パフューム ある人殺しの物語
2007, 03. 06 (Tue) 21:03

18世紀のパリ。悪臭立ちこめる魚市場で一人の子供が産み捨てられた。
ジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショーグルヌイユ)は、生まれながらに体臭がなく、神が彼に唯一与えたのは、あらゆるものを嗅ぎ分ける驚異的な嗅覚だった。
やがてグルヌイユは、パリの香水調合師バルディーニ(ダスティン・ホフマン)に弟子入りして香水の作り方を学ぶと、もっと高度な技術を持つ職人の街グラースへと向かう。
彼はグラースで、リシ(アラン・リックマン)の娘ローラ(レイチェル・ハード=ウッド)が放つ香りを知り、禁断の香水創りに着手するのだった。(goo映画より)
18世紀のパリで悪臭が漂う雰囲気は、魚市場でちょっとグロテスクに現され、その臭さを想像できますが、グルヌイユが産み落とされる様子はかなり不快で少し眼を覆いたい気分に・・・
反面、草花や木、果物、風が運ぶ香りは自然の“匂い”を想像でき、“臭い”との違いを上手く表現していると感じました。
何キロ先の匂いを嗅ぎ分ける超人的な嗅覚の持ち主で、自身には体臭がない。
ある運命の香りと出会ってから、異常なまでの執着心でその香りを再現しようとする。
ある意味、変質者で変態な行動をぞくっとするような演技でみせてくれます。
でも、タイトルから感じるような殺人シーンなどは殆どなく、
綺麗な死体が何体か登場するだけ。
サスペンスではありません~終盤なんて、ファンタジーです。
それもRなファンタジーです!
かなり大勢であんなことされたら、どこ見ていいのやら…
様々な香りを描写で想像させられたのに、そんな終わり方はあり?…
バロック調の音楽や当時の衣装やセットなどは良かったと思います。
不潔さも自然界の美しさも感じました。
ただ、グルヌイユは愛されたい、人の記憶に自分が残りたい、と純粋な気持ちだけだったのでしょうか。
自分には体臭がないことで、存在していないかのように感じる。
生きている証として持つ香り…それはどんな生き物にもあるわけで、人にとって香りの記憶は奥深いと思います。
まあ、だからと言って許される事ではないのですが。
大ベストセラー、パトリック・ジュースキントの「香水 ある人殺しの物語」が原作。
スピルバーグやスコセッシが映画化権を熱望したと言われる話題の小説。
2007年 3/3公開 ドイツ映画
監督 トム・ティクヴァ