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キラー・インサイド・ミー 

2011, 06. 03 (Fri) 17:15

The Killer Inside Me
1950年代の西テキサス。
田舎町で保安官助手をするルー・フォード(ケイシー・アフレック)は、誰からも好感を持たれる真面目な青年。
長年の恋人、エイミー・スタントン(ケイト・ハドソン)と気ままな逢瀬を重ね、穏やかな日々を送っていた。
ある日、ルーは娼婦のジョイス(ジェシカ・アルバ)と出会い、長年封じ込めてきた殺意が爆発する。


ジム・トンプソンの「おれの中の殺し屋」を映画化。
ふとしたきっかけから、本能的な残虐性に目覚める主人公が、凶行を繰り返していくさまを描く。

2011年 4/16公開 アメリカ/スウェーデン/イギリス/カナダ映画
監督 マイケル・ウィンターボトム
痛い{★★2/5}

土地の有力者、上司、友人や恋人と、住み慣れた町の人間達だけで形成される、1950年代の小さな田舎町。
ルーには、義理の兄がどうだとか、家政婦(?)がどうだとかと、トラウマになったような回想シーンはあるのですが、明白な事は明かされてはいなので、どうしてこんなサイコな男になったのか、想像の範囲でしか分かりません。
外からの影響云々より、元々持ち合わせていた暴力的な欲望を自身が認知していて、「良い人」の仮面に封じ込めていたように感じます。
ところが、ジョイスとの出会いで封印が解けてしまったと言うのなら、まあ、これが、どんでもない男です…。

以下、ネタバレ
THE KILLER INSIDE ME 1
ジョイスを殺すシーンでは、「すぐ終わるから。痛い?ごめん。愛してる」と、ボコボコに殴りながら、愛憎(?)の言葉を投げかけ、それなら、いっそ、一気に殺してよ!!なぐらい、カットが変わる度に、ジェシカ・アルバが無残な顔になっていくので、DV男の精神状態に胸糞が悪くなります。
エイミーのシーンでも、徐々に息絶えて行くのを見ながら、失禁にニヤっとした笑いを浮かべ、ゾッとしました。
この映画での男女の交わりには、色んな意味合いが含まれているのでしょうが、ルーに取っては、「死」や「暴力」と同等な感じでした。
保身や自己中なのか、乖離性の障害なのか分かりませんけど、トラウマに悩まされている様子も感じません。
その場その場を乗り切るだけで、衝動的な人なのかな。

ルーのナレーションで物語が進むけど、結局、殺人の動機が分からない。
今の時代なら、最初の段階で捕まってますよね(苦笑)
二面性は誰にでもあるものだろうけど、偽善者の短絡的な殺人としか思えなかった。
ジョイスを都会の病院に移動させての件から、ラストの展開も予想通り。
サスペンスとしたら、流れは珍しいものではなかったです。
でも、殺人はさて置き、いるんだろうな~こんな人、、、とは思います。
怖いです。

善良の裏顔、サイコ男のルーを、ケイシー・アフレックが不気味で上手い。
ベン兄と同じようなこもったような音質の喋り方は、淡々としていて、何を考えているのか分からない内面の裏腹が絶妙です。
ぷっくりとしてオバサン臭かったケイト・ハドソンは役作り?
彼女も上手かった。
ジェシカ・アルバもケイト・ハドソンも、濡場から死に際まで…これは辛かった(;´Д`A ```
時々、Bが漂い、ラストは、突如ファンタジックでツッコミ(あの家は油臭いでしょう?)あり。
エンドロールのカントリーの歌詞は、逆に小バカにしたようで、洒落がありました(笑)

コメント

ituka

猟奇映画なら韓国かな

なぜ、今これなの?ってくらい古臭く感じました。
ルーの動機がイマイチ分らなかったですよね。
たぶん、この男は熱しやすく冷めやすいってことでしょうか(笑)

お尻ペンペンや鞭打ち嫌ですよね~
痛がってるのを見て喜ぶ神経が分りません^^
ケイト・ハドソンの失禁シーン、見せ場はあそこだけでした(←おい)

2011/06/03 (Fri) 20:01 | ituka | 編集 | 返信

KLY

No title

ジェシカたんボッコボコでしたね…。
観終わって凄い胸糞悪かったんで、映画の演出としては成功なのかもしれません。好きにはなれませんけど(苦笑)

2011/06/03 (Fri) 22:36 | KLY | 編集 | 返信

オリーブリー

itukaさんへ

こんばんは。

時代の雰囲気はあるけど、ちょっと今更な感じは受けましたよね。
痛みと快楽って、紙一重なんですかねぇ…そう感じる部類を否定はしませんけど、もう少し、内面を掘り下げるとかしてくれたらと思いました…。
ケイト・ハドソンの方が、ジェシカより娼婦っぽかったなぁ~(;^_^A アセアセ・・・

2011/06/04 (Sat) 23:11 | オリーブリー | 編集 | 返信

オリーブリー

KLYさんへ

こんばんは。

娼婦にしたら、小奇麗なジェシカだったけど、あのボコシーンは、同性としては見てられない酷いものでした。
胸糞が悪いのも、監督の思う壺なのか、、、確かにそれは言えてますね(爆)

2011/06/04 (Sat) 23:33 | オリーブリー | 編集 | 返信

sakurai

ウィンターボトム!!

昔のこの人から、不条理殺人とか、いつまでも胸糞悪い映画もあるんだよ!と教えてもらった気がするのですが、最近えらくおりこうさんの映画ばっかで、あのウィンターボトム節は、もう見れないのか・・・と思っていたんのですよ。
なもんで、アタシ的には、この胸糞悪い話が結構つぼ。いらいらさせるケイシーの使い方など、ほんとに気持ち悪くて、・・・よかったです。

2011/07/23 (Sat) 08:38 | sakurai | 編集 | 返信

オリーブリー

sakuraiさんへ

私は逆に、胸糞悪くなる猟奇的なものダメです…。
深い背景とか、心の闇とか、描かれているなら別ですけど。
まあ、こんなヤツに正当な動機なんてないに等しいけど(汗)
でもこちらは途中から、ちょっとBの香りがしてきたので、「ファニーゲーム」よりは胸糞悪くなかったですよ(苦笑)

2011/07/25 (Mon) 16:41 | オリーブリー | 編集 | 返信

yukarin

こんにちは♪

女性があそこまで殴られるのは見ていてきついものがありました。
ケイシー・アフレック怖かった!
不気味さが出ていてホント上手いですね~。

2011/09/10 (Sat) 17:08 | yukarin | 編集 | 返信

オリーブリー

yukarinさんへ

こんにちは~お返事が遅れてすみませんでした。

ケイシーは上手ですよね~不気味でした。
女性に対する暴力的なシーンがこう続くと、ホント、胸の奥が何とも言えない痛さに襲われます。
直視できなかったな…(^_^;)

2011/09/14 (Wed) 11:05 | オリーブリー | 編集 | 返信

Hiro

こんばんは

TB有難うございました。
ケイシー・アフレックのあの役柄の印象は、他の出演作を見ても
暫く引きづりそうなくらい陰湿で強烈だった。

2012/04/22 (Sun) 22:39 | Hiro | 編集 | 返信

オリーブリー

Hiroさんへ

こんにちは。

>陰湿で強烈

一見、人の良さそうな人物に限ってってパターンがピッタリで、芝居は(兄より)上手いですね。

2012/04/27 (Fri) 11:49 | オリーブリー | 編集 | 返信

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