、
もしかしたら“紛争ダイヤモンド”なのかも…。
本年度アカデミー賞主演男優でノミネートされたディカプリオ。
「ギルバート・グレイプ」は、あの幼ない表情が生かされて名演でした!
その後、彼の作品を全て観ている訳ではありませんが、正直演技に大きく感動した事ありませんでした(数作、好みはありますが)
オスカー受賞のフォレストさんの「ラストキング・オブ・スコットランド」を観ていないのでわかりませんが、
このディカプリオはオスカーに値するような素晴らしい演技で、
キャリアの最高傑作なのでは…と思いました!。
「ディパーテッド」なんかより、ずっ~と良かった♪
アフリカ出身のジャイモン・フンスーは、やはり本年度助演男優賞にノミネートされ、
「リトル・ミス・サンシャイン」のハジケタお爺を演じたアラン・アーキンにオスカーがいきましたが、
この演技も十分に値のあるものと思います!
ここでの彼の存在はとてもリアルで、家族を思い、息子を思う真正直な父親の姿は感動でした。

ジェニファー・コネリーも嫌味のない静かな美しさで、
女性を強調しすぎない魅力のある演技はとても好感が持てました。
この3人のそれぞれの指名感のようなものが明確に表現されていて、
作品の完成度も高いのではないでしょうか。
ダイヤモンドを購入する時は4つのC
color(色)
cut(カット)
clarity(透明度)
carat(カラット)
をチェックすることが大切だと言われる。
しかし、実は5つめのC「conflict(争い)」が存在する。
チラシを読んで初めて知ったその事実!
2007年 4/7 公開 アメリカ映画
監督 エドワード・ズウィック